テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

神話でホラーで歴史なミステリ!

2010-01-31 23:00:02 | ブックス
 こんにちは、降雪の天気予報に怯えるネーさです。
 積雪が怖い!アイスバーンが怖い~!

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)
「ゆきもォ、こわいィけどォ、きょうのォごほんもォ、こわいィ~!」

 都会の雪がノンフィクションの恐怖だとするならば、
 フィクショナルな怖い御話が……ええ、本日ご紹介いたします一冊です。
 こちらを、どうぞ~!


 
                 ―― 水魑(みづち)の如き沈むもの ――


 
 著者は三津田信三さん、’09年12月に発行されました。
 背筋がひやっとするような伝説・伝承、妖怪やオバケの類に目がない怪奇幻想作家、
 刀城言耶(とうじょう・げんや)さんを探偵役とするシリーズの
 長編最新刊です。

「……なんだかァ、おそろしィよかんがァ、するでスゥ~……」
「がるるる~る!」(←訳:恐怖の香りだな!)

 出版社さんいわく、
 『民俗ホラーと本格ミステリの結実』だそうですが、確かに、
 《わけのわからぬものの恐怖》が背後から忍び寄ってくる、
 ミステリの枠に納まらないミステリ、ですね。
 物語の幕開けが京都、というのも、
 何やら暗示的です――

 刀城言耶さんは、京都・河原町の喫茶店で
 大学時代の先輩、阿武隈川烏(あぶくまがわ・からす)さんの
 話に耳を傾けておりました。
 怪想舎という出版社の女性編集者、
 祖父江偲(そふえ・しの)さんも同席しての会話は、
 あっちへ飛んだり、
 こちっちへ跳ねたり、
 いっこうに進展いたしません。

「むむゥ~、さんにんよればァ、かしましむすめッ!」
「がるる~るっ!」(←訳:娘じゃないけどねっ!)

 やっと本題に辿りついたのは、
 紆余曲折のはてでしたが、
 刀城さん、大いに興味をそそられます。
 奈良の山中に、珍しい雨乞いの儀式を行う村がある……
 水を支配するのは《水魑(みづち)さま》という神さまで、
 旱魃の傾向が強い今夏、
 その儀式が催行されるのだ、というのですから、
 怪異譚&怪奇譚大好き!な刀城さん、
 在野の民俗学者である阿武隈川さんも
 じっとしておれません。
 おう!山中のその村へ、行こうやないか!

「わわわわゥ~……よかんがァ、ますますゥ~……」
「がるるぐるる~!」(←訳:現実化してゆくぞ!)

 出発直前、都合が悪くなって京都に居残りになった阿武隈川さんに代わり、
 村へ赴いた刀城さんが遭遇したのは、
 水の神さまを祀る謎めいた神社と、謎めいた宮司たち、
 そして謎の事件。

 現場で、刀城さんは呆然とします。
 誰が? どうやって? なぜ?
 密室に等しい空間で犯罪を為し得たのだろう……?

「むゥ! みッしつゥでスかッ」
「がるるる!」(←訳:基本だ!)

 随所に《謎》とウンチクが仕掛けられ、
 とっても贅沢なこのミステリ、
 金田一さんやJ・D・カーさんを連想させる本格ものです!
 阿武隈川さんと刀城さんの喫茶店での掛け合いは絶妙で、
 民俗もの&歴史もの大好き!な方々にも
 楽しく読めちゃう御本ですよ~♪

「みすてりィまにあにィ、おすすめッ♪」
「がるるるぐ~るっ!」(←訳:怖さもマニア級かもっ!)
「ひィッ!
 こわいィところはァ、ぱすでスゥ~!」 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする