いざや、良き年を迎えん!
祝おう、新年を!
2016年がやって来る――
と、そんな歓声が街角のパブから聞こえてくる、
ここは大晦日のロンドンです。
はい、皆さま、お久しぶりでございます。
大勢のクマたちがわいわい盛り上がっている
トラファルガー広場には、
「ふうゥッ!
まさかのォ、きんきゅうゥじけんッ?」
「こまったもんだ!」
「がるぐるる!」(←訳:でも急ごう!)

おお!あれは!
名探偵テディちゃムズ!
シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士!
彼らの友人の虎くんです!
トラファルガー広場から西へ、
住所のメモを片手に、
とことことこ、と歩みを進める三人。
いったいどこへ?
何事なんでしょう?
大晦日だというのに、事件ですか?
「あッ、ここだよゥ!」
三人が立ち止ったのは、
とある建物の前でした。
その周辺は、
もう少し西へ行けばバッキンガム宮殿!
セント・ジェイムズ宮殿もある!
王宮の衛兵交代パレードを見物する観光客さんと、
観光客目当てのお土産物屋さんも出ていて、
けっこうな人通り!
のはずですが……
「テディちゃムズ!
なんだかァ、おかしいぞ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:シーンとしてる!)
ユキノジョン・H・ワトソン博士と虎くんは、
高まる警戒感に毛を逆立てます。
華やぐ街にぽつんとひとつ、
異様なほど静まり返っているこの建物の、
所有者は……?
「しんぱいィいらないよゥ、ふたりともォ!」
案ずるふたりに、テディちゃムズは言いました。
「ぼくはァ、わかッちゃッたきがァするよッ!」

えっ? 分かっちゃったんですか?
「こたえはァ、ひとつゥ!」
ムクムクな茶色い指先を、
ピシリ!と建物へ向ける名探偵テディちゃムズ!
「おにぃちゃんだァ~!」

「ほ~っほっほぅ!」
あらあらあら、御登場ですよ。
タイミングよろしく、
いえ、今か今かと登場の機会を窺っていたのか、
扉を開いて現れ出たのは、
名探偵テディちゃムズの兄、
マイクマフト氏です!
「待っていたぞよ、テディちゃムズ!
ユキノジョンくんも虎くんも、
ようこそ!
我がテディオゲネス・クラブへ!」
えっ?ここがあの?
ロンドンでいちばん風変わりなクラブ、
テディオゲネス・クラブ!?!
人付き合い、
いえ、クマ付き合いが嫌いなクマばかりが集う、
《静謐》を金科玉条とする
へんてこりんなクラブが、ここ?
「おう、そうだとも!
喧騒を何よりも厭い、
ロンドンの全クラブ中もっとも無害であり、
愛すべき我がクラブで、
しか~し、不可解な事件が続発しておるのだ!
テディちゃムズ!
まさに名探偵出馬の時であるぞよ!
クラブに平和を取り戻し、
穏やかな新年をもたらすべく、
電光石火で謎を解くのだー!」
「はいはいィ、わかッたよゥ、おにぃちゃんッ」
「こらっ!
ハイは一回でよいのだぞよっ!」
「はァ~いッ!」
テディオゲネス・クラブで事件、ですって?
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
はたして、新年の鐘が鳴る前に
謎を解くことが出来るんでしょうか……?
~ その2!に続く ~
祝おう、新年を!
2016年がやって来る――
と、そんな歓声が街角のパブから聞こえてくる、
ここは大晦日のロンドンです。
はい、皆さま、お久しぶりでございます。
大勢のクマたちがわいわい盛り上がっている
トラファルガー広場には、
「ふうゥッ!
まさかのォ、きんきゅうゥじけんッ?」
「こまったもんだ!」
「がるぐるる!」(←訳:でも急ごう!)

おお!あれは!
名探偵テディちゃムズ!
シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士!
彼らの友人の虎くんです!
トラファルガー広場から西へ、
住所のメモを片手に、
とことことこ、と歩みを進める三人。
いったいどこへ?
何事なんでしょう?
大晦日だというのに、事件ですか?
「あッ、ここだよゥ!」
三人が立ち止ったのは、
とある建物の前でした。
その周辺は、
もう少し西へ行けばバッキンガム宮殿!
セント・ジェイムズ宮殿もある!
王宮の衛兵交代パレードを見物する観光客さんと、
観光客目当てのお土産物屋さんも出ていて、
けっこうな人通り!
のはずですが……
「テディちゃムズ!
なんだかァ、おかしいぞ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:シーンとしてる!)
ユキノジョン・H・ワトソン博士と虎くんは、
高まる警戒感に毛を逆立てます。
華やぐ街にぽつんとひとつ、
異様なほど静まり返っているこの建物の、
所有者は……?
「しんぱいィいらないよゥ、ふたりともォ!」
案ずるふたりに、テディちゃムズは言いました。
「ぼくはァ、わかッちゃッたきがァするよッ!」

えっ? 分かっちゃったんですか?
「こたえはァ、ひとつゥ!」
ムクムクな茶色い指先を、
ピシリ!と建物へ向ける名探偵テディちゃムズ!
「おにぃちゃんだァ~!」

「ほ~っほっほぅ!」
あらあらあら、御登場ですよ。
タイミングよろしく、
いえ、今か今かと登場の機会を窺っていたのか、
扉を開いて現れ出たのは、
名探偵テディちゃムズの兄、
マイクマフト氏です!
「待っていたぞよ、テディちゃムズ!
ユキノジョンくんも虎くんも、
ようこそ!
我がテディオゲネス・クラブへ!」
えっ?ここがあの?
ロンドンでいちばん風変わりなクラブ、
テディオゲネス・クラブ!?!
人付き合い、
いえ、クマ付き合いが嫌いなクマばかりが集う、
《静謐》を金科玉条とする
へんてこりんなクラブが、ここ?
「おう、そうだとも!
喧騒を何よりも厭い、
ロンドンの全クラブ中もっとも無害であり、
愛すべき我がクラブで、
しか~し、不可解な事件が続発しておるのだ!
テディちゃムズ!
まさに名探偵出馬の時であるぞよ!
クラブに平和を取り戻し、
穏やかな新年をもたらすべく、
電光石火で謎を解くのだー!」
「はいはいィ、わかッたよゥ、おにぃちゃんッ」
「こらっ!
ハイは一回でよいのだぞよっ!」
「はァ~いッ!」
テディオゲネス・クラブで事件、ですって?
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
はたして、新年の鐘が鳴る前に
謎を解くことが出来るんでしょうか……?
~ その2!に続く ~