テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

かけがえのない、それは。

2015-12-08 21:58:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、とりゃァ~ッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!投げたぞ元気玉!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントスFCは日本時間の9日未明、
 敵地でセビージャと対戦します。
 CLグループ戦首位突破を期しての重要な一戦、
 どうか勝てますように~!とスペインへ元気玉をブン投げたら、
 はい、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― ボタンちゃん ――



 小川洋子(おがわ・ようこ)さん作、岡田千晶(おかだ・ちあき)さん絵、
 2015年11月に発行されました。
 ↑上の画像から、お分かりでしょうか?
 小説やノンフィクション作品ではありません。

 絵本です。

 けれど、活字マニアの皆さま、
 絵本だからといって、
 あまり馴染みのないジャンルだからといって
 敬遠してはいけません。

 作者は、小川洋子さん!

 ええ、小川洋子さんです。
 『博士の愛した数式』の、『ミーナの行進』の、
 『猫を抱いて象と泳ぐ』の、
 あの小川洋子さんですよ!

「これはァ、よまなくちゃッ!!」
「ぐるがるるる~!」(←訳:何を措いても~!)

 小川さんの文章と、
 バチバチ化学反応を起こしながら
 読み手を物語の世界へ誘うのは、
 岡田千晶さんの
 “ものの手ざわり”が感じられるような、
 ぬくもりのある絵です。

 では、ほんのちょっとだけ、
 御本の粗筋を紹介いたしますと……

「わくわくわくッ♪」
「がるー!」(←訳:謹聴ー!)

 ボタンちゃんは、
 丸いお顔の女の子です。

 ボタンちゃんがいるのは、
 ブラウスのいちばん上。

 ブラウスの持ち主・アンナちゃんは、
 このブラウスをとてもとても大事にしています。

「とっておきのォ、いッちゃくゥ、なのでス!」
「ぐるるるるがるるぐるる!」(←訳:お出掛けの時だけ着ます!)

 よそゆき用の、上質なブラウス。

 そのブラウスの衿元で、
 なかよしのボタンホールちゃんと一緒に、
 次のお出掛けはいつかしらと
 楽しみに待つボタンちゃんでしたが……

 或る日、たいへんなことが!

「わわッ、きんきゅうゥじたいィでスッ!」
「がるぐるるっ?!?」(←訳:糸が切れたっ?!?)

 ボタンちゃんをブラウスに留めていた糸が、
 ぷつり!

「だッだれかッ」
「ぐるるるっ」(←訳:たすけてっ)

 子ども部屋の床を
 コロコロ転がってゆくボタンちゃんの、
 思いがけない旅と、
 思いがけない巡り会い、
 そしてその先には――

「そこまでェ、でスゥ!」
「ぐるーっ!」(←訳:しいーっ!)

 読み終えて、しばらく経ってから、
 じわり、
 ずしり、
 と、こころに響きます。

 なんでもないこと、のようでありながら、
 脳髄を揺さぶるほどの
 大切なこと。

 ああ、やはりこれは
 小川洋子さんでなければ書けないお話です!

「みじかいィおはなしィ、だけれどォ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:長編をもしのぐ!)

 小川さんのファンの方々は、
 くれぐれも読み逃がしなきよう!

 そして岡田千晶さんの絵に、
 装丁・本文デザインを担当したalbireoさんにも拍手を!

「わんだふるゥ!」
「ぐるぐるぐるぅ!」(←訳:ぱちぱちぱちィ!)
 
 さあ、活字マニアの皆さま、
 文も絵も何もかも素晴らしいこの御本を
 ぜひ!探してみてくださいね~!!
 

 
コメント
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