テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 昔むかし……そんなバカな? ~

2024-02-07 22:05:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ごろろんッ、ごろォ~んッ!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!頭上注意~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 屋根の端や樹木の枝先からビシバシと、

 雪の塊りだの特大の水滴だのが容赦なく降ってきます。

 怖い~と首をすくめつつも、さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

  ―― むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 ――

 

 

 著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、

 2023年8月に発行されました。

 日本の昔話とミステリーを融合させて大人気の、

 題して、

 《むか死》シリーズ。

 

 その最新刊となる↑『めでたしめでたし。』編では、

 いえ、全然めでたくなさそうなんですけどー!

 

「あわわわッ! こんかいィもォ、たいへんッ!」

「ぐるるがるぅ~!」(←訳:事件が連続ぅ~!)

 

 『こぶとり奇譚』

 『陰陽師、耳なし芳一に出会う。』

 『女か、雀か、虎か』

 『三年安楽椅子太郎』

 『金太郎城殺人事件』

 

 と、収録されている5つの”事件”のいずれも、

 警視庁捜査一課の強面さんたちが乗り込んできそうな

 凶悪事件の匂いがしますが……

 あら、本当に乗り込んできちゃいましたよ、

 お奉行所の役人さんが!

 というのは、

 『こぶとり奇譚』です。

 

「むかしィむかァ~しィ!」

「がるるるるるぐるるる!」(←訳:おじいさんがいました!)

 

 昔話『こぶとりじいさん』。

 

 こぶ、って、放送禁止用語っぽい言葉ですし、

 ルッキズムの問題に触れかねないストーリーのせいでしょうか、

 近年ではマイナーなお話になってしまった感のある

 『こぶとりじいさん』を、

 著者・青柳さんはスリルに満ちたフーダニットへと

 大転換させました。

 

 青物郷の、豆左衛門が何者かに殺された……!

 

 語り手の“私“こと岩塚甚五(いわつか・じんご)さんは、

 お奉行さまの特命を受け、

 犯人を捜すことになったものの。

 

 郷に到着してみれば、

 既に容疑者は捕縛されている?

 

「わわッ、これはァ~??」

「ぐるぅ??」(←訳:こぶぅ??)

 

 留置場所へ、急ぎ赴く甚五さん。

 そこで彼が目にしたものは――

 

 容疑者の両方の頬にある

 ミカンほどの大きさの……こぶ。

 

「えェ~とォ、つまりィ~…?」

「がるっるぐるるるがる!?!」(←訳:両頬ってどういうこと!?!)

 

 被害者、容疑者、遺族に、村役人。

 赤鬼さんと青鬼さん。

 入り乱れる複雑な関係と、

 動機は? 方法は?

 そして、真犯人は?

 

 ハードボイルドかつファンタジックな『こぶとり奇譚』で

 読み手のココロをぐいっとつかみ、

 《むか死》の世界へ連れてゆく

 超絶トリッキー連作ミステリは、

 エンタ作品大好き!な活字マニアさんに

 おすすめですよ。

 寒~い冬の夜の読書タイムを

 ぜひ、本格ミステリ昔話とともに

 お過ごしくださいね~♪

 

 

コメント
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