(イスラエル軍の空爆により立ち上る黒煙=パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスで2024年8月16日、ロイター【8月17日 毎日】 黒煙もさることながら、そうした状況でも特に慌てるでもない住民の様子が、空爆が日常と化したガザの状況を物語っているようにも見えます。)
【「これまでになく合意に近づきつつある」(バイデン大統領)】
パレスチナ・ガザ地区に関しては、カタールの首都ドーハでイスラエル、カタール、アメリカ、エジプトの当局者が参加して停戦に向けた交渉が行われています。ハマスは直接は参加していませんが、協議を受けて調停団がハマスと交渉する形をとっています。
交渉のベースになっているのは、5月末にバイデン大統領が発表した3段階からなる停戦や人質解放を含む提案ですが、アメリカはイスラエルとハマスの「隔たりを埋める」新たな提案を示したとも。詳細は明らかにされていません。
15,16日の協議を受けて、来週エジプト・カイロで協議が行われる予定です。
****米など 停戦合意に向けた提案をイスラエルとハマスに示す****
アメリカ政府などは16日、ガザ地区での停戦の合意に向けた提案を、イスラエルとイスラム組織ハマスに示したと明らかにしました。関係国の政府高官は合意をまとめることを目指し、来週末までに改めて協議を行うとしています。
ガザ地区での停戦と人質の解放に向けた協議は15日からイスラエルも参加して行われ、アメリカと仲介国カタール、エジプトの3か国は16日、共同声明を発表して、イスラエルとハマスに合意に向けた提案を示したと明らかにしました。
提案はアメリカが提示し、詳細は明らかにされていませんが、ことし5月末にバイデン大統領が発表した3段階からなる停戦や人質解放を含む提案などに沿っていて、イスラエルとハマスの溝を埋めるものだと主張しています。
そして、関係国の政府高官が合意をまとめることを目指して、エジプトのカイロで来週末までに改めて協議を行うとしています。
イスラエルの首相府は16日「ハマスが人質解放の合意を拒否するのを思いとどまらせるための、アメリカと仲介国の努力に感謝する」などとする声明を発表する一方、ハマスの報道官はロイター通信に対し、アメリカが合意に向け前向きな雰囲気を偽ろうとしているとして慎重な姿勢を示しました。
アメリカのバイデン大統領は記者団に対し「これまでになく合意に近づきつつある。まだ合意に至ってはいないが、祈りながら待とう」と述べました。
戦闘の犠牲者が4万人を超える中、今後の協議で合意が実現できるのかが焦点となります。【8月17日 NHK】
提案はアメリカが提示し、詳細は明らかにされていませんが、ことし5月末にバイデン大統領が発表した3段階からなる停戦や人質解放を含む提案などに沿っていて、イスラエルとハマスの溝を埋めるものだと主張しています。
そして、関係国の政府高官が合意をまとめることを目指して、エジプトのカイロで来週末までに改めて協議を行うとしています。
イスラエルの首相府は16日「ハマスが人質解放の合意を拒否するのを思いとどまらせるための、アメリカと仲介国の努力に感謝する」などとする声明を発表する一方、ハマスの報道官はロイター通信に対し、アメリカが合意に向け前向きな雰囲気を偽ろうとしているとして慎重な姿勢を示しました。
アメリカのバイデン大統領は記者団に対し「これまでになく合意に近づきつつある。まだ合意に至ってはいないが、祈りながら待とう」と述べました。
戦闘の犠牲者が4万人を超える中、今後の協議で合意が実現できるのかが焦点となります。【8月17日 NHK】
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交渉は“正念場を迎えている”といったところでしょうか。
“バイデン米大統領は16日、共に仲介するエジプト、カタールの首脳とそれぞれ電話会談した。ブリンケン米国務長官は17日にイスラエルを訪問。ネタニヤフ首相と会談する見通しだ。国務省は訪問に際し、全当事者に「最終合意を妨げる行動」を控えるようけん制した。再協議を前に、米国は外交圧力を強めた。”【8月17日 共同】ということで、アメリカ・バイデン政権は相当に力を入れ、当事者への圧力をかけているようです。
【イラン 停戦合意ならイスラエル報復抑制 交渉失敗ならイスラエル攻撃実行】
ハマスの最高指導者だったハニヤ氏がイランで暗殺されたことを受け、イランはイスラエルへの報復を宣言していますが、ガザの停戦交渉で進展があれば、直接攻撃を自制する姿勢を示しています。
逆に言えば、交渉が不調に終われば、イランのイスラエルへの報復が実行され、中東情勢の緊張が一気に高まることにもなります。
****ガザ交渉に「時間与える」 イラン、報復自制示唆****
パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で、イスラエルとイスラム組織ハマスの仲介役である米国などに対し、イラン政府が「時間を与える」と伝えていたことが17日、分かった。
イランがハマス幹部暗殺に対するイスラエルへの報復を一時自制すると示唆した形。イラン政府高官が共同通信に明らかにした。
ただイラン政府は「適切な時期に報復する」とも伝達した。イランが報復する姿勢を示し続けることで、ガザ戦闘が中東の地域紛争を拡大させることを懸念する米国やアラブ諸国に圧力をかけ、ガザ停戦実現を目指す狙い。
イラン政府高官は「和平のために時間を与えることが優先で、イランは和平を支持する」と述べた。【8月17日 共同】
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今月4日には、ブリンケン米国務長官が主要7カ国(G7)の外相に対し、イランやヒズボラが早ければ24〜48時間以内にイスラエルに攻撃を開始するとの見方を伝えたと報じていましたが、攻撃は未だ実施されていません。
国外から招いた賓客を自国の首都で殺害されたイランとしては、何もしないままでは済まされない状況にあって、強硬派の革命防衛隊はもちろん報復攻撃を主張していますが、改革派とされる新任のペゼシュキアン大統領も、この問題で弱腰を見せると政権批判につながりますますので、安易な妥協はできません。
****イラン、自制求める西側の働きかけを拒絶 イスラエルへの報復攻撃めぐり****
(中略)イギリスのキア・スターマー首相は12日、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領との異例の電話協議で、「軍事攻撃に関する現在の威嚇をやめる」よう求めた。イギリス、フランス、ドイツの首脳も同日夜、共同声明を発表し、イランとその支援国に対し、「地域の緊張をさらにエスカレートさせるような攻撃を控える」よう強く促した。
しかしイランの国営通信(IRNA)は13日朝、ペゼシュキアン氏がスターマー氏との電話で、「侵略者に対する懲罰的な対応は国家の法的権利であり、犯罪と侵略を阻止する方法だと強調した」と伝えた。
IRNAによると、ペゼシュキアン氏は、西側諸国によるイスラエル支援が「残虐行為の継続」を促しており、平和と安全を脅かしていると主張。イランから見れば「世界のどの地域の戦争もいかなる国の利益にもならない」と述べたという。
これとは別にイラン外務省も、英仏独からの自制の要請を、「政治的論理に欠け、国際法の原則と規則にも完全に反しており、行き過ぎだ」としてはねつけた。(後略)【8月14日 BBC】
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とは言うものの、イランとしてはイスラエルとの関係を大ごとにしたくない・・・というのも本音で、振り上げた拳をおろせる理由を探している・・・・といったところでしょうか。
イスラエルはイランの報復攻撃に備えています。
****イスラエル外相、同盟諸国に「反撃への加勢」期待 イランの攻撃あれば****
イスラエルのイスラエル・カッツ外相は16日、中東エルサレムで行われた英仏外相との会談で、イスラエルがイランから攻撃を受けた場合、同盟諸国に「反撃への加勢」を期待していると述べた。だが、フランスのステファヌ・セジュルネ外相はこの発言を「不適切」と見なした。(中略)
イスラエル外務省によると、カッツ氏はイスラエルを同時訪問したフランスのセジュルネ外相、英国のデービッド・ラミー外相に対し、「イランが攻撃してきた場合、わが国は同盟国に対し、防衛だけでなく、イラン国内の重要目標に対する攻撃への加勢も期待している」と語った。
だが、セジュルネ仏外相は会談後、記者団に対し、「われわれは現在、外交的解決へ向けた取り組みを進めている。そうした中で(イランがイスラエルを攻撃した場合の)イスラエルの対応について話すのは不適切だ。われわれはイランの報復を防ぐために努力している」と語った。
一方、イスラエルは、米国のロイド・オースティン国防長官から、「イスラエル防衛の準備はできている」と改めて言質を取ったと述べた。(後略)【8月17日 AFP】
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西側諸国としても、イスラエルとイランが事を構える事態は避けたいところでしょう。
ただ、戦闘継続が自身の政治生命延命に繋がっているネタニヤフ首相はどうでしょうか・・・
【停戦交渉中も攻撃の手を緩めないイスラエル ガザではポリオ感染確認 国連は停戦・ワクチン接種を求める】
そのイスラエルは停戦交渉中もガザ地区への攻撃の手を緩めていません。
****停戦交渉再開も イスラエル軍がガザに空爆 17人死亡*****
パレスチナ・ガザ地区南部ハンユニスなどでイスラエル軍の空爆があり、少なくとも17人が死亡しました。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによりますと16日、ガザ地区南部ハンユニスにある避難テントにイスラエル軍の攻撃があり、子どもを含む6人が死亡したということです。ほかの地域でも負傷者が出ていて、死者は少なくとも17人にのぼるとしています。
イスラエル軍はイスラム組織ハマスが活動をしていると主張して、ハンユニスなどに退避勧告を出していて、中には軍が「人道地区」に指定した場所も含まれていました。
15日には停戦交渉の協議が仲介国のカタールで再開していた最中でしたが、イスラエル軍が今後も激しい攻撃を継続する可能性もあります。(ANNニュース)【8月17日 ABEMA TIMES】
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ガザでは空爆被害、食糧不足に加えて保健衛生上の問題も大きくなっています。
****ガザでポリオ感染、25年ぶり確認…国連事務総長が子どもへのワクチン接種と即時停戦呼び掛け***
パレスチナ自治区ガザの保健当局は16日、発症すると手足のまひなど後遺症が残ることもあるポリオの感染が確認されたと発表した。
国連のアントニオ・グテレス事務総長はこの日、国連本部で記者団に、流行阻止には子どもたちへのワクチン接種が必要だと訴え、ガザで戦闘を続けるイスラエルとイスラム主義組織ハマスにワクチン接種のための即時停戦を呼び掛けた。
世界保健機関(WHO)によると、ガザでは過去25年間、ポリオの感染が確認されていなかった。WHOは7月下旬、ガザの下水からポリオウイルスが検出されたと発表していた。国連は、10歳未満の64万人以上を対象にワクチン接種を始める準備を進めている。
グテレス氏は記者団に「流行を食い止めるには、大規模な緊急対策が必要だ」と述べた。
ガザでは水道や衛生施設は長引く戦闘で壊滅状態となっており、定期的な予防接種も中断されている。グテレス氏は、はしかやA型肝炎も流行していると指摘し、感染症対策の重要性を強調した。【8月17日 読売】
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【逼迫するヒズボラとの緊張 イスラエルにはヒズボラとの戦闘を求める声も】
停戦をめぐる交渉の行方は、上記のようなガザ地区住民の生命、イラン・イスラエルの衝突に繋がっていますが、更にもうひとつ。停戦交渉の行き詰まりはイスラエルとレバノン・ヒズボラの戦闘拡大にもつながります。
以前も取り上げたようにイスラエル・ヒズボラの関係が緊迫しており、特に7月30日にイスラエルのベイルート攻撃でヒズボラの司令官が死亡したことで、いつ本格的戦闘に拡大しても不思議ではない状況です。
****ヒズボラ単独でイスラエル報復も=イランとの連携見通せず―米メディア****
米CNNテレビは7日、複数の情報筋の話として、イスラエル軍に最高幹部を殺害されたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが、単独でイスラエルに報復を仕掛ける可能性が高いと伝えた。
ヒズボラは後ろ盾のイランと共にイスラエルを攻撃するとみられていたが、イランより準備が早く、数日以内に攻撃する公算が大きいという。
パレスチナのイスラム組織ハマスのトップだったハニヤ氏がイランの首都テヘランで殺害されたことを受け、イラン最高指導者ハメネイ師は報復を宣言。CNNによると、米軍当局者は、イランは攻撃の準備をある程度整えているが、計画の詳細をいまだ立案中とみられると語った。米紙ワシントン・ポストは先に、イランが大規模攻撃計画を再検討している可能性があると報じていた。
ヒズボラの指導者ナスララ師は6日、報復が「強力で効果的になる」と予告した。CNNは、イランとヒズボラがどのように連携して報復に踏み切るかは見通せず、ヒズボラがイランと異なり事前通告なしに攻撃する可能性が高いと伝えている。【8月8日 時事】
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****ヒズボラ、テルアビブ標的に報復か イランより大規模に=専門家****
イスラエルに対する報復攻撃の懸念が高まる中、イスラエル紙ハアレツの軍事専門記者は、イラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラによる報復はイランよりも大規模なものになり、テルアビブのイスラエル国防省などが標的になる可能性があるとの見方を示した。
7月30日、イスラエル軍がレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラのフアド・シュクル司令官が死亡。翌31日にイランの首都テヘランでイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が死亡した。
ハアレツのシニア軍事コレスポンデント、アモス・ハレル氏はカーネギー国際平和基金が7日に開いたオンライン対談で、シュクル司令官が殺害された数時間後にハニヤ氏が死亡した事態を受け、中東全体が新たな方向に向かったと述べた。
想定されるイランによる報復について、テヘランで犠牲になったのはパレスチナ人で、イラン人ではなかったことを踏まえると、4月14日のイスラエルへの報復攻撃と同程度か、それ以下になると予想。一方、殺害されたヒズボラのシュクル司令官はヒズボラの重鎮で、指導者のナスララ師と親しかったことを踏まえると、ヒズボラはイランよりも厳しく対応するとの見方を示した。
その上で、ヒズボラは全面戦争を回避するために人口が集中する地区への攻撃は避け、軍事施設を標的にするとの見通しを示した。イスラエルが首都ベイルートを攻撃したため、報復の対象はテルアビブになる可能性があるとし、テルアビブのハキリヤにあるイスラエル国防省のほか、北部グリロットの軍事施設などを想定される標的として挙げた。
イランから発射された弾道ミサイルがイスラエルに着弾するまで約12分かかるのに対し、レバノンから発射されたロケット弾、もしくはミサイルは1分半から2分半でテルアビブに着弾するため、ヒズボラが2、3時間という短時間に集中して攻撃を行えば、「壊滅的」な被害が出る恐れがあるとした。
ヒズボラが過去10カ月で約400人の戦闘員を失ったことを踏まえ、ナスララ師は戦闘停止を願っているとの見方も一部で出ているとしながらも、現在の状況は4月時点と比べはるかに深刻で、イスラエルは「かなり大きな」動きに備えていると述べた。【8月9日 ロイター】
7月30日、イスラエル軍がレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラのフアド・シュクル司令官が死亡。翌31日にイランの首都テヘランでイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が死亡した。
ハアレツのシニア軍事コレスポンデント、アモス・ハレル氏はカーネギー国際平和基金が7日に開いたオンライン対談で、シュクル司令官が殺害された数時間後にハニヤ氏が死亡した事態を受け、中東全体が新たな方向に向かったと述べた。
想定されるイランによる報復について、テヘランで犠牲になったのはパレスチナ人で、イラン人ではなかったことを踏まえると、4月14日のイスラエルへの報復攻撃と同程度か、それ以下になると予想。一方、殺害されたヒズボラのシュクル司令官はヒズボラの重鎮で、指導者のナスララ師と親しかったことを踏まえると、ヒズボラはイランよりも厳しく対応するとの見方を示した。
その上で、ヒズボラは全面戦争を回避するために人口が集中する地区への攻撃は避け、軍事施設を標的にするとの見通しを示した。イスラエルが首都ベイルートを攻撃したため、報復の対象はテルアビブになる可能性があるとし、テルアビブのハキリヤにあるイスラエル国防省のほか、北部グリロットの軍事施設などを想定される標的として挙げた。
イランから発射された弾道ミサイルがイスラエルに着弾するまで約12分かかるのに対し、レバノンから発射されたロケット弾、もしくはミサイルは1分半から2分半でテルアビブに着弾するため、ヒズボラが2、3時間という短時間に集中して攻撃を行えば、「壊滅的」な被害が出る恐れがあるとした。
ヒズボラが過去10カ月で約400人の戦闘員を失ったことを踏まえ、ナスララ師は戦闘停止を願っているとの見方も一部で出ているとしながらも、現在の状況は4月時点と比べはるかに深刻で、イスラエルは「かなり大きな」動きに備えていると述べた。【8月9日 ロイター】
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イスラエル国内では、この機にヒズボラを叩くべきとの主張が強まっているとか。
****イスラエルの対ヒズボラ攻撃論、国内で支持高まる****
安全保障当局者から、今こそヒズボラに対して攻勢に出るべきとの声
イランとイスラム教シーア派組織ヒズボラからの攻撃に備えているイスラエルでは、今こそヒズボラに対して攻勢に出るべきか、あるいは中東全域に戦争が拡大しないよう緊張緩和に乗り出すべきかが議論されている。
米政府は事態がエスカレートして中東全域に戦火が広がらないよう、水面下で熱心な取り組みを続けている。バイデン政権は今週、高官級代表団を中東に派遣する見通し。
イスラエル国内の世論は二分しており、ヨアブ・ガラント国防相などはガザでの停戦を実現すべきと主張。人質を解放し、イスラエル北部国境での緊張も緩和させ、避難している国民が帰還できるようにすべきだと述べている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、戦争は望んでいないとしながらも、攻撃に対しては「重い代償」を科すと述べている。
だが、安全保障担当の現・元当局者に加え、中道・右派・極右の議員の間では、ヒズボラに攻撃的姿勢を取る機は熟したとする声が増えている。ヒズボラはイスラエル北部国境沿いに10万発以上のロケット弾、ミサイル、ドローン(無人機)などを蓄積しているという。
また、イスラエルの現・元当局者によれば、同国北部の軍司令部は、ヒズボラに対してこれまでよりも攻撃的な姿勢を取るべきだと主張している。
安全保障担当のある高官は、ヒズボラが過度の攻撃を実施した場合、「イスラエルによる攻撃で北部国境に新たな現実がもたらされる」可能性もあると述べた。
ネタニヤフ内閣では、極右のイタマル・ベングビール国家治安相がヒズボラとの戦争を支持している。ネタニヤフ氏率いる右派政党リクードの議員らも同様の考えを示している。さらに、中道として知られるベニー・ガンツ氏も、レバノンのインフラを攻撃するよう政府に求めており、これが実施されれば戦争に発展する可能性が高まる。
イスラエルとヒズボラの戦争は長年にわたり不可避と考えられており、安全保障専門家は時間の問題だと指摘している。ベイルートやテヘランでの殺害を受けてヒズボラとイランが報復攻撃に出ると予想されるため、イスラエルは、強力な措置によって今後数年間の攻撃を封じる口実を得られるかもしれない。【8月15日 WSJ】
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かくして、ガザでの戦闘の停戦交渉不成立は、イラン・イスラエル、ヒズボラ・イスラエルの戦闘開始のゴングとなりかねません。それだけに交渉の成り行きが注目されますが、ネタニヤフ首相に停戦の意思がないということで、あとはアメリカがどれだけ圧力をかけられるかでしょう。