テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

サヨナラを言う方法は。

2015-05-15 21:51:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさッ、たいへんでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!ジロでトラブル!)

 こんにちは、ネーさです。
 ややっ! ユヴェントスへの声援に夢中になっている間に、
 ジロ・ディ・イタリア2015では大落車事故発生?
 優勝候補のコンタドール選手が肩脱臼のケガ?
 すぐに自転車競技系のニュースサイトをチェックしなくちゃ!
 いえ、その前に、
 心を落ち着かせて、本日の読書タイムも、さあ、どうぞ~♪

  



             ―― さよならの手口 ――



 著者は若竹七海(わかたけ・ななみ)さん、2014年11月に発行されました。
 御本冒頭に、レイモンド・チャンドラーさんの名言
 《警官にさよならを言う方法はまだみつかっていない(村上春樹さん訳)》
 を掲げたこの御本は、
 強力なハードボイルド!

「でもォ、たんていィさんはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:女性です!)

 探偵役は、
 葉村晶(はむら・あきら)さん――
 アキラというお名前の腕利き女性探偵さんです。

 いえ、正確には、
 元探偵さん、なんですけどね。

「げんざいィ、きゅうぎょうちゅうゥ、でェス!」
「がるるるぐる?」(←訳:バカンスなの?)

 以前に契約していた探偵事務所が
 諸般の事情から店じまいしてしまっても、
 葉村さん、慌てませんでした。

 優秀な探偵で稼ぎもよく、
 無趣味で浪費癖もない彼女の貯金残高は
 なかなか大したものだったのです。

 ここでちょっと探偵業をひと休み……
 と、考えたのも当然、ですよね。

「たまにはァ~の~んびりィ~」
「がるるぐる♪」(←訳:お昼寝とか♪)

 ただ、本来が怠け者体質ではない彼女、
 知り合いの古書店さんでアルバイトを始めました。

 そこは、マニア向けのミステリ本専門店。

「みすてりせんもんてんッ?」
「ぐるるるるっ?」(←訳:探偵さんがっ?)

 お店の掃除、品出し、棚の整理、
 会計管理、イベントの企画、古書の買い取り。

 なんでもこなす葉村さん、
 オーナーの富山さんから頼まれて、
 或る家の、古本整理の場に駆けつけてみれば……

 “事件”に出くわしちゃう羽目になりました。
 
「ふァ? ふるほんからァ、じけんッ?」
「がるるる!」(←訳:いきなり!)

 “事件”がさらに“事件”を呼びます。
 必然的に、葉村さんのバカンスは
 自然消滅……する事態になりそうな?

「……でもォ、このじけんはァ~…」
「ぐるるがるる!」(←訳:危険が匂うよ!)

 20年も前の、失踪事件?
 単なる家出だったのか、それとも……?

 著者・若竹さんが楽しんで書いているのが
 ひしひしと伝わってくる疾走感と、
 目を離せない展開、
 20年前と現在の対比の絶妙。
 そして語り手の探偵・葉村さんの
 アイロニーが効いた分析と独白。

 もうひとつオマケに、
 ミステリ専門店が登場するだけに
 古今の名作ミステリへの言及もどっさりですから、
 ミステリ好きな活字マニアさん、
 海外&国内ミステリ初心者さんにもおすすめです!

「それでッ? じけんはッ?」
「がるるるる?」(←訳:どうなるの?)

 すべては読んでのお愉しみ♪
 皆さま、ぜひ、一読を。



コメント
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