テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

歴史でニャンコなファンタジー!

2010-01-06 23:31:20 | ブックス
「にゃ~ッ!」
「ぐるるにゃ~っ!」

 な、なんなんですか、突然?
 テディちゃと虎くんがニャンコ化しちゃった?
 あっと、失礼いたしました、こんにちは、ネーさです。

「こんにゃちわゥ、テディちゃでスゥにゃ~ッ!」
「ぐるるにゃッ!」(←訳:虎ですにゃっ!)

 ……もしかして、本日ご紹介予定のこの御本に影響されちゃったんでしょうか。
 うむむ、では、いっそ皆さまにもニャンコ化していただきましょう!
 さあ、覚悟を決めて、こちらを、どうぞ~!



                 ―― 聖徳太子の密使 ――



 著者は平岩弓枝さん、’09年10月に発行されました。
 表紙画&挿絵は、蓬田やすひろさん。
 平岩さん著『西遊記』で素晴らしい挿絵を描かれた蓬田さんが、
 この御本でもヴィジュアル面を担当なさっています。
 掲載されている蓬田さんのカラー挿絵ときたら……なんてステキなんでしょ!

「きれいでスにゃッ!」
「ぐ~るるにゃっ!」(←訳:うつくしぃ!)

 御本の題名からも分かりますように、
 登場するのは聖徳太子さま――いえ、当時は、
 『厩戸王子(うまやどのおうじ)』と呼ばれていた御方です。
 
 物語の主人公は、しかし、王子さまではなく、
 王子さまの御子さまのひとり、
 綿津見珠光王女(わたつみのたまひかるのひめみこ)さま。

 厩戸王子さまの信頼篤く、また最も慈しんでおられるのが、
 この王女(ひめみこ)さまなのです。

「おきれいなァかたでスにゃんッ!」
「ぐるるにゃ!」(←訳:凛々しい!)

 父君――厩戸王子さまの密かな命により、
 珠光王女さまは『珠光王子』と名乗ることにして、
 遍歴の旅へ出立いたします。

 《今、この国はすみやかに多くを学ばねばならぬ》

 そう、優れた知識・知恵といったことどもを
 外国(とつくに)より学びとるために、
 王女、いえ、珠光王子さまは船に乗ったのでした。

「おひとりではァ、ゆかせませんのでスにゃゥッ!」
「にゃぐるっ!」(←訳:もちろんですとも!)

 珠光王子さまのお供に選ばれたのは、
 ええ、ここが肝心なのですが……
 三匹の猫!

 純白の毛並みの北斗(ほくと)くん。
 三毛猫の、オリオンくん。
 虎猫の、スバルくん――

「がるるーにゃ!!」(←訳:虎ですよお!)
「とらくんッ、おちつくにゃでス!」

 そして青龍(せいりゅう)という駿馬さんも一緒に。
 向かうは、異国。
 海の彼方の、倭国よりも進んだ文化を有する国々。
 『天の鳥舟(あまのとりふね)』に身を委ねた一行は、
 未知の地を目指して南の海へ――

「だいぼうけんでスにゃッ! 
 ひめさまッ、じゃなくてェ、おうじさまッ、ごぶじィでェ!!」
「がるるにゃ!」(←訳:おきをつけて!)

 高貴な身分の御方が、
 小さな船に乗り込んで南方の地を彷徨うものがたり……というと、
 澁澤龍彦さんの『高丘親王航海記』が思い起こされますが、
 3猫衆の存在ゆえでしょうか、
 珠光王子さまの旅は、よりカラフル! よりパワフル!
 伝統ある英国のファンタジー魂を受け継ぐ正統派冒険物語です。
 
 愛猫家さんが読んだら感激して涙、涙……なシーンもたくさん!
 それぞれ個性異なる3匹さんに、
 ニャンコ好きさん、いえ、動物好きさんは感情移入しちゃうこと必至です。
 歴史好きさんにも、おすすめの一冊ですよ~!

「にゅーたいぷゥ、にゃんこふぁんたじーたんじょうッ!でスにゃッ」
「がるるるにゃ~!」(猫科ファンタジーだよっ!)
 
コメント
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