テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

誰よりも本を。

2012-09-07 23:15:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥッ! あちゅいィ~!」
「がるる!ぐるるがるぐるっるるる!」(←訳:虎です!9月になっても暑いね!)

 こんにちは、ネーさです。
 朝方は涼しくても、昼間になると《暑い夏》が戻ってくるような気候ですね。
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのも、
 暑い、いえ、熱~い一冊!ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
             ―― 書店員は本当に売りたかった本 ―― 



 
 著者はジュンク堂新宿店の皆さん、2012年7月に発行されました。
 本屋さん好きな活字マニアさんは必読の快作です!

「テディちゃ、ほんやさんッ、すきィでス~♪」
「ぐるがるるるぐる!がる~…」(←訳:ボクも本屋さん好き!でも~…)

 ええ、『でも』、ですよね。
 ジュンク堂新宿店さん、って……
 もうなくなっちゃった本屋さんじゃなかった?
 確か、この3月で……。

 そうです、
 ジュンク堂新宿店さん――
 もう閉店してしまったけれど、
 この店名にグッと来ちゃう活字マニアさんは、
 100人、500人……いえ、1000人を軽く超えるのではないでしょうか。

 ジュンク堂新宿店さんがテナントとして入居していたのは、
 三越アルコットという商業施設でした。
 その三越アルコット自体、
 かつての三越デパート新宿店であり、
 三越本店さんほどではなくとも
 ライオン像に象徴されるまぎれもない“三越のお店”でありましたから、
 無くなってしまうのはなんとも寂しく感じられました。

 何度もここでお買い物したのに……
 違うお店になっちゃうのかぁ……。

「ざんねんッ、なのでスゥ~!」
「がるるるぅ~…」(←訳:悲しいよぅ~…)

 ジュンク堂さんが三越アルコットに店舗を持って、7年半。
 オープン2年半後には増床もして、
 書店激戦区といわれる新宿に
 みごと根付いた!と思われた矢先の、
 閉店――

 ジュンク堂さん側は、
 お店を続けたい!と要望したものの、
 施設側の都合で退けられた、と聞きました。
 
 どうしようもないこと、であったのは分かっています。
 でも、この御本を手にすれば!

   ああ、お店がまだあればいいのに!

 そんな想いを抱かされます。

「たのしィ~ほんやさんッ!」
「がっるぐるぐるる!」(←訳:かっこいい本屋さん!)

 そして、すてきな書店員さんがいる本屋さん!

 閉店までの僅かな期間、
 書店員さんたちは

《どうせなら最後に自分たちが本当に売りたい本に
  手描きPOPをつけて売ろう!》

 と奮い立ちます。
 私の、僕の、大好きな本、
 全力でおすすめしたい本、
 読んで良かった!と心の底から思える本。
 我が子のような本たちに、このお店に、
 花道を!

「それでこそォ、ほんやさんッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:千両役者~!)

 この御本では、
 書店員さんたち直筆のPOPの画像、
 お店の様子、
 また、書店に通ったお客さんたちの息吹さえも収録されています。

 68ページの
 芸術担当・松岡千恵さんによる『本音を言えばこの本を売りたかった!!』に
 こめられた書店員さんたちの心意気。
 書物への愛情。
 何ものにも歪められぬ熱意。

 さあ、そして!

 126ページの
 『新宿店を愛していただいたすべてのお客様に“ありがとう”』の言葉に、
 本屋さんが好きでたまらない私たち活字マニアは
 拳を固め、お返事せねば!

 いいえ、こちらこそ、御礼申し上げたいのです。
 すてきな本屋さんを、
 すてきな本たちを届けてくださって、ありがとう、と。

「しんじゅくてんのォ、おにいさんッ、おねえさんッ!」
「がるるぐるー!!」(←訳:ありがとうー!!)

 皆さま、ぜひ!の一冊です!!
コメント
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