「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぱふゥ! ほこりィ、ようちゅういィでス!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!蜂蜜が効くよ!)
こんにちは、ネーさです。
降った雪が溶けたあとは、道路が砂埃だらけ……。
外出から家に戻ったら、手をよく洗って、口をすすいで、
トローチやのど飴で防御しながら、さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― 女ことばってなんなのかしら? ――
著者は平野卿子(ひらの・きょうこ)さん、
2023年5月に発行されました。
『《性別の美学》の日本語』と副題が付されています。
《女ことば》――
著者・平野さんは例として、
題名にあるような『~かしら?』や、
『~だわ』『~のよ』『~わよ』等の
特有の終助詞を挙げています。
さらに、
◆『うるせえ』『知らねえ』など訛った母音を使わない。
◆卑語や罵倒語を使わない。
◆『お砂糖』『お花』など接頭辞『お』を付ける。
◆感動詞は『まあ』『あら』など。
◆敬語をよく使う。
これらの《女ことば》は、
明治時代以降に作られたものであって、
日本の伝統的な言葉遣いではありません。
「ふァ? あたらしいィことばァ、なのでスかッ?」
「ぐっるるがるるるぐる……!」(←訳:てっきり古いものだと……!)
ええ、私ネーさもハッとさせられつつ、思い出しましたよ。
泉鏡花さんの短編『外科室』、
あの作品の中での、華族の御婦人方の話し言葉は、
現代の《女ことば》とは異なっていたことを。
「うむゥ! そういえばァ~」
「がるるっる!」(←訳:そうだった!)
《女ことば》とは、いったい“どういうもの”なのか。
なぜ、《女ことば》は作られたのか。
平野さんは、
第一章『女ことばは《性別の美学》の申し子』
第二章『人称と性』
第三章『日本語ってどんなことば?』
第四章『西洋語の場合』
第五章『日本語にちりばめられた性差別』
第六章『女を縛る魔法のことば』
第七章『女ことばは生き残るか』
と、7つの章に分けて、
《女ことば》の誕生から
待ち受ける未来までを解説・予測してゆきます。
「がいこくにもォ~あるのでスかッ?」
「ぐるがるぅ~…」(←訳:複雑だなぁ~…)
西洋における言葉の性差として
本文98~104ページで紹介されているのは、
アメリカ、ドイツでの話し方の例です。
これがまた、日本とよく似ていて。
それに、私ネーさの個人的な感想ではありますが、
西洋の言語では名詞や感嘆詞に
《女性形》《男性形》がある、んですよね。
たとえば、イタリア語の
『ブラボー!』というのは、男性(単数)への誉め言葉。
それが、女性(単数)の場合は、
『ブラヴァ!』になります。
つまり、相手が女性か男性かで、
会話に用いる単語があちこち変わってくる。
会話の最中は、
相手の性別を常に意識しなければならない……
「はわわァ~…せいようもォ、にほんもォ」
「がるるるぐるぅ~」(←訳:タイヘンだなぁ~)
《女ことば》は、洋の東西にかかわらず、
今後は滅びてゆくのか。
それとも続いてゆくのか。
言葉の歴史、地域の歴史、
ヒトの歴史までも深く考察させられる一冊は、
歴史好きな活字マニアさんに、
ノンフィクション好きな方々にもおすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪