テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

えいえんに、ひかりさすほうへ。

2012-03-15 23:20:13 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日の東京・多摩全域は、
 もンのすっご~い強風でした……!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うきゃァーッ! ふきとばされるゥ!」
「がるる!ぐるがるるるがるるるー!」(←訳:虎です!超追い風参考記録状態ー!)

 この強風、何かの役に立たないかしら?
 インスタント風力発電キットがあればいいのにー!
 と思わされましたが、
 本日ご紹介いたします一冊は……想像力がテーマです。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
           ―― 戦後SF事件史 ――


 
 著者は長山靖生(ながやま・やすお)さん、2012年2月に発行されました。
 『日本的想像力の70年』と副題が付されています。
 前々回記事では、
 英国警察史に残る或る《事件》を追うノンフィクション作品を御紹介しましたね。

「こんかいィもォ、じけんッ、なのでスゥ!」
「がるぐるっ?」(←訳:どんなっ?)

 今回は、いわば、
 《SF文学をめぐっての人間模様》
 という事件です。

 SF――
 牧歌的といえば牧歌的な、
 先鋭的といえば至極先鋭的な、
 ちょっと不思議な文学が、SFです。
 空想科学小説、とも称されるこの分野の作品は……

「にせんいちねんッうちゅうのォたびィッ!」
「がるぐるる!」(←訳:宇宙戦争!)

 ええ、誰もがイメージするSF作品ですね。
 奇しくも、両作とも英国の作家さんによる小説ですが、
 日本では、
 誰の筆によってSFが生まれ、
 どうやって大勢の読者を得て、
 広く認識されるようになったのでしょうか?

 著者・長山さんは先ず、
 日本SF界黎明期に大きな影響を及ぼした人物として、
 手塚治虫さんの名を挙げています。

「むむッ? てづかせんせッ?」
「がるるぐる!」(←訳:漫画だねえ!)

 小説分野では、小松左京さん、大江健三郎さんの名が
 挙げられておりますね。
 そしてまた、
 戦争後に流入してきた米国産のSF作品の洗礼を受けた作家さんたちによる作品が、
 日本のSFへ、
 幻想小説、
 ホラー(怪奇)小説、
 漫画、
 映像作品へと
 枝葉を伸ばし、成長してゆく過程が
 資料や証言をもとに記されています。

 個性の強い作家さんたち。
 
 徒党を組んで日本初の専門誌を創刊することもあれば、
 喧嘩もするし、
 分裂したり、
 でも仲良く酔っ払ったり、
 手を携えて偏見と闘うこともある、
 愛すべきSF作家さんたち。

「みんなァ、へんじんさんッ♪」
「がるる~ぐるがる!」(←訳:良い人なんだけど~!)
「へんてこッ♪」

 SFに軸を置いた戦後文学史読本とも思われるこの御本では
 アニメーション作品も丁寧に、
 公正に、解説されています。
 宮崎駿さんの作品に関する観察&解釈、
 ヱヴァンゲリヲン作品への観点も、
 そうか~こういう見方もあるのか~!と
 感心させられましたよ♪

「えすえふはァ、じゆうゥ、なのでスッ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:SFは絵だ!)

 枠に囚われないSFは、
 批評の文学でもあります。
 
 《想像力の欠如は犯罪である》――

 著者・長山さんはそう述べ、
 あとがきにジュール・ヴェルヌの墓碑銘を引用しています。

 《永遠に青春であるほうへ》――

 SFの本質を、この言葉は表しているのでしょうか……

「えいえんにィ、わかきィこころでッ!」
「ぐるがるがるる!」(←訳:転がる石であれ!)

 すべての活字マニアさんに、ぜひ!
 
 
コメント
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