テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

チャリリン♪の風が吹きぬけて。

2010-01-25 23:14:58 | ブックス
 チャリン♪チャリン♪チャリリリーン♪
 自転車のベルの音とともに、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスッ!」
「がるるる~!」(←訳:虎ですよ~!)

 チャリリン♪とベルの音で幕を開けるのは、
 がっちりスポーツ!ばりばり体育会系?の御話です。
 さあ、本日は、こちらを、どうぞ~!


 
                   ―― あねチャリ ――


 
 著者は川西蘭さん、’09年12月に発行されました。
 既に表紙デザインからお判りの御方もおられるでしょう、
 自転車競技の世界を描く《スポーツ!》ストーリーです。

「ちゃりりんッ♪
 かわらのォ、みちをォ、ちゃりりんッ♪でスねッ!」
「ぐるがる~る!」(←訳:正しいアプローチだね!)

 川原沿いのサイクリングロードを、
 いわゆる『ママチャリ』が走ってゆきます。
 ペダルを踏んでいるのは、ひとりの女の子。
 お名前を、早坂凛(はやさか・りん)さんという、
 まだ16歳のアマチュアチャリダーさんでした。

「ふむむッ! わかきィちゃりだーさんでスねッ!」
「がるるるっ!」(←訳:女子高校生さんかぁ!)

 えーと、実は……凛さん、現在は休学中なんです。
 或る出来事をきっかけに、
 不登校になり、半引きこもり状態になっていたのですけれど……
 家に閉じこもってはいられないわ!とばかり、
 気合を入れてチャリをこぐ、その理由とは――

 体重を落とさなくっちゃ~!!

「……うゥ?」
「ぐるっ?」

 かつてはバレーボール部員だった凛さん、
 学校に行かなくなって、ふと気付くと体重が増えてしまっていたんです。
 以前の体重に戻したくて、猛然とジャギングを始めましたが、
 ……なにか違う。
 ウォーキングも、何か違う。
 あれこれ試して、辿り着いたのが、自転車だったのです。

 日々、川原のサイクリングロードを走るうち、
 凛さんは大きな出逢いをしました。
 瀧口(たきぐち)さんというその人物は、
 現役時代は《怪物》と呼ばれた競輪選手さんでした。
 
「けいりんッ??」
「がるる~?」(←訳:競輪って~?)

 近藤史恵さんが『サクリファイス』で描いたのは、
 自転車競技の中でも近年とても人気があるロードレース競技でした。
 一方こちらの御本で描かれるのは、
 競輪――海外ではケイリンと称されるトラック競技です。
 
 でも、男子の競輪に比べて、女子の競輪は
 あまりメジャーなスポーツではないようです。
 凛さんも、知識がないまま、その世界へ飛び込むこととなりました。
 ただただ、
  もっと早く飛ばしたい。
  スピードを上げて、風の中を走りたい。
 そう願いながら――

 爽快なスポーツ小説を読みたい~!という方々に、
 今いっちばんおすすめしたいのが、この御本です。
 息を切らし、酸欠でフラつき喘ぎつつ、凛さんが上ってゆく坂のはてには、
 どんな未来が待ち構えているのか……?

「わううゥッ!
 とらッくきょうぎッてェ、こわいィくらいィでス!」
「ガルル~ル!」(←訳:バンクって凄そう!)

 チャリリン♪は、いつしかジャン!に。
 元気をお探し求めの活字マニアさん、ぜひ!
コメント (2)
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