もう間もなく、新しい年が来る!
そんなタイミングでも、
名探偵テディちゃムズの冒険は続きます。
さあ、2020新春特別企画の、その3!は――
「テディちゃムズよ、
これが各部局からの報告書だ!」
兄のマイクマフト氏から書類を受け取り、
ガス燈の明かりの下、
急ぎ内容に目を通しつつも、
テディちゃムズはの表情に不安や焦りはありません。
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「よォしッ! これでェいいんだッ!」
何じゃと、とマイクマフト氏は驚きます。
前代未聞の、
《小麦粉不足》事件。
市内のどこを探しても、
ロンドン市民のご飯のもと、いえ、
美味しいパンやパイになるはずだった
小麦粉は発見できず。
大量に小麦粉を保管できそうな倉庫など、
建物を緊急点検しても、
小麦粉のコの字もなく……という、
ガッカリな報告書の束の、
どこが「いい」んでしょう?
「なせならばッ!
そこにはないィ、ッてことをォ、
よそくゥしていたからだよゥ!」
は? なんですって?
「さがすべきィなのはァ~…あッちィ!」
テディちゃムズが、ひた!と指さしましたのは、
東の方角です。
え、ホント?と、
普通のクマならば疑うところですが、
名探偵テディちゃムズの推理に間違いなし!
ステッキを小脇に走り出そうとして……
おややっ?
「たいへんだっ、テディちゃムズ!」
「がるぐるる!」(←訳:濃霧だよう!)
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斥候に出ていたユキノジョン・ワトソン博士と、
虎くんが急を告げました。
「ひどい濃霧で、
テムズ川一帯の船の運行は禁止、
橋も通行止めになっちゃった!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:馬車も動かないよ!)
「むゥ!
それはァ、こまッたぞォ!」
ああ、とうとう。
ロンドン名物、
一寸先も見えなくなりそうな霧の壁が相手では、
さすがのテディちゃムズも――
ん?
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「チュウ!」
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えっ? いまの誰の声?
とザワつくテディちゃムズたちは、
足元で尻尾を振っている
小さなネズミくんに気づきました。
「テディちゃムズさん!
行きたいところがあるなら案内します!
ロンドン全域は、ぼくらの庭ですもん!」
それはありがたい!と、
テディちゃムズは申し出を受けました。
「ねずみくんッ!
ぼくたちはァ、ゆかなくちゃッ!
てんもんだいィへッ!」
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「グリニッチ天文台ですね!
じゃあ、こちらへ!」
濃霧には慣れっ子のクマ市民たちが
大騒ぎをしている広場を抜け、
ネズミくんは道案内します。
が、マイクマフト氏は不安そうですね。
「橋が通行止めだというのに、
どうやってテムズ南岸の天文台へ?」
「チュウ!
歩いてゆくんですよ、川の下を!」
「お! そうじゃった!」
はい、その通り。
あまり知られていないことですが、
グリニッジと、
テムズ対岸のアイランドガーデンズを結ぶ
地下歩道があるのです。
その名も《グリニッジフットトンネル》。
通行料は無料の、
一般にも開放されているこの歩道を使えば、
テムズの流れもひとまたぎ!
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
躊躇なくネズミくんの案内に従い、
フーフー言いながら
地下道を走破し、
ようやっとトンネルの出口に辿り着きました。
が、しかし――
「ややッ!」
~ その4!に(たぶん)つづく! ~
そんなタイミングでも、
名探偵テディちゃムズの冒険は続きます。
さあ、2020新春特別企画の、その3!は――
「テディちゃムズよ、
これが各部局からの報告書だ!」
兄のマイクマフト氏から書類を受け取り、
ガス燈の明かりの下、
急ぎ内容に目を通しつつも、
テディちゃムズはの表情に不安や焦りはありません。
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「よォしッ! これでェいいんだッ!」
何じゃと、とマイクマフト氏は驚きます。
前代未聞の、
《小麦粉不足》事件。
市内のどこを探しても、
ロンドン市民のご飯のもと、いえ、
美味しいパンやパイになるはずだった
小麦粉は発見できず。
大量に小麦粉を保管できそうな倉庫など、
建物を緊急点検しても、
小麦粉のコの字もなく……という、
ガッカリな報告書の束の、
どこが「いい」んでしょう?
「なせならばッ!
そこにはないィ、ッてことをォ、
よそくゥしていたからだよゥ!」
は? なんですって?
「さがすべきィなのはァ~…あッちィ!」
テディちゃムズが、ひた!と指さしましたのは、
東の方角です。
え、ホント?と、
普通のクマならば疑うところですが、
名探偵テディちゃムズの推理に間違いなし!
ステッキを小脇に走り出そうとして……
おややっ?
「たいへんだっ、テディちゃムズ!」
「がるぐるる!」(←訳:濃霧だよう!)
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斥候に出ていたユキノジョン・ワトソン博士と、
虎くんが急を告げました。
「ひどい濃霧で、
テムズ川一帯の船の運行は禁止、
橋も通行止めになっちゃった!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:馬車も動かないよ!)
「むゥ!
それはァ、こまッたぞォ!」
ああ、とうとう。
ロンドン名物、
一寸先も見えなくなりそうな霧の壁が相手では、
さすがのテディちゃムズも――
ん?
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「チュウ!」
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えっ? いまの誰の声?
とザワつくテディちゃムズたちは、
足元で尻尾を振っている
小さなネズミくんに気づきました。
「テディちゃムズさん!
行きたいところがあるなら案内します!
ロンドン全域は、ぼくらの庭ですもん!」
それはありがたい!と、
テディちゃムズは申し出を受けました。
「ねずみくんッ!
ぼくたちはァ、ゆかなくちゃッ!
てんもんだいィへッ!」
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「グリニッチ天文台ですね!
じゃあ、こちらへ!」
濃霧には慣れっ子のクマ市民たちが
大騒ぎをしている広場を抜け、
ネズミくんは道案内します。
が、マイクマフト氏は不安そうですね。
「橋が通行止めだというのに、
どうやってテムズ南岸の天文台へ?」
「チュウ!
歩いてゆくんですよ、川の下を!」
「お! そうじゃった!」
はい、その通り。
あまり知られていないことですが、
グリニッジと、
テムズ対岸のアイランドガーデンズを結ぶ
地下歩道があるのです。
その名も《グリニッジフットトンネル》。
通行料は無料の、
一般にも開放されているこの歩道を使えば、
テムズの流れもひとまたぎ!
名探偵テディちゃムズと仲間たちは、
躊躇なくネズミくんの案内に従い、
フーフー言いながら
地下道を走破し、
ようやっとトンネルの出口に辿り着きました。
が、しかし――
「ややッ!」
~ その4!に(たぶん)つづく! ~