「こんにちわッ、テディちゃでス!
えええッ? またたびィあじィ??」
「がるる!ぐっるるがるるる?」(←訳:虎です!いったいどんな味?)
こんにちは、ネーさです。
キャンディ専門店『パパブブレ』さんから
猫の日(2月22日)にちなんで発売中の《我が家のねこ》キャンディ、
その《ミックスB》にはマタタビ味のキャンディが……!
マタタビ味って?!?と大混乱に陥りながらも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 日本植物誌 【新版】 ――
著者はフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトさん、
共著者はヨゼフ・ツッカリーニさん、フリードリッヒ・ミクェルさん、
解説は木村陽二郎さん、大場秀章さん、
画像の新版は2023年9月に発行されました。
原題は『FLORA JAPONICA』、
日本の植物を本格的な彩色図譜として
ヨーロッパに最初に紹介したシーボルトさん著『フローラ・ヤポニカ』、
そのダイジェスト版、というべきでしょうか。
「ひょうしはァ~あじさいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:日本の固有種!)
フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトさん(1796~1866)。
鎖国時代の長崎でオランダ商館医の職にあったため、
オランダ人と思われがちですが、
シーボルトさんの国籍はバイエルン王国(現ドイツ)でした。
ヴュルツベルク大学で医学を修めたのち、
町医師として開業するものの、
東洋学研究を志して、
1822年、オランダのハーグへ。
国王ウィレム一世の側近から斡旋を受けたシーボルトさんは、
オランダ領東インド陸軍病院の外科少佐の地位を得、
1823年の8月に来日、
長崎・出島のオランダ商館医となりました。
1828年に日本を出国し、
1830年にオランダに戻ったシーボルトさん、
3年後には再び日本へ、と考えていたようですが……
「だいじけんッ、なのでスゥ!」
「がるぐる~!」(←訳:国外追放~!)
1823年の日本出国時、
先発した船が難破し、積み荷の多数が流出しました。
荷の幾つかは日本の浜辺に漂着、
しかし、
その荷の中から禁制の地図が発見されたことから、
大問題になってしまったんです。
幕府の役人十数名が処罰され、
シーボルトさんは国外追放と再渡航禁止――
いわゆる『シーボルト事件』ですね。
「まるでェ、すぱいィじけんッ!」
「ぐるがるるぐるるる?」(←訳:いやスパイそのもの?)
本職がスパイであったか否かはともかく、
シーボルトさんは、膨大な“日本の文物コレクション”を
欧州に持ち帰りました。
その数は、植物関連だけでも、
植物2000種、植物標本12000種と言われていますから、
船倉は文字通り超々満杯状態だったことでしょう。
「つめこみィすぎィ!」
「がるるぐるるがるるぅ?」(←訳:それが難破の原因じゃ?)
1831年にオランダ政府から叙勲、
翌1832年にはバイエルン王国からも騎士十字章を贈られ、
《日本学》の祖となったシーボルトさんは、
日本に関する書物を次々と刊行してゆきました。
この新版『フローラ・ヤポニカ』には、
カラー図版151点と
最新の研究成果に基づく解説が収録されています。
ウメ、ユリ、ヤマボウシ、ツワブキ、
ツバキ、サザンカ、カラマツ……
19世紀の日本を彩った美しい花木たち。
植物図譜&植物画好きな方々はもちろん、
解説文章も読み応えがありますので、
江戸~幕末の歴史が好きな活字マニアさんにも
おすすめですよ。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪