(9日の原爆の日に開かれる平和祈念式典のリハーサルが、長崎市の平和公園で行われました。【8月7日 日テレNEWS NNN】)
【ガザ 戦闘がやむ兆しなく、連日の学校・病院空爆】
ハマスが殺害されたハニヤ氏の後任に強硬派のシンワール氏を選んだことがニュースになっていますが、パレスチナ・ガザ地区の状況は変わらず、戦闘が止む兆しはありません。
自らの政治生命延命のためにも戦闘を続けたいイスラエル・ネタニヤフ首相、強硬派のシンワール氏のハマス最高幹部選任で停戦協議の先行きは悲観的です。
****ガザ地区戦闘開始10か月 死者3万9653人に 戦闘がやむ兆しなし****
ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって、7日で10か月となります。ハマスの最高幹部が訪問先のイランで殺害されたことを受け、イランなどが報復の構えを示す一方、イスラエルは対抗措置を行う姿勢で、地域の緊張が続いています。
ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるハマスのハニーヤ最高幹部が先月31日、訪問先のイランで殺害されたことを受けて、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復する構えで、イランが支援する武装組織も報復に加わる可能性が指摘されています。
殺害から1週間となる7日にはイランの呼びかけでOIC=イスラム協力機構の外相級の緊急会合が開かれることになっていて、イランとしてはイスラム諸国からの理解と支持を得たい考えです。
また、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの最高指導者ナスララ師は6日「われわれは強力で効果的な報復を行う」と述べて、報復を行う姿勢を強調しました。
イスラエルの北部では、6日もヒズボラによる無人機攻撃があり、地元メディアは市民や兵士など19人がけがをしたと伝えるなど、緊張が続いています。
イスラエルのガラント国防相は5日に続いて6日も空軍の部隊を視察し「日を追うごとにわれわれは防衛態勢を強化し、攻撃能力も高めている」と述べ対抗措置を行う姿勢を示し、イラン側を改めてけん制しました。
一方、ガザ地区ではイスラエルとハマスの戦闘が始まって7日で10か月となりますが、イスラエル軍は南部ハンユニスなどで攻勢を強めていて、戦闘がやむ兆しはありません。
ガザ地区の保健当局は6日、これまでの死者が3万9653人にのぼったとしていて、犠牲者が増え続けています。
殺害から1週間となる7日にはイランの呼びかけでOIC=イスラム協力機構の外相級の緊急会合が開かれることになっていて、イランとしてはイスラム諸国からの理解と支持を得たい考えです。
また、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの最高指導者ナスララ師は6日「われわれは強力で効果的な報復を行う」と述べて、報復を行う姿勢を強調しました。
イスラエルの北部では、6日もヒズボラによる無人機攻撃があり、地元メディアは市民や兵士など19人がけがをしたと伝えるなど、緊張が続いています。
イスラエルのガラント国防相は5日に続いて6日も空軍の部隊を視察し「日を追うごとにわれわれは防衛態勢を強化し、攻撃能力も高めている」と述べ対抗措置を行う姿勢を示し、イラン側を改めてけん制しました。
一方、ガザ地区ではイスラエルとハマスの戦闘が始まって7日で10か月となりますが、イスラエル軍は南部ハンユニスなどで攻勢を強めていて、戦闘がやむ兆しはありません。
ガザ地区の保健当局は6日、これまでの死者が3万9653人にのぼったとしていて、犠牲者が増え続けています。
ハマス ガザ地区トップの指導者をハニーヤ最高幹部の後任に
イスラム組織ハマスは6日、ガザ地区のトップのヤヒヤ・シンワル指導者を、殺害されたハニーヤ最高幹部の後任として政治局長に選んだと発表しました。
イスラエル軍はシンワル指導者を去年10月のハマスによる大規模な奇襲攻撃の首謀者だとして非難し、ハマスの壊滅に向けた殺害のターゲットとしています。
シンワル指導者がハマスの政治部門のトップとなったことでイスラエルとの停戦交渉への影響も注目され、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは交渉のプロセスが複雑化し、交渉が長引く可能性があると指摘しています。【8月7日 NHK】
イスラエル軍はシンワル指導者を去年10月のハマスによる大規模な奇襲攻撃の首謀者だとして非難し、ハマスの壊滅に向けた殺害のターゲットとしています。
シンワル指導者がハマスの政治部門のトップとなったことでイスラエルとの停戦交渉への影響も注目され、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは交渉のプロセスが複雑化し、交渉が長引く可能性があると指摘しています。【8月7日 NHK】
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イスラエル軍はハマスの「司令センター」になっていると主張して連日学校や病院を攻撃しており、子供を含む民間人の犠牲者が増加しています。
****学校空爆で子供含む17人死亡=イスラエル、また民間施設標的―ガザ****
パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市で3日、イスラエル軍が学校を空爆した。パレスチナ通信はこれに関し、少なくとも子供ら17人が死亡したと伝えた。学校は市民の避難先になっていたという。イスラエルとイスラム組織ハマスの交戦が続く中、民間施設に対するイスラエルの攻撃が相次いでいる。
AFP通信などによると、イスラエル軍も学校を攻撃したことを認め、敷地内にハマスの「司令センター」や武器製造施設があったと主張した。ハマスは否定している。【8月4日 時事】
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****イスラエル軍「ハマスの司令センター」と主張、ガザの学校や病院など空爆…住民ら40人以上死亡****
ロイター通信は4日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの学校や病院などを同日空爆し、避難していた住民ら40人以上が死亡したと報じた。
報道によると、中心都市ガザ市にある2か所の学校が攻撃され、少なくとも30人が死亡した。軍は、学校がイスラム主義組織ハマスの「司令センター」になっていると主張したが、ハマスは否定している。
ガザ中部の病院への爆撃では敷地内の避難民テントに直撃し、5人が死亡、18人が負傷した。ガザ北部では難民キャンプが空爆され、11人が死亡したという。ガザ保健当局によると、昨年10月の戦闘開始以来、死者数は約3万9600人に上る。【8月5日 読売】
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住民を人間の盾とするハマスも卑劣ですが、それを容赦なく爆撃するイスラエルも・・・
【長崎 イスラエルを招かず 「政治化」を問題視する欧米各国は大使欠席】
こうしたガザ地区の状況は、日本の長崎原爆の日にも影響。
長崎市が9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典に、イスラエルを招かなかったことに対し、日本以外の先進7カ国(G7)の駐日大使が欠席する方針となっています。
****G7各国駐日大使、長崎平和式典を異例の欠席へ イスラエル〝排除〟を問題視****
長崎市が9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典に、日本以外の先進7カ国(G7)の駐日大使が欠席する方針であることが7日、長崎市などへの取材で分かった。
各国は代理を出席させるが、大使が一斉に欠席するのは異例。長崎市は、イスラム原理主義組織ハマスと戦闘を続けるイスラエルの式典への招待を見送っており、各国は式典を「政治化するものだ」などと問題視している。
長崎市への取材によると、同市はウクライナに侵略したロシアと、その同盟国のベラルーシと同様、イスラエルを式典に招かなかった。
不招待の理由について「式典を平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで開催できないリスクがあると判断した。イスラエルに招待状を発出するか判断を保留していたが、情勢に変化がなかった」としている。
同市によると、6カ国は公使や総領事ら代理を派遣する。
在福岡米領事館は7日、式典に同館のアシーケ首席領事が出席すると発表した。米大使館関係者によると、エマニュエル大使は「(原爆で)亡くなられた方を悼む目的の式典を政治化されたくない」との理由で欠席を決めたという。エマニュエル氏は9日は東京・増上寺で営まれる原爆死没者の追悼会に出席する予定。
在日フランス大使館も産経新聞の取材に対し、セトン大使が出席しないと表明。「中東での状況は主権国家に対するロシアの侵略戦争と比較することはできない」と言及し、イスラエルを招待しない決定は「遺憾だ」と指摘した。
カナダ大使館もマッケイ駐日大使が欠席する理由として、「式典に招待しないことは、イスラエルをロシアやベラルーシと同様に扱うものだ」とコメントした。ドイツ、イタリアの大使館からは回答が得られなかった。
日本を除くG7各国の駐日大使らは7月19日付で、イスラエルの招待を求める連名での書簡を長崎市の鈴木史朗市長宛てに送っていたことも判明。書簡では、式典にイスラエルを招待しないことに「懸念を共有」し、イスラエルをロシア、ベラルーシと同列に扱うことは「誤解を招く」と指摘した。【8月7日 産経】
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イギリスのロングボトム大使は記者団に対し、「ウクライナという独立国に侵略したロシアやベラルーシと違い、イスラエルは自衛権を行使している。同様の扱いをしては誤解を招く」との考えを示していますが、自衛権だろうが何だろうが、やっていることは同じ。
逃げ場を失った避難民が身を寄せる学校・病院も容赦なく爆撃される状況に、原爆の被害を経験した長崎市民が当時の悲惨な状況を重ね合わせ、納得できない思いを抱くことは「政治的」というより「自然」なものでしょう。
ガザの状況に「自衛権」の主張で目を覆うことの方が「政治的」と言えます。(大使が欠席する各国も、現在のガザの状況を良しとしている訳ではありませんが)
あまり自己主張をすることが少ないとされる日本ですが、長崎が原爆被害者の立場から戦争の悲惨さに思いを寄せ、それを発信することはよいことだ思います。
日本政府は「誰を招待するかは主催者である長崎市において判断されることであり、政府としてコメントする立場にない」(林官房長官)とのスタンス。
ガザの状況への踏み込んだ発言も欲しいところですが、欧米諸国との関係を考えるとこのあたりが限界なのでしょう。せめて長崎の思いの足を引っ張ることがなければ。
なお、イスラエルは広島には招かれて大使が出席しています。
また、ロシアは広島・長崎の両方に招かれていません。
****広島・長崎は「偽善」=核の威嚇「臆測」と反発―ロシア大使****
ロシアのノズドレフ駐日大使は6日のタス通信のインタビューで、広島と長崎の原爆の日の式典にロシアを招待しなかった両市の判断を「偽善」と批判し、遺憾の意を示した。
岸田文雄首相が広島市の平和記念式典のあいさつで言及した「ロシアによる核の威嚇」も「臆測」だと反発した。【8月6日 時事】
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