「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ、かきごおりィをォ~…」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!大盛りで!)
こんにちは、ネーさです。
ホントにね~、今日は初夏から夏へ
季節がスピードアップしちゃった天候でしたが、
読書タイムは安全運転で参りましょう。
さあ、本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~!
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―― 睦月童 ――
著者は西條奈加(さいじょう・なか)さん、2015年3月に発行されました。
『睦月童』は『むつきわらし』とお読みください。
「わらしッていうのはァ~…」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:子どものことだね!)
童子、と書いて『わらし』と読む例もあるでしょうか。
その童っ子ちゃんが誰を指しているのか、
御本の冒頭を読めばすぐに分かります。
七つくらいに見える、女の子。
ひどくやせている上に、どうにも垢抜けない。
色だけは生っ白いが。
と描写されている、
彼女の名は、イオちゃん。
「ふァ?? めずらしィおなまえェ、でスゥ?」
「がるるるぐるぐる?」(←訳:どういう意味だろ?)
イオちゃんに集まる好奇の視線。
しかし、彼女の隣りに座る国見屋(くにみや)の主人、
平右衛門(へいえもん)さんは
奉公人さんたちにピシリと釘を刺します。
こちらの御方は、国見屋の大事な客人と心得てもらいましょう。
そう、これは、お江戸の時代のものがたり。
国見屋さんは、日本橋にお店と蔵を持ち、
たいそう繁盛している大店なんですね。
となれば、
主人の平右衛門さんの一言に
奉公人さんは皆、逆らえないわけで。
「でもォ、ちっちゃなァこどもをォ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:この御方扱い?)
小さなイオちゃんを丁重にもてなしている理由を知るのは、
平右衛門さんと、妻のお久さんだけ。
お店の大番頭さんも首を傾げています。
けれど、程なく理由は知れました。
イオちゃんの眼が光る!
金色に光って、まともに目を合わせられない!
「えッ? そうなのでスかァ?」
「がっる……るるるる?」(←訳:光って……ないよね?)
金色の瞳に、心臓が縮み上がる思い……をするのは、
悪事を働いた者のみ。
潔白の身ならば、イオちゃんの眼に怯えることもないんです。
「ふァ~、ほッとしたでスゥ!」
「ぐるぐる!」(←訳:うんうん!)
その能力ゆえに、国見屋に招かれたイオちゃん。
平右衛門さんに頼まれて
イオちゃんがこれから顔を合わせねばならぬのは、
国見屋の跡取り息子・央介(おうすけ)さん、なのでした。
央介さんに、イオちゃんの瞳は何色に映るのだろうか――
国見屋の主人夫妻は
固唾を呑んで見守りますが……?
「ううわァ~、どうしようッ??」
「がるるっ!」(←訳:冷や汗っ!)
イオちゃんの不可思議などこから来るのか。
イオちゃんはいったい何者なのか。
問われてイオちゃんは答えます。
―― おらたちは睦月神さまの子どもだ ――
「それッてェ~??」
「ぐるるるる!」(←訳:ますます謎!)
著者・西條さんの『六花落々』を
先日ご紹介したばかりですが、
正統派時代小説のジャンルに入る『六花落々』に比較すると、
こちらの御本は江戸を舞台にした
ファンタジー小説、でしょうか。
物語の主役は、
決闘しまくる剣豪さんたちでも、
江戸城内で陰謀を巡らせるお殿さまたちでもなく、
非力な、小さな女の子。
「でもォ、ただものじゃないィ、のでス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:見かけは二の次!)
天下分け目の大決戦!とはちょっと違い
派手さはないかもしれませんが、
時代モノ好きな御方に、
ファンタジーやSF好きな活字マニアさんに
おすすめしたい一冊です。
イオちゃんと、そして央介さんの運命を紡ぐ
古歌のような、なつかしく美しい物語、
ぜひ探してみてくださいね♪♪
きょうはァ、かきごおりィをォ~…」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!大盛りで!)
こんにちは、ネーさです。
ホントにね~、今日は初夏から夏へ
季節がスピードアップしちゃった天候でしたが、
読書タイムは安全運転で参りましょう。
さあ、本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~!
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―― 睦月童 ――
著者は西條奈加(さいじょう・なか)さん、2015年3月に発行されました。
『睦月童』は『むつきわらし』とお読みください。
「わらしッていうのはァ~…」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:子どものことだね!)
童子、と書いて『わらし』と読む例もあるでしょうか。
その童っ子ちゃんが誰を指しているのか、
御本の冒頭を読めばすぐに分かります。
七つくらいに見える、女の子。
ひどくやせている上に、どうにも垢抜けない。
色だけは生っ白いが。
と描写されている、
彼女の名は、イオちゃん。
「ふァ?? めずらしィおなまえェ、でスゥ?」
「がるるるぐるぐる?」(←訳:どういう意味だろ?)
イオちゃんに集まる好奇の視線。
しかし、彼女の隣りに座る国見屋(くにみや)の主人、
平右衛門(へいえもん)さんは
奉公人さんたちにピシリと釘を刺します。
こちらの御方は、国見屋の大事な客人と心得てもらいましょう。
そう、これは、お江戸の時代のものがたり。
国見屋さんは、日本橋にお店と蔵を持ち、
たいそう繁盛している大店なんですね。
となれば、
主人の平右衛門さんの一言に
奉公人さんは皆、逆らえないわけで。
「でもォ、ちっちゃなァこどもをォ?」
「ぐるがるるる?」(←訳:この御方扱い?)
小さなイオちゃんを丁重にもてなしている理由を知るのは、
平右衛門さんと、妻のお久さんだけ。
お店の大番頭さんも首を傾げています。
けれど、程なく理由は知れました。
イオちゃんの眼が光る!
金色に光って、まともに目を合わせられない!
「えッ? そうなのでスかァ?」
「がっる……るるるる?」(←訳:光って……ないよね?)
金色の瞳に、心臓が縮み上がる思い……をするのは、
悪事を働いた者のみ。
潔白の身ならば、イオちゃんの眼に怯えることもないんです。
「ふァ~、ほッとしたでスゥ!」
「ぐるぐる!」(←訳:うんうん!)
その能力ゆえに、国見屋に招かれたイオちゃん。
平右衛門さんに頼まれて
イオちゃんがこれから顔を合わせねばならぬのは、
国見屋の跡取り息子・央介(おうすけ)さん、なのでした。
央介さんに、イオちゃんの瞳は何色に映るのだろうか――
国見屋の主人夫妻は
固唾を呑んで見守りますが……?
「ううわァ~、どうしようッ??」
「がるるっ!」(←訳:冷や汗っ!)
イオちゃんの不可思議などこから来るのか。
イオちゃんはいったい何者なのか。
問われてイオちゃんは答えます。
―― おらたちは睦月神さまの子どもだ ――
「それッてェ~??」
「ぐるるるる!」(←訳:ますます謎!)
著者・西條さんの『六花落々』を
先日ご紹介したばかりですが、
正統派時代小説のジャンルに入る『六花落々』に比較すると、
こちらの御本は江戸を舞台にした
ファンタジー小説、でしょうか。
物語の主役は、
決闘しまくる剣豪さんたちでも、
江戸城内で陰謀を巡らせるお殿さまたちでもなく、
非力な、小さな女の子。
「でもォ、ただものじゃないィ、のでス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:見かけは二の次!)
天下分け目の大決戦!とはちょっと違い
派手さはないかもしれませんが、
時代モノ好きな御方に、
ファンタジーやSF好きな活字マニアさんに
おすすめしたい一冊です。
イオちゃんと、そして央介さんの運命を紡ぐ
古歌のような、なつかしく美しい物語、
ぜひ探してみてくださいね♪♪