テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 幕末のフローラたち ~

2024-02-13 22:05:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 えええッ? またたびィあじィ??」

「がるる!ぐっるるがるるる?」(←訳:虎です!いったいどんな味?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 キャンディ専門店『パパブブレ』さんから

 猫の日(2月22日)にちなんで発売中の《我が家のねこ》キャンディ、

 その《ミックスB》にはマタタビ味のキャンディが……!

 マタタビ味って?!?と大混乱に陥りながらも、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 日本植物誌 【新版】 ――

 

 

 著者はフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトさん、

 共著者はヨゼフ・ツッカリーニさん、フリードリッヒ・ミクェルさん、

 解説は木村陽二郎さん、大場秀章さん、

 画像の新版は2023年9月に発行されました。

 

 原題は『FLORA JAPONICA』、

 日本の植物を本格的な彩色図譜として

 ヨーロッパに最初に紹介したシーボルトさん著『フローラ・ヤポニカ』、

 そのダイジェスト版、というべきでしょうか。

 

「ひょうしはァ~あじさいィ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:日本の固有種!)

 

 フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトさん(1796~1866)。

 鎖国時代の長崎でオランダ商館医の職にあったため、

 オランダ人と思われがちですが、

 シーボルトさんの国籍はバイエルン王国(現ドイツ)でした。

 

 ヴュルツベルク大学で医学を修めたのち、

 町医師として開業するものの、

 東洋学研究を志して、

 1822年、オランダのハーグへ。

 

 国王ウィレム一世の側近から斡旋を受けたシーボルトさんは、

 オランダ領東インド陸軍病院の外科少佐の地位を得、

 1823年の8月に来日、

 長崎・出島のオランダ商館医となりました。

 

 1828年に日本を出国し、

 1830年にオランダに戻ったシーボルトさん、

 3年後には再び日本へ、と考えていたようですが……

 

「だいじけんッ、なのでスゥ!」

「がるぐる~!」(←訳:国外追放~!)

 

 1823年の日本出国時、

 先発した船が難破し、積み荷の多数が流出しました。

 荷の幾つかは日本の浜辺に漂着、

 しかし、

 その荷の中から禁制の地図が発見されたことから、

 大問題になってしまったんです。

 

 幕府の役人十数名が処罰され、

 シーボルトさんは国外追放と再渡航禁止――

 いわゆる『シーボルト事件』ですね。

 

「まるでェ、すぱいィじけんッ!」

「ぐるがるるぐるるる?」(←訳:いやスパイそのもの?)

 

 本職がスパイであったか否かはともかく、

 シーボルトさんは、膨大な“日本の文物コレクション”を

 欧州に持ち帰りました。

 

 その数は、植物関連だけでも、

 植物2000種、植物標本12000種と言われていますから、

 船倉は文字通り超々満杯状態だったことでしょう。

 

「つめこみィすぎィ!」

「がるるぐるるがるるぅ?」(←訳:それが難破の原因じゃ?)

 

 1831年にオランダ政府から叙勲、

 翌1832年にはバイエルン王国からも騎士十字章を贈られ、

 《日本学》の祖となったシーボルトさんは、

 日本に関する書物を次々と刊行してゆきました。

 

 この新版『フローラ・ヤポニカ』には、

 カラー図版151点と

 最新の研究成果に基づく解説が収録されています。

 

 ウメ、ユリ、ヤマボウシ、ツワブキ、

 ツバキ、サザンカ、カラマツ……

 19世紀の日本を彩った美しい花木たち。

 

 植物図譜&植物画好きな方々はもちろん、

 解説文章も読み応えがありますので、

 江戸~幕末の歴史が好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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