テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

近代ジャポネの巨匠さん!

2010-01-13 23:00:31 | ブックス
 雪まみれの昨日、そして今日は強風~っ!な東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。うぅ~吹き飛ばされるぅ~!

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がる~!」(←訳:虎です~!)

 テディちゃと虎くんはインドア派なのね……平然としてるわ。
 では、負けずにどっしりと肝っ玉を据えて、
 本日も御本の世界へ!
 こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 速水御舟 生涯と作品 ――


 
 監修は尾崎正明さん、’09年10月に発行されました。
 『アート・ビギナーズ・コレクション もっと知りたい』シリーズの一冊です。

「うむゥ? これはァ……にほんがッ、でスねッ!」
「がるる~!」(←訳:日本画だねっ!)

 ええ、速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)さんは、
 近代を代表する偉大な日本画家さんです。
 
 速水御舟――その名を耳にして多くのひとが思い浮かべるのは、
 おそらく……
 縦に長い、昏い色をベースにした画面、
 その下方から上へ渦をつくる紅蓮の炎と、
 炎に惹かれるように飛ぶ蝶(蛾)の一群を描いた
 『炎舞(えんぶ)』でしょうか。
 重文にも指定されている、有名な画ですね。

「ふァいッ!
 テディちゃもォ、ごほんでェはいけんッしましたでス!」
「がるるるっ!」(←訳:ぼくも見たことあるよっ!)

 あまりに印象強い『炎舞』……
 ために、御舟さんの他の作品は、つい注目度が低くなってしまいます。
 でも……《他》の作品がまた、すごい!!んです。
 この御本の表紙になっているのは
 『名樹散椿(めいじゅちりつばき)』。
 散り色絢爛たる、二曲一双の屏風は
 こちらも重文指定されております。

 ここに描かれた椿の花と樹木は、完全な《写実》の美。
 京都の地蔵院にあった樹齢400年の銘木を
 御舟さんは写し取ったのでした。
 
 椿の樹は、しかしその後、惜しくも枯れてしまったのだとか。
 現在は二代目の椿樹さんが地蔵院のお庭で花を咲かせているそうですよ。

「むむゥ~、ざんねんでスゥ~」
「がる!がるるる~!」(←訳:でも!画の中のお花は生きてるのさ!)

 写実と抽象、
 伝統と革新――
 近代の日本美術界をかき回しながら、
 御舟さんは短い生涯を疾駆しました。

 ’09年の年末に大規模な速水御舟展が開催されましたが、
 見に行けなかったというアート好きさんは
 ぜひこの御本で御舟さんの力作の数々を!
 花鳥画の素晴らしさに、陶然とさせられますよ~♪

「テディちゃ、ざくろのォえがァ、すきィ~♪」
「がるるる~!」(←訳:風景画もいい~!)

 蛙さんやスズメさん、蛾のスケッチも……すてきです!
  
コメント
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