神龍的金柑実願望。

　現在、盛んに宣伝されているようですね。
　宮崎県産の、金柑です。

「きんかんッ！
　これェ、たべてよいィのでスかッ、ネーさ？」

　どうぞ、テディちゃも召し上がれ。
　このまま、がぶっと、
　皮ごと食べていいんだそうですよ。
　種がありますから、気を付けてね。

「ふァィッ！　いただくゥでス！」

　　　　　　　（がぶッ！）

「うぴゃッ！
　みかんのォ、おあじィ、でスゥ！」

　そうですね。
　蜜柑をギュッと凝縮したような、濃いお味です。
　栄養価が高そうだわ。
　加えて、このルックスも、縁起が良さそうでしょ？
　金運が上昇しそうな、
　黄色の、まあるい形。
　飾っておきたくなりますね。

「テディちゃにはァ、どらごんぼーるゥにィ、みえまスゥ！」

　ふ～む、そう言われると、どことなく。

「いでよォ、しぇんろんッ！
　どらごんぼーる、たッくさん、あつまッたでスゥ！
　ごろごろォ、あるでス！
　いッぱいィいッぱいィ、あるでス！
　おいしィでスよ♪」

　……やっぱり、
　神龍さまは出てきてくれそうにありませんね。

☆、どうしますか。

　この赤い表紙を見ただけで、

「あァ～ッ、てれびィでェ、いッぱいィ、うつッてたァ、
　あのごほんッ、でスね！　ネーさ」

　と、テディちゃのように気付く御方も居られるでしょう。
　はい、’０７年後半の大きな話題となりました、
　あの御本の登場です。



　　　　――　ＭＩＣＨＥＬＥＮ　Ｔokyo　２００８　――


　
　著者はミシュラン編集部＆覆面調査員の皆さん、
　’０７年１１月に発行されたものです。

「とッてもォ、ひょうばんにィ、なッたでス！」

　そうですね、お祭りみたいな騒ぎでした。
　現在は鎮静化してるみたいですけれど、
　レストランさん側はまだ緊張しているでしょうね。
　２００９年度版制作に向けて、
　調査員さんたちは始動している筈ですから。

「ゆだんできないィ、でスゥ～」

　それにしても……改めてこの御本を読んでみて、
　議論を呼ぶのも無理からぬこと、と思いました。
　
　実は、画像のこちらは英語版です。
　ＲＥＳＴＡＵＲＡＮＴＳ＆ＨＯＴＥＬＳとの副題もあって、
　英語を話す方々に東京のレストランとホテルを紹介しているガイド、
　ということになりますが……。

　あのぅ、Ｔokyoって、こんなに狭いんでしょうか？

「ふァィッ？？」

　分かりやすい例を挙げますと、
　区ごとにお店を索引、のページを見てみましょう。
　
　千代田区、中央区、目黒区、港区、
　渋谷区、品川区、新宿区、豊島区……
　うーん、これだけ？

「えェッ？　ほかにはァないのでスかァ？」

　載って……ないみたい、ですね。
　
「むむゥッ、なんだかァ、ずるゥいッ？」

　他の区や、２３区外にも美味しいお店はあるでしょうに、
　載せて貰えないとなると、
　お店はもとより、
　この御本を頼りにトーキョー観光にやってくる
　観光客さんにとってもアンフェア、であるような。

「うんッ、とうきょうのォ、よいれすとらん、
　もッともッと、
　いーッぱいィ、しょうかいしてほしィでス！」

　’０９年版の要改善点はそのあたり、でしょう。
　’０８年度は試作版と位置づけることにして、
　ミシュランの眼力が発揮されるのはこれからなのだ、と
　考えたいですね。

「……あのゥ～、ネーさァ～」

　はい、何ですか。

「テディちゃ、このおみせにィ、
　いッてみたいィでスゥ～」

　銀座の『ロオジェ』さんね。
　ネーさは、『すきや橋　次郎』さんがいいな～♪

「むふふッ♪
　はちみつりょうりィ、くださいなッ」
　
　’０９年版では、どんなお店が話題になるのでしょうか？
　楽しみ……であり、また怖ろしくもあり。
　調査員さんたちに期待大、です！