テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ カタチもコトバも、イノチも超えて ~

2024-02-15 22:05:34 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 じわじわァ~ッとォ、きてるかもッ?」

「がるる!ぐるるがるるる?」(←訳:虎です!枝先がぼんやり?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 急に気温が上がったせいでしょうか、

 近所の早咲きのサクラの樹が、うっすら春色に?

 もうすぐ咲き始めちゃうのかな?とドキドキしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― ツレが『ひと』ではなかった ――

 

 

 著者は川森博司(かわもり・ひろし)さん、

 2023年12月に発行されました。

 『異類婚姻譚案内』と副題が付されています。

 

 昔むか~し……で始まる昔話に、

 たびたび登場するのが、

 『異類婚姻譚』あるいは『異類婚』と呼ばれる物語です。

 

 ツレ――すなわちパートナーが、

 人間……とは、ちょっと、いや、だいぶ違う??

 

「ゆうづるゥ~!」

「ぐるるがる~!」(←訳:美女と野獣~!)

 

 ええ、『異類婚姻譚』を描いた物語には何があるだろうかと

 アタマの中で数えてみれば、

 その多さに驚かされます。

 

 “女房“もしくは“嫁“が『異類』なのは、

 『夕鶴』のベースである『鶴女房』を筆頭に、

 羽衣伝説で名高い『天人女房』、

 浦島太郎さんの『竜宮女房』……

 

 “夫“もしくは“婿“が『異類』なのは、

 ボーモン夫人(フランス)の『美女と野獣』、

 遠野物語の『オシラサマ』、

 などが知られていますね。

 

 この枠内に、著者・川森さんは“新しい物語”も注ぎ入れました。

 

 『崖の上のポニョ』は、

 『異類婚姻譚』!

 だって、ポニョって人魚でしょ?

 

「おおおッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:言われてみれば!)

 

 萩原浩さんの小説『金魚姫』も、

 泉鏡花さんの戯曲『天守物語』と『海神別荘』も、

 小泉八雲さんの『雪女』も、

 それに古典の『竹取物語』も、

 『一寸法師』も、

 み~んな『異類婚』。

 

 まさに御本の題名通り、

 『ツレがひとではなかった』物語は、

 私たちのごく身近な場所に

 今も昔もころんころんと転がっているようです。

 

「えほんでェ、よみきかせッ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:アニメに映画!)

 

 いのちの形の違いをものともせず、

 結ばれた恋人たちの、運命は、その後の日々は。

 

 本文の、

 1章『動物との婚姻』

 2章『異界(異郷)の者との婚姻』

 3章『異形の者との婚姻』

 4章『異類婚姻から見る人間社会』、

 そして

 巻頭の『はじめに』と

 巻末の『おわりに』で

 著者・川森さんが考察する

 『異類婚』の意味、

 世界各地の『異類婚姻譚』の多様なあり方は、

 実に読み応えがありますよ。

 

 モノクロではありますが、

 図版も多数収録されているので、

 民俗学・文化人類学好きな方々、

 アート好きな方々も、

 昔話をこよなく愛する活字マニアさんにも

 激おすすめの一冊です。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

コメント
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