テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

或る役者さんの、ちょっとひとりごと的日誌。

2010-01-05 23:01:14 | ブックス
 オリーブ油は凝固し、蜂蜜も白く固まってしまった東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。これぞ真冬ですね。
 あら? ドタドタとこちらへ駆けてくるのは……

「ねーさッ! たいへんでスゥ!」
「がるるゥ!」

 テディちゃに、虎くん、どうしたんですか?

「ほんやさんへェ、いッてみたのでスよゥ!
 そうしたらァ、りょうまさんのォ、ごほんがァ、い~ッぱいィでスゥ!」
「がうっ!」(←訳:うんうん!)

 1月3日に始まった今年度大河ドラマの主役、
 坂本龍馬さん関連の御本のことですね。
 確かに、書店さん店頭は龍馬さん一色、
 女性誌の表紙にも主演の福山さんがどーんと……

「はんさむゥ!」
「がるる!」(←かっこいい!)

 あのね、ハンサムといえば、こちらの御方もハンサムなんですよ。
 本日ご紹介いたしますこの御本の著者さんも、
 とっても美男で、しかも大河ドラマ出演経験者さん!
 さあ、面食いを自認する方々、こちらを、どうぞ~!


 
                ―― 文・堺雅人 ――



 著者は堺雅人さん、’09年9月に発行されました。
 書名の『文』の部分には、『ぶん』と振り仮名がされています。

「あッ! このひとォ、しッてるでスゥ!
 はいゆうさんッ、なのでスよゥ!」
「ぐるぅ?」(←訳:そうなのっ?)

 ええ、そうですね。
 堺雅人さんは、1973年生まれ、宮崎県出身の役者さんです。
 堺さんの名を一気に全国的にしたのが、
 大河ドラマ『新選組!』の山南敬介、
 さらに『篤姫』で徳川家定を演じたことがきっかけでしょうか。

 この御本は、月刊誌『TV navi(テレビナビ)』に
 50回に渡って連載されたエッセー『文・堺雅人』に加筆し、
 また新たな書き下ろしエッセーも収録された
 ひとりの俳優さんの《記録》であり、《日誌》でもあり、
 《ひとりごと》でもある一冊です。
 雑誌に掲載された期間は、
 2004年12月から2009年1月まで。
 『新選組!』が放送されたのが、2004年でしたから、
 ドラマの撮影終了直後あたりに
 堺さんはこの『文・堺雅人』を書き始められたのかもしれません。

「ふァ~……はいゆうさんはァ、いそがしィでス!」
「がる~るぅ!」(←訳・大忙しだね!)

 何週間か、何月かごとに、
 まったく別の人間を演じること、
 別の人格を体得するということ……
 俳優ではない私たちには、
 そのプレッシャー、その複雑な心理は、想像もできません。
 ですが、堺さんのエッセーに苦労や苦心の痕跡は薄く、
 軽妙で親しみやすい文章が続きます。
 郷土の先達である歌人・若山牧水さんの短歌が
 引用されている点も印象に残りますね。
 
「うゥ~むゥ、
 がいけんもォ、ないめんもォ、きゃッこいィ~!」
「がるっ!」(←訳:うんうんっ!)

 そして、ここが肝心!なのは、
 堺さん、文章がお上手です!
 あとがきでは『シロート』と自称しておられますけれど、
 読みやすさ、分かりやすさは完全にプロフェッショナル!
 
「しゃしんもォ、たのしィ!」
「がるがるぅ!」(←訳:ちょっと笑えるし!)

 堺さんの大ファンなの~♪という御方が読めば、
 ますますファンになってしまうこと疑いなし。
 ドラマ好きさん、演劇好きさんにも、
 おすすめの御本です。
 エッセー好きさんは、冒頭の
 『まえがきにかえて』をぜひともお読み下さい!
 ’09年度ベストエッセーに挙げたい名文ですよ~!

「さかいさんッ、りょうまでんにィ、しゅつえんしてェくれないかなッ!」
「がるるるッ♪」(←訳:うんうんうん~っ♪)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする