テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

美女勢揃い!な夢の国…?

2012-09-06 23:04:03 | ブックス
 こんにちは、ネーさです!
 ……せーのっ!

  祝!2012ロンドンパラリンピック自転車男子ロードレースタイムトライアル種目にて
  藤田征樹さん銅メダル獲得!

  もひとつ、祝!

 『ブエルタ・ア・エスパーニャ』第17ステージにて、
 アルベルト・コンタドールさんがステージ優勝!&総合首位奪取!

「きゃぽぽゥ!
 こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふじたおにいさんッ、おめでとうございまスゥ~!」
「がるる!ぐるるーがるるぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!コンタドールさんもおめでとう!)

 自転車競技界にとっては、なんとも華々しい一日となりましたね!
 では本日の読書タイムも、
 華々しく参りましょう!
 こちらを、どうぞ~!

  


 
             ―― 烏に単は似合わない ――


 
 著者は阿部智里(あべ・ちさと)さん、2012年6月に発行されました。
 『単』は『ひとえ』とお読み下さいね。
 表紙も華やかなこの御本は、
 いま評判の第19回松本清張賞を受賞したファンタジックな小説作品ですよ~♪

「うむむッ!
 きれいィなァ、おねえさんたちィ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:宝塚みたい~!)

 そうですね、
 いずれ劣らぬ美女四人に飾られた物語は、
 宝塚歌劇を想わせる絢爛豪華な設定の
 《嫁取り譚》です。

  この国の未来を背負う若君さま――将来の王君に、
  もっともふさわしいのは、どの姫君か?
  
  どの姫君が優れているのか?

 昔話や御伽噺、民俗学の文献には、
 そんなテーマの物語がありますよね。

「およめさんえらびィ!」
「がるぅ~!」(←訳:贅沢ぅ~!)

 ふっふっふっ、
 贅沢~などと羨んだり面白がったりできるのは、
 門外漢の特権です。
 本人さんたちにしてみれば、
 浮かれてはいられません。

 例えば、トロイアのパリス王子。
 彼がお嫁さん選びでポカをやっちゃったせいで、
 昔むかしの地中海世界にどんな事態が起こったか、
 あらためて申し上げるまでもございませんよね。

「あうゥ~! こわいィでス!」
「ぐるぐる~!」(←訳:大戦争だ~!)

 美しい表紙画とは相反して、
 この御本の中でも、
 華やかな《嫁取り譚》は
 ……おやや?と言いたくなる方向へ転がってゆきます。

 『山内(やまうち)』と呼ばれる世界を総べる、
 金烏(きんう)。
 次代の金烏たる『日嗣の御子』のお后候補に、と
 それぞれの実家の期待を背負い、
 登殿してきた四人のお姫さまたちは、
 若君さまと出会う機会を心待ちにしているのですが……

 おかしいですねえ?
 若君さまは、どちらに?

「かげもォ、かたちもォ、みえませんッ!」
「がるるっるぐるっるる~?」(←訳:どこ行っちゃったの~?)

 幕開けは、
 異世界の宮廷を舞台にした蝶よ♪花よ♪のお姫さまコンテスト!
 けれど、読み進むにつれ、
 物語は異なる“顔貌”を見せ始めます。
 実に意外な、息を呑んでしまうような顔貌を――

「うむむむゥ!
 およめさんえらびッてェ!」
「ぐるがるがるるぐるるー!」(←訳:危険を伴うものなんだー!)

 ファンタジー好きさんに、
 ミステリ好きさんに、
 そして、王朝物語が好き!な御方にも
 おすすめの異色作です。
 ぜひ一読を~!



 
コメント
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