テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 黄昏と闇へ、旅の一歩を ~

2024-02-14 22:05:25 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はッぴィ~ばれんたいんッ!」

「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!幸あれ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 バレンタインのために特設されたチョコレート売場も、

 今日2月14日まで……

 ショコラ好きとしては、一年中このままで!と思ったりしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― となりの百怪見聞録 1 ――

 

 

 著者は綿貫芳子(わたぬき・よしこ)さん、

 2023年4月に発行されました。

 『百怪見聞録』は『ひゃっかいけんぶんろく』とお読み下さいね。

 

「……おそろしィ~よかんッ、するのでスゥ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:もしやこれは!)

 

 ふふふ、そうなんです、

 カンのよい方々は《怪》の一字からお解りでしょう、

 この御本は、強いて言うなら、

 “ホラーコミック“ジャンルの作品なんですよ。

 

 とはいえ、

 スプラッタ系ではなく、

 ファンタジー系ホラー寄りなので、安心して、

 いえ、あんまり安心は出来ませんが、

 そ~っと覗いてみることにしましょう。

 

 それは、“或る夜“の出来事から始まりました……

 

「あううううゥ!」

「がるるるぅ!」(←訳:えんがちょ!)

 

 片桐甚八(かたぎり・じんぱち)さんの毎日は、

 “仕事以外の衣食住が判で押したようなルーチン“まみれ。

 

 朝食はいつもトーストとコーヒー。

 コーヒー豆は決まった銘柄しか買わない。

 眼鏡だって、新調しても、いつも同じようなデザイン。

 外食する時も、いつもの店で、いつものメニュー。

 

 そんな彼が、

 いま歩いているのは……

 

 『鬼市(くいし)』。

 

「うぐぐゥ、ここはァ、つまりィ~…」

「ぐる?」(←訳:異界?)

 

 『鬼市』とは、

 オニおよび人ならざるモノ達の露天市。

 

 稀に、ごく普通の人も

 『鬼市』に迷い込むことがある、とされていて、

 どうやら甚八さんも、うっかり『鬼市』に

 足を踏み入れてしまったよう、でしたが……

 

 はッと目を覚ませば、そこは。

 

「あァ~よかッたァでス!」

「がるっるるるる!」(←訳:夢だったんだね!)

 

 安堵しながら、いつもの日常を味わい、

 いつも行く喫茶店でいつもの昼食を注文し、

 いつものように代金を払おうとして、

 甚八さんは気付きます。

 

 財布が、ない。

 

 どこで落とした?

 いつ落とした?

 落としたとするなら、その可能性があるのは……

 

 『鬼市』だ。

 

「ひいいィ!」

「ぐっるがるるぅ?」(←訳:だって夢でしょ?)

 

 夢だけど、夢のはずなんだけど、

 考えれば考えるほど、

 あの場所しかない、と確信するのです。

 

 俺は、『鬼市』に財布を落としてきたんだ――

 

「どッ、どうしまスかッ?」

「がるる?」(←訳:諦める?)

 

 悩める甚八さんの前に現れたのは、

 日本画家の原田織座(はらだ・おりざ)さん。

 

 美術大学の生徒たちに

 “オバケ先生“と呼ばれる織座さんは、

 甚八さんに授けます。

 

 『鬼市』へ行く方法を……。

 

「くわッ」(←気絶)

「ぐるっ」(←こちらも気絶)

 

 はい、ここから先はネタバレ厳禁、

 喋ってはいけない境界線でございます。

 

 はたして、甚八さんの平穏な毎日は守られるのか。

 オバケ先生こと織座さんの胸の内は。

 

 どう見てもモデルは泉鏡花さんでしょ?な織座さん、

 眼鏡を外せば美男?な甚八さん、

 二人が歩む黄昏世界の物語を、

 怪談好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、ともに旅してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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