「こんにちわッ、テディちゃでス!
じわじわァ~ッとォ、きてるかもッ?」
「がるる!ぐるるがるるる?」(←訳:虎です!枝先がぼんやり?)
こんにちは、ネーさです。
急に気温が上がったせいでしょうか、
近所の早咲きのサクラの樹が、うっすら春色に?
もうすぐ咲き始めちゃうのかな?とドキドキしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
―― ツレが『ひと』ではなかった ――
著者は川森博司(かわもり・ひろし)さん、
2023年12月に発行されました。
『異類婚姻譚案内』と副題が付されています。
昔むか~し……で始まる昔話に、
たびたび登場するのが、
『異類婚姻譚』あるいは『異類婚』と呼ばれる物語です。
ツレ――すなわちパートナーが、
人間……とは、ちょっと、いや、だいぶ違う??
「ゆうづるゥ~!」
「ぐるるがる~!」(←訳:美女と野獣~!)
ええ、『異類婚姻譚』を描いた物語には何があるだろうかと
アタマの中で数えてみれば、
その多さに驚かされます。
“女房“もしくは“嫁“が『異類』なのは、
『夕鶴』のベースである『鶴女房』を筆頭に、
羽衣伝説で名高い『天人女房』、
浦島太郎さんの『竜宮女房』……
“夫“もしくは“婿“が『異類』なのは、
ボーモン夫人(フランス)の『美女と野獣』、
遠野物語の『オシラサマ』、
などが知られていますね。
この枠内に、著者・川森さんは“新しい物語”も注ぎ入れました。
『崖の上のポニョ』は、
『異類婚姻譚』!
だって、ポニョって人魚でしょ?
「おおおッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:言われてみれば!)
萩原浩さんの小説『金魚姫』も、
泉鏡花さんの戯曲『天守物語』と『海神別荘』も、
小泉八雲さんの『雪女』も、
それに古典の『竹取物語』も、
『一寸法師』も、
み~んな『異類婚』。
まさに御本の題名通り、
『ツレがひとではなかった』物語は、
私たちのごく身近な場所に
今も昔もころんころんと転がっているようです。
「えほんでェ、よみきかせッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:アニメに映画!)
いのちの形の違いをものともせず、
結ばれた恋人たちの、運命は、その後の日々は。
本文の、
1章『動物との婚姻』
2章『異界(異郷)の者との婚姻』
3章『異形の者との婚姻』
4章『異類婚姻から見る人間社会』、
そして
巻頭の『はじめに』と
巻末の『おわりに』で
著者・川森さんが考察する
『異類婚』の意味、
世界各地の『異類婚姻譚』の多様なあり方は、
実に読み応えがありますよ。
モノクロではありますが、
図版も多数収録されているので、
民俗学・文化人類学好きな方々、
アート好きな方々も、
昔話をこよなく愛する活字マニアさんにも
激おすすめの一冊です。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪