テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お江戸の《和本》見本帳 ~

2024-02-06 22:05:19 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あううゥ~いたたたたッ!」

「がるる!ぐるるるがるる~…」(←訳:虎です!クタクタだよう~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ちょっと雪かきをしただけなのに、

 身体のあちこちがミシミシいっておりますよ。

 大雪はもうイヤだ~とボヤきながら、さあ、読書タイムです。

 本日は、こちらの“本の本”を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 和本図譜 ――

 

 

 編者は日本近世文学会の皆さん、2023年10月に発行されました。

 『江戸を究める』と副題が付されています。

 

 2021年に設立70周年を迎えた日本近世文学会さんが

 節目の年を記念して造り上げたのは、

 “江戸時代を知る“ための最良のツール――

 《和本》をテーマとする

 カラフルな図譜ですよ。

 

「むむゥ! とッてもォ、びじゅあるゥ~!」

「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:印刷技術が素晴らしい!)

 

 《和本(わほん)》

 もしくは《和装本(わそうぼん)》とは、

 日本の伝統的な製本方法によって製作された書籍のことです。

 

 書物が、権力者、宗教者や学者さん等

 “特権階級“と“知識人“だけでなく、

 一般市民の手元にも広まっていったのは、

 識字率がぐ~んと高まった江戸時代、でしょうか。

 

 この御本で取り上げられている江戸時代の《和本》は、

 本当にバラエティーに富んでいて、

 書物が“特別な人びと“のものではなくなった事実が

 ひしひしと伝わってきます。

 

「うらないィ!」

「がるるる!」(←訳:御伽草子!)

「でざいんッ!」

「ぐるがる!」(←訳:影絵遊び!)

 

 『日本書紀』『源氏物語』

 といった古典作品もあれば、

 山東京伝さんは読本(よみほん)でホラーを語ったり、

 一種の仕掛け絵本を作ったり。

 

 細密な図解を添えた『菊の育て方』のようなハウツーものや、

 街道を旅する人なら必携の『名所ガイド』。

 あの『解体新書』だって、

 《和本》なんです。

 

「うわあァ、こッちのもォ、かッこいいィ!」

「がるるるぐるるる~!」(←訳:なんという色彩!)

 

 本文100~101ページで紹介されているのは、

 動植物図鑑の挿絵の数々……!

 たった2ページ分なんですけれど、

 鳥たちに、鯉、巻貝、雪輪模様、花、と

 細密なカラー図版にはうっとりしてしまいます。

 

 106~107ページには、

 鈴木晴信さんの浮世絵美人さんも掲載されていて、

 こちらも良いですねえ♫

 歌麿さんとは別タイプの美女さんだわ。

 

「たいせつにィ~しなくちゃッ!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:未来への文化遺産!)

 

 本文は、

 前半部分の

 第一部『ビブリオグラフ和本』と

 後半の

 第二部『研究のバックヤード』

 に分かれています。

 眺めて楽しむ第一部とは対照的な第二部は、

 解説&論文がずらりと並んでいますよ。

 

 巻末には『用語集』も用意されている

 図譜満載の《和本》案内本は、

 江戸美術好きな活字マニアさんにおすすめです。

 書店さんのアート本コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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