「こんにちわッ、テディちゃでス!
めりィーくりすますゥなのでス!」
「がるる!ぐる・がるーる!」(←訳:虎です!ボン・ナターレ!)
こんにちは、ネーさです。
国境も信教も言語もぴょーんとひとっ飛びして、
あらゆるイノチの上に穏やかな聖夜が訪れることを願いつつ、
さあ、読書タイムです♪
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

―― 琥珀のまたたき ――
著者は小川洋子(おがわ・ようこ)さん、2015年9月に発行されました。
ええ、もう!
この作品を御紹介しないことには
2015年を締めくくれませんよね!
待望の、小川洋子さんの最新刊ですよ♪
「だいめいィがァ、うつくしいィでス!」
「ぐるるぅ~…!」(←訳:琥珀かぁ~…!)
昔むかし、或るところに
三人のきょうだいがおりました。
それぞれ、
オパール、琥珀(こはく)、瑪瑙(めのう)と
鉱物や化石の名を戴いた三人が暮らすのは、
平和な森の中の、
小さなお城――
であったなら、どんなに良かったことでしょう。
「むゥ? ここはァ、おしろじゃァないのでスゥ!」
「がるるるぐる?」(←訳:平和でもない?)
姉の“オパール”、
弟の“琥珀”、
末弟の“瑪瑙”。
三人には、別の名前がありました。
いえ、前の名前、というべきでしょうか。
《今日を限り、前の名前は忘れましょうね》
そうママに言われなければ、
今でも、その名で呼び合っていたのでしょうか。
「えッ? なまえをォ、わすれるゥ??」
「ぐるがる?」(←訳:なぜまた?)
三人きょうだいには、もうひとり、
妹がいたのです。
しかし、その生命は、
“魔犬の呪い”により失われてしまいました。
嘆き悲しんだママが向かうのは、
パパが残した別荘。
呪いなどない、そこは平和な、閉ざされた世界。
「……なんだかァ、じわじわァ~とォ~…」
「がるるっるるる……!」(←訳:怖くなってきた……!)
閉ざされた世界の内側にも、
外の世界と同じように時は流れます。
静止しているようで静止していない世界で、
オパールの、琥珀の、瑪瑙の、
そしてママの上にも
時間は流れ、
歪みを貯め込んでゆきます。
外と内を隔てる頑丈な塀も、
歪みは確実に切り崩してゆく……
「どんどんッ、こわくなるゥ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:怪談みたいに!)
三人のきょうだいを見舞う、
これは怪談なのか、
たとえようもなく温かく貴いお伽噺なのか――
琥珀の目線を中心に語られる、
美しい言葉の宇宙は、
題名が示すように、
鉱物と化石が縁取る深闇のようでもありますが。
「ながくてェ、みじかいィ~…」
「がるるぐるがる!」(←訳:遠くて近い宇宙!)
小さな石たちを、
ひとつ積み、ひとつ重ねては、
天上へ届く高さにまで
磨きあげてゆく。
読み終えてすぐ、よりも、
読んで何日か経ってから、
何ヶ月も経ってから、
なぜかしら文章や場面が頻りと思い出されてしようがない、
そんな強いチカラを持った作品です。
未読の御方は、
この冬休みの読書リストにぜひ、加えてみてくださいね。
全活字マニアさんにおすすめの一冊です!
追記!
次回からは2016年のBEST BOOKを探す特別編です。
年末でバタバタなんですけど~!
「ひろォ~いィこころでッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:おつきあいください!)
めりィーくりすますゥなのでス!」
「がるる!ぐる・がるーる!」(←訳:虎です!ボン・ナターレ!)
こんにちは、ネーさです。
国境も信教も言語もぴょーんとひとっ飛びして、
あらゆるイノチの上に穏やかな聖夜が訪れることを願いつつ、
さあ、読書タイムです♪
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

―― 琥珀のまたたき ――
著者は小川洋子(おがわ・ようこ)さん、2015年9月に発行されました。
ええ、もう!
この作品を御紹介しないことには
2015年を締めくくれませんよね!
待望の、小川洋子さんの最新刊ですよ♪
「だいめいィがァ、うつくしいィでス!」
「ぐるるぅ~…!」(←訳:琥珀かぁ~…!)
昔むかし、或るところに
三人のきょうだいがおりました。
それぞれ、
オパール、琥珀(こはく)、瑪瑙(めのう)と
鉱物や化石の名を戴いた三人が暮らすのは、
平和な森の中の、
小さなお城――
であったなら、どんなに良かったことでしょう。
「むゥ? ここはァ、おしろじゃァないのでスゥ!」
「がるるるぐる?」(←訳:平和でもない?)
姉の“オパール”、
弟の“琥珀”、
末弟の“瑪瑙”。
三人には、別の名前がありました。
いえ、前の名前、というべきでしょうか。
《今日を限り、前の名前は忘れましょうね》
そうママに言われなければ、
今でも、その名で呼び合っていたのでしょうか。
「えッ? なまえをォ、わすれるゥ??」
「ぐるがる?」(←訳:なぜまた?)
三人きょうだいには、もうひとり、
妹がいたのです。
しかし、その生命は、
“魔犬の呪い”により失われてしまいました。
嘆き悲しんだママが向かうのは、
パパが残した別荘。
呪いなどない、そこは平和な、閉ざされた世界。
「……なんだかァ、じわじわァ~とォ~…」
「がるるっるるる……!」(←訳:怖くなってきた……!)
閉ざされた世界の内側にも、
外の世界と同じように時は流れます。
静止しているようで静止していない世界で、
オパールの、琥珀の、瑪瑙の、
そしてママの上にも
時間は流れ、
歪みを貯め込んでゆきます。
外と内を隔てる頑丈な塀も、
歪みは確実に切り崩してゆく……
「どんどんッ、こわくなるゥ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:怪談みたいに!)
三人のきょうだいを見舞う、
これは怪談なのか、
たとえようもなく温かく貴いお伽噺なのか――
琥珀の目線を中心に語られる、
美しい言葉の宇宙は、
題名が示すように、
鉱物と化石が縁取る深闇のようでもありますが。
「ながくてェ、みじかいィ~…」
「がるるぐるがる!」(←訳:遠くて近い宇宙!)
小さな石たちを、
ひとつ積み、ひとつ重ねては、
天上へ届く高さにまで
磨きあげてゆく。
読み終えてすぐ、よりも、
読んで何日か経ってから、
何ヶ月も経ってから、
なぜかしら文章や場面が頻りと思い出されてしようがない、
そんな強いチカラを持った作品です。
未読の御方は、
この冬休みの読書リストにぜひ、加えてみてくださいね。
全活字マニアさんにおすすめの一冊です!
追記!
次回からは2016年のBEST BOOKを探す特別編です。
年末でバタバタなんですけど~!
「ひろォ~いィこころでッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:おつきあいください!)