テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

彼らもまた、ヒトである?

2015-12-21 21:55:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やぱりィ、ばるさはァ~つよかッたでス!」
「がるる!ぐるがーるぅるがっるる!」(←訳:虎です!でもユーヴェも勝ったよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 クラブワールドカップ決勝戦では
 メッシさんの巧さに唸らされましたが、
 おほほほほ♪(←ちょっと高笑い)
 ユヴェントスも首位に勝ち点3差!
 という位置にまで上ってきましたよ~♪
 なので、さあ、今日は気分もぐーんと上向きに
 読書タイムをば、どうぞ~っ!

  



        ―― 残酷な王と悲しみの王妃 2 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、2015年10月に発行されました。
 前回記事で御紹介した評論作品のテーマは日本美術……
 対して、こちらは、欧州の王家をテーマに据えた
 美術&歴史評論ジャンルの作品です。

「おうさまとォ、おうひさまッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:王子さまと王女さま!)
「おとぎィばなしィ、でスねッ!」

 悪い魔女さんに呪われても
 魔人に王国を奪われかけても、
 最後のページでは、
 恋人たちは末永く幸せに暮らしました、
 めでたしめでたし――

 というのは、
 ええ、皆さまも御存知のように、
 お伽噺の世界でのこと。

 現実派、どうだったのでしょう。

 たとえば、
 ロシアのロマノフ王朝では……?

「ううッ、それはッ」
「がるぐる!」(←訳:警報です!)

 著者・中野さんがこの御本で取り上げているのは、
 ふたりの王さまと、
 ふたりの王妃さまです。

 バイエルン(現ドイツ)の王ルートヴィヒ二世。

 ロシアのアレクサンドル三世皇妃マリア。

 スペインの王カルロス四世。

 デンマークの王クリスチャン七世妃カロリーネ・マティルデ。

「ふァいッ! ばいえるんのォおうさまッ、ゆうめいィでス!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:お城マニアさんだ!)

 そうねー、
 ルートヴィッヒ二世さんは
 建築費で国庫を傾けたほどのお城マニアとしても、
 映画や文学のモデルとしても有名な王様ですね。

 ロマノフ王朝の倒壊を見届けることになる
 ロシアのマリア皇妃、
 それに、
 画家ゴヤさんの(或る意味での)傑作
 『カルロス四世家族像』のモデルとして名高い
 カルロス四世王は、
 美術好きな御方にはよく知られていることでしょう。

 では、四番目の、
 カロリーネ・マティルデという人物は……?

「うむむゥ、ききおぼえがァ??」
「がるるぅ?」(←訳:無いよぅ?)

 英国からデンマークへ輿入れしてきた
 カロリーネ・マティルデ妃(1751~1775)。

 デンマークの王宮で彼女を、
 否、王と王妃を見舞う過酷な、
 恐怖と狂気さえ覚えさせる運命とは――

「れきしッて、こわいィでス!」
「ぐるるるがるるぅる!」(←訳:怖いけど読んじゃう!)

 《怖い絵》シリーズに続いて
 著者・中野さんの筆が冴える
 アート好きさん&歴史すきさんには
 たまらない一冊です。

 まだ読んでないわ!という御方は、
 年末年始のお休みに、
 ぜひ、一読を~♪

 
コメント
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