テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2016!新春特別企画♪《テディオゲネス・クラブの冒険》その1!

2015-12-30 21:58:35 | 2016!新春特別企画♪
 いざや、良き年を迎えん!
 祝おう、新年を!
 2016年がやって来る――

 と、そんな歓声が街角のパブから聞こえてくる、
 ここは大晦日のロンドンです。
 はい、皆さま、お久しぶりでございます。
 大勢のクマたちがわいわい盛り上がっている
 トラファルガー広場には、

「ふうゥッ!
 まさかのォ、きんきゅうゥじけんッ?」
「こまったもんだ!」
「がるぐるる!」(←訳:でも急ごう!)
 
  

 おお!あれは!

 名探偵テディちゃムズ!
 シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士!
 彼らの友人の虎くんです!

 トラファルガー広場から西へ、
 住所のメモを片手に、
 とことことこ、と歩みを進める三人。
 
 いったいどこへ?
 何事なんでしょう?
 大晦日だというのに、事件ですか?

「あッ、ここだよゥ!」

 三人が立ち止ったのは、
 とある建物の前でした。
 
 その周辺は、
 もう少し西へ行けばバッキンガム宮殿!
 セント・ジェイムズ宮殿もある!
 王宮の衛兵交代パレードを見物する観光客さんと、
 観光客目当てのお土産物屋さんも出ていて、
 けっこうな人通り!
 のはずですが……

「テディちゃムズ!
 なんだかァ、おかしいぞ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:シーンとしてる!)

 ユキノジョン・H・ワトソン博士と虎くんは、
 高まる警戒感に毛を逆立てます。

 華やぐ街にぽつんとひとつ、
 異様なほど静まり返っているこの建物の、
 所有者は……?

「しんぱいィいらないよゥ、ふたりともォ!」

 案ずるふたりに、テディちゃムズは言いました。

「ぼくはァ、わかッちゃッたきがァするよッ!」

  

 えっ? 分かっちゃったんですか?

「こたえはァ、ひとつゥ!」

 ムクムクな茶色い指先を、
 ピシリ!と建物へ向ける名探偵テディちゃムズ!

「おにぃちゃんだァ~!」
 
  

「ほ~っほっほぅ!」

 あらあらあら、御登場ですよ。
 タイミングよろしく、
 いえ、今か今かと登場の機会を窺っていたのか、
 扉を開いて現れ出たのは、
 名探偵テディちゃムズの兄、
 マイクマフト氏です!

「待っていたぞよ、テディちゃムズ!
 ユキノジョンくんも虎くんも、
 ようこそ!

 我がテディオゲネス・クラブへ!」

 えっ?ここがあの?

 ロンドンでいちばん風変わりなクラブ、
 テディオゲネス・クラブ!?!

 人付き合い、
 いえ、クマ付き合いが嫌いなクマばかりが集う、
 《静謐》を金科玉条とする
 へんてこりんなクラブが、ここ?

「おう、そうだとも!
 喧騒を何よりも厭い、
 ロンドンの全クラブ中もっとも無害であり、
 愛すべき我がクラブで、
 しか~し、不可解な事件が続発しておるのだ!

 テディちゃムズ!
 まさに名探偵出馬の時であるぞよ!
 クラブに平和を取り戻し、
 穏やかな新年をもたらすべく、
 電光石火で謎を解くのだー!」
 
「はいはいィ、わかッたよゥ、おにぃちゃんッ」

「こらっ!
 ハイは一回でよいのだぞよっ!」

「はァ~いッ!」

 テディオゲネス・クラブで事件、ですって?
 名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
 はたして、新年の鐘が鳴る前に
 謎を解くことが出来るんでしょうか……?



   ~ その2!に続く ~
 
 
 
 

 
コメント
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