バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

考えさせられたこと②

2006年11月08日 | 障害児の親
幼児グループは児童館のスペースの一部を借りていて、朝の30分とお昼前の30分は児童館の活動に参加して健常児とのふれあいの時間を持つようになっている。

今日ママ達でお昼を食べながらしゃべっていたら、あるママが

「私達はお金を払って療育受けに来てるのに、先生が児童館の子達にも同じように接するのは時間とお金がもったいないと思う。」
と言った。

まぁ私もその気持ちはわかる。でも”健常児とのふれあい”って趣旨でやってることだからねぇ。
「考え方によると思うけどね。私はお金よりこういう障害児達のことを他の子やそのママ達に知ってもらうことの方が価値があると思うけど。」

「でも児童館のママさん達ってすごく冷たいよね。」

確かにそれもわかる。健常児のママさん達は一部を除いて、ほぼ毎日顔を合わせている幼児グループのママ達にはもちろん、子供達にも声をかけてくれることはあんまりなくて、笑顔すらも向けてくれないことだって多いのだ。
こちらが引け目を感じてるせいもあるとは思うけど、無表情で無関心を装われているようなカンジでちょっと居心地悪い思いをするのは事実。

さらに話は進んで
「こっちは言わば社会的弱者なんだから、ヘンに気を遣わなくて済むようになればいいのに。」

「外国人のママさんが何人かいるけど、そういう人達は分け隔てなく接してくれるよね。社会的には同じマイノリティだからっていうのもあるのかな?」


うーん、いろいろ考えさせられてしまった...。

逆の立場で考えて見ると
幼児グループの活動が始まる時間が来たらさーっといなくなって、またお昼前にだだっとやってくる十数人の子供達。
中にはヨダレや鼻もたらし放題だったり、他の子を突き飛ばしたりおもちゃを取り上げたりとちょっと乱暴だったり、意味もなく(他人から見れば)ただやたらに走り回っていたり。
時には頭をかきむしってわめき散らし暴れてるコもいたりして、そういう時私達は”今日は機嫌悪いねー”とか”何かスイッチ入っちゃった?”くらいの反応なんだけど、他のお母さんなら引くか固まるかするよね、きっと。
差別や偏見ってわけじゃなく、本能的に見て見ないフリをしたとしてもそれは仕方ないのかもしれないし。
30分ずつっていう中途半端な交流が、余計に上辺だけの障害児のイメージ?を与えちゃってるのかもしれない。

うーん、とっても難しい問題だけど...。
でも「社会的弱者」って言葉は何か特に引っかかるなぁ。
バリアを張っているのはどっちなんだろう?

同じ障害児の親でも感じ方・考え方はそれぞれ違うんだなぁ としみじみ思う。
だからそれは健常児の親にしたって、きっとそうだよね。
自分自身もだけど、相手のことも枠にはめて捉えるとお互い不自由だよなぁと思った1日だった。

考えさせられたこと①

2006年11月08日 | 日々の出来事
昨日の午後幼稚園の入園面接があってバンビを連れて行ってきた。(と言っても面接されるのは親だけで、子どもは保育してもらえるのだけど。)

順番を待っていて隣の席のママさんとおしゃべりしてるうち、何となく「うちの子は障害児で、遺伝子異常なので生まれてすぐわかって」って話になった。

あ、私だって普通初対面の人にいきなりこんな話はもちろんしないけど、この幼稚園は最初から障害児保育ありきなので、そういう話をすることに少なくとも私はぜんぜん抵抗を感じなくて...。

でもまぁこういう場合、普通なら話はそのまま流れていくと思うんだけど、そのママさんは「染色体異常ってどうなるんですか?」と聞いてきた。
ちょっと珍しい反応だなと思ったけど、別にイヤなカンジではなかったし、私としてはこの先3年間同じ幼稚園に通うわけだからバンビのことを知っておいてもらっても悪くないと思ったので、ごく簡単にバンビの場合を説明したところで彼女の順番になった。

面接が終わってバンビを園庭で遊ばせていたら、またそのママさんに会って「さっきはいろいろ聞いちゃってごめんなさい。実は、この子の後に2回流産していて、遺伝子異常って言われてたものだからつい聞いてしまったんです。」と言われた。
そうだったのか...。
一見幸せそうな普通の(?)ママに見える彼女が、そういう悲しみを胸に抱えているなんて思いもしなかった。

そして、遺伝子異常の赤ちゃんって、そうやっておなかの中で育ちきれずに流れてしまうことも多いんだろうなと改めて思った。
そう考えると、障害を持ちながらでもとにかくこの世に生まれてきたプラダーウィリーの赤ちゃんって、生まれながらに強い生命力を持っているんだよね、きっと。
そうやってバンビががんばって私に会いに来てくれたんだと思ったら、今バンビがいてくれることが何だかすごく尊いことに思えてきて、愛おしさも倍増。昨日はちょっと位グズられようがイタズラされようが、何だか”ありがとね、バンビ”って涙出そうになってた...。

ま、この気持ちがすぐに忘れ去られないことを願うけど。(怒りまくってるうちにどこかに消えてなくなりそ~。)