「こんにちわッ、テディちゃでス!
ごろろんッ、ごろォ~んッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!頭上注意~!)
こんにちは、ネーさです。
屋根の端や樹木の枝先からビシバシと、
雪の塊りだの特大の水滴だのが容赦なく降ってきます。
怖い~と首をすくめつつも、さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 ――
著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、
2023年8月に発行されました。
日本の昔話とミステリーを融合させて大人気の、
題して、
《むか死》シリーズ。
その最新刊となる↑『めでたしめでたし。』編では、
いえ、全然めでたくなさそうなんですけどー!
「あわわわッ! こんかいィもォ、たいへんッ!」
「ぐるるがるぅ~!」(←訳:事件が連続ぅ~!)
『こぶとり奇譚』
『陰陽師、耳なし芳一に出会う。』
『女か、雀か、虎か』
『三年安楽椅子太郎』
『金太郎城殺人事件』
と、収録されている5つの”事件”のいずれも、
警視庁捜査一課の強面さんたちが乗り込んできそうな
凶悪事件の匂いがしますが……
あら、本当に乗り込んできちゃいましたよ、
お奉行所の役人さんが!
というのは、
『こぶとり奇譚』です。
「むかしィむかァ~しィ!」
「がるるるるるぐるるる!」(←訳:おじいさんがいました!)
昔話『こぶとりじいさん』。
こぶ、って、放送禁止用語っぽい言葉ですし、
ルッキズムの問題に触れかねないストーリーのせいでしょうか、
近年ではマイナーなお話になってしまった感のある
『こぶとりじいさん』を、
著者・青柳さんはスリルに満ちたフーダニットへと
大転換させました。
青物郷の、豆左衛門が何者かに殺された……!
語り手の“私“こと岩塚甚五(いわつか・じんご)さんは、
お奉行さまの特命を受け、
犯人を捜すことになったものの。
郷に到着してみれば、
既に容疑者は捕縛されている?
「わわッ、これはァ~??」
「ぐるぅ??」(←訳:こぶぅ??)
留置場所へ、急ぎ赴く甚五さん。
そこで彼が目にしたものは――
容疑者の両方の頬にある
ミカンほどの大きさの……こぶ。
「えェ~とォ、つまりィ~…?」
「がるっるぐるるるがる!?!」(←訳:両頬ってどういうこと!?!)
被害者、容疑者、遺族に、村役人。
赤鬼さんと青鬼さん。
入り乱れる複雑な関係と、
動機は? 方法は?
そして、真犯人は?
ハードボイルドかつファンタジックな『こぶとり奇譚』で
読み手のココロをぐいっとつかみ、
《むか死》の世界へ連れてゆく
超絶トリッキー連作ミステリは、
エンタ作品大好き!な活字マニアさんに
おすすめですよ。
寒~い冬の夜の読書タイムを
ぜひ、本格ミステリ昔話とともに
お過ごしくださいね~♪