テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 白亜紀一本勝負! ~

2024-02-28 22:02:20 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 めだたないィ~けどォ、さいてまスゥ!」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!水仙カワイイ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 濃いピンク色の河津桜に押され気味ではありますが、

 スイセンの花があちこちで咲いていますね。

 強風にも屈しない凛々しい姿に見惚れながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 白亜紀往事 ――

 

 

 著者は劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)さん、

 原著は2004年に、画像の日本語版は2023年11月に発行されました。

 『OF ANTS AND DINOSAURS』と英語題名が付されています。

 《三体》で世界的ヒット作をかっ飛ばした著者・劉さんの

 初期長篇作品ですよ。

 

「はるかなァうちゅうゥからァ~」

「ぐるるがるる!」(←訳:遥かな過去へ!)

 

 人類が誕生するよりもずっと昔の、

 中生代――

 その白亜紀の終わり頃の、

 ”ふつうの日”のこと。

 

 地球の歴史を揺るがすような、

 大事件が起きました。

 

「ひゃあッ! じひびきィ~してるのでス!」

「がるるるぐるる!」(←訳:アイツが来たぞ!)

 

 ゴンドワナ大陸の真ん中あたり、

 大きなソテツの森の中の空き地で、

 美味しそうな昼食を発見したのは

 一頭のティラノサウルス・レックス。

 

 そう、”名は体を表す“の通り、

 恐竜族の王者たる巨大肉食竜です。

 

 大きく太ったトカゲを

 がっしがっしと噛み砕いて、呑み下して、

 あ~うまかった、とティラノくん、大満足♫

 

 ……いえ、正確を期すならば、

 満足と言い切るには若干の問題が。

 

「あぐあぐッ、もぐゥ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:不快なのだ~!)

 

 食事後につきものの、

 或る問題。

 

 苛々するティラノくんに

 解決策を提示したのは、

 蟻。

 

「ふァ?」

「がる?」(←訳:あり??)

 

 ええ、蟻はアリです。

 アリンコと呼ばれたりもする、あの蟻です。

 

「……きょうりゅうゥとォ、ありッ?」

「ぐるがるぅ?」(←訳:冗談でしょ?)

 

 冗談のように見える

 ティラノサウルスと蟻たちの出会い。

 

 この邂逅が、全く異なる二つの種族の出会いが、

 白亜紀の地球に”文明”をもたらしました。

 

 異なる立場や考え方を持つものが、

 ひとつの場所で巧みに融合し、

 互いに助け合ってゆけば、

 ごく小さな知性も大きな知力へと

 熱く、逞しく、成長してゆく――

 恐竜たちと蟻たちは

 身体のサイズは違えど手に手を取って、

 大繁栄の時代を築きあげ、て、ゆ……ゆき……?

 

「あうゥ?」

「がるるるぐるるる?」(←訳:なんだか雲行きが?)

 

 サイズが違う二つの種族は、

 はたして、本当に上手くゆくのか。

 亀裂は、どこにも生じないのか。

 恐竜の未来は、蟻の未来は、

 地球上に芽生えた輝かしい文明の行方は。

 

 ユーモラスでコミカルな”事件”から

 ドミノ倒しのように始まる

 恐竜&蟻たちの《もしもの世界》。

 ドラマチックな長編SF作品は、

 SFやファンタジー好きな方々に、

 映画(映像)好きな活字マニアさんにもおすすめです。

 このお話をコマ撮りアニメで観てみたい~!なんて妄想しつつ、

 ぜひ、驚きの白亜紀小旅行を♪

 

 

コメント
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