テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 香る“アジア” ~

2015-12-10 21:50:17 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 いまかァいまかァとォ、そわそわッ♪」
「がるる!ぐるるるっ♪」(←訳:虎です!いつかなっ♪)

 こんにちは、ネーさです。
 CLグループ戦最終節が終わったら、
 今度はクラブワールドカップが開幕!
 バルサのメッシさんはいつ来日するのかしら?
 怪我しちゃったネイマールくんは出場するの?
 ドラマティックな展開を予感しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
           ―― 紙の動物園 ――



 著者はケン・リュウさん、
 画像の日本オリジナル短編集は2015年4月に発行されました。
 英語原題は『THE PAPER MENAGERIE AND OTHER STORIES』、
 とりわけ、表題作『紙の動物園』は
 ネビュラ賞とヒューゴー賞、
 そして世界幻想文学大賞の各短編部門賞を受賞!
 という快挙を成し遂げた、
 世界的に評価の高い作品です。

「それはァ、ものすごォ~いッ!」
「ぐるる!」(←訳:大拍手!)

 著者のケン・リュウさんは
 1976年、中国に生まれ、
 現在は米国マサチューセッツ州に在住している背景ゆえか、
 物語の舞台、
 いえ、物語の基盤を
 “アジア”に置いているようですね。

 御本のいちばん初めに収録されている
 『紙の動物園』は、
 米国で暮らす青年が主人公ですが、
 彼を慈しみ、育ててくれた“お母さん”は
 香港からやって来た人でした。

「はるばるゥ、いこくへッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:異文化の中へ!)

 次に収録されているのは
 『もののあはれ』。

 こちらは、日本人の青年が主人公です。
 
「わほゥ! にほんッ、でスかッ?」
「ぐるるるがるる!」(←訳:なるほどアジア!)

 15篇の短編作品の中に、
 はっきりと、
 或いはぼんやりと、
 描き込まれている“アジア”の気配。

 その気配がもっとも濃く、
 強く香るのは、
 トリを飾っている
 『良い狩りを』でしょうか。

「あはァ!
 これはァ、ちゃいにーず・ほらーでスかッ?」
「がぅるるーるぐぅる!」(←訳:キョンシーがピョン!)

 チャイニーズ・ゴーストストーリーに
 スチームパンクを加味した新種!
 と呼びたいような、
 奇々怪々で、
 しかし凄まじく美しい物語を、
 私ネーさ、何度も読み返しましたよ。

 『紙の動物園』とともに
 絶対に読み逃がしてはいけない傑作です!

「ちゅうごくのォ、おはなしだけれどォ~…」
「ぐるるるがるるるるぐる!」(←訳:日本にもありそうなお話!)

 レイ・ブラッドベリさんの作品が好きな活字マニアさんに、
 ぜひともおすすめしたい御本です。

 ファンタジーとも、
 ミステリともホラーとも読み取れる、
 優雅な新世代SF作品は、
 たぶん2015年のベスト本候補の一冊!
 皆さま、
 本屋さんで、図書館で、探してみてくださいね~♪
 
 

コメント
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