「こんにちわッ、テディちゃでス!
めだたないィ~けどォ、さいてまスゥ!」
「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!水仙カワイイ~!)
こんにちは、ネーさです。
濃いピンク色の河津桜に押され気味ではありますが、
スイセンの花があちこちで咲いていますね。
強風にも屈しない凛々しい姿に見惚れながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 白亜紀往事 ――
著者は劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)さん、
原著は2004年に、画像の日本語版は2023年11月に発行されました。
『OF ANTS AND DINOSAURS』と英語題名が付されています。
《三体》で世界的ヒット作をかっ飛ばした著者・劉さんの
初期長篇作品ですよ。
「はるかなァうちゅうゥからァ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:遥かな過去へ!)
人類が誕生するよりもずっと昔の、
中生代――
その白亜紀の終わり頃の、
”ふつうの日”のこと。
地球の歴史を揺るがすような、
大事件が起きました。
「ひゃあッ! じひびきィ~してるのでス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:アイツが来たぞ!)
ゴンドワナ大陸の真ん中あたり、
大きなソテツの森の中の空き地で、
美味しそうな昼食を発見したのは
一頭のティラノサウルス・レックス。
そう、”名は体を表す“の通り、
恐竜族の王者たる巨大肉食竜です。
大きく太ったトカゲを
がっしがっしと噛み砕いて、呑み下して、
あ~うまかった、とティラノくん、大満足♫
……いえ、正確を期すならば、
満足と言い切るには若干の問題が。
「あぐあぐッ、もぐゥ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:不快なのだ~!)
食事後につきものの、
或る問題。
苛々するティラノくんに
解決策を提示したのは、
蟻。
「ふァ?」
「がる?」(←訳:あり??)
ええ、蟻はアリです。
アリンコと呼ばれたりもする、あの蟻です。
「……きょうりゅうゥとォ、ありッ?」
「ぐるがるぅ?」(←訳:冗談でしょ?)
冗談のように見える
ティラノサウルスと蟻たちの出会い。
この邂逅が、全く異なる二つの種族の出会いが、
白亜紀の地球に”文明”をもたらしました。
異なる立場や考え方を持つものが、
ひとつの場所で巧みに融合し、
互いに助け合ってゆけば、
ごく小さな知性も大きな知力へと
熱く、逞しく、成長してゆく――
恐竜たちと蟻たちは
身体のサイズは違えど手に手を取って、
大繁栄の時代を築きあげ、て、ゆ……ゆき……?
「あうゥ?」
「がるるるぐるるる?」(←訳:なんだか雲行きが?)
サイズが違う二つの種族は、
はたして、本当に上手くゆくのか。
亀裂は、どこにも生じないのか。
恐竜の未来は、蟻の未来は、
地球上に芽生えた輝かしい文明の行方は。
ユーモラスでコミカルな”事件”から
ドミノ倒しのように始まる
恐竜&蟻たちの《もしもの世界》。
ドラマチックな長編SF作品は、
SFやファンタジー好きな方々に、
映画(映像)好きな活字マニアさんにもおすすめです。
このお話をコマ撮りアニメで観てみたい~!なんて妄想しつつ、
ぜひ、驚きの白亜紀小旅行を♪