「こんにちわッ、テディちゃでス!
ううゥ、ふたたびのォ~まふゆゥ、なのでス!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!寒いし暗いし!)
こんにちは、ネーさです。
春物のお洋服の準備をするまでもなく、
真冬の寒さが戻って来てしまいました……
お日さまも姿を隠したままで、暗~い気分のこんな日の読書タイムは、
ふふふ、さあ、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪
―― となりの百怪見聞録 巻ノニ ――
著者は綿貫芳子(わたぬき・よしこ)さん、
2023年9月に発行されました。
先日ご紹介しました『となりの百怪見聞録』の、
こちらは第2巻でございます。
「でッ、でましたでスよゥ~…!」
「ぐるがる!」(←訳:怖いヤツ!)
センス抜群のブックデザイナーとして名を馳せる
片桐甚八(かたぎり・じんぱち)さんは、
ごくフツーの人でした。
或る日、鬼市(クイシ)に迷い込むまでは。
そこは、ヒトの世の理(ことわり)が通じない
オニたちの市。
ヒトならざるモノ達の露天市。
甚八さんはといえば、
そんなことなど全く知らない訳で、
何が何だか分からぬうちに、
いつの間にか鬼市から抜け出てきちゃったんですけど。
ふっと、気付きました。
財布がない。
落とした。落としてきちまった。
あの市に。
取りに戻らねえと。
「あきらめようゥよゥ~!」
「がるるるるぐるっるる!」(←訳:諦めた方がいいってば!)
”オバケ先生”と仇名される
日本画家・原田織座(はらだ・おりざ)さんの知恵を借り、
鬼市へ再度の潜入を試みた甚八さん、
お財布を取り戻し、
やっとの思いで現世に戻ってきて、
あ~良かった、良かった……
いや、ちっとも良くな~い!
「おッ、おきるんでスゥ~!」
「ぐるるるる!」(←訳:いろいろと!)
そう、再度あちらへ――鬼市へ行ったためでしょうか、
甚八さん、なってしまったんです。
《視える》ひとに。
ヒトには視えないモノが、視える。
起こるはずのないことが起こる。
いるはずのないモノも、
くっきりはっきり視えてしまう――
たとえば、
都心の賑やかな幹線道路の、
歩道に沿って設置された自動販売機に、
人面の巨大な蛇が巻きついている、なんていうことも、
甚八さんには視えてしまうんです。
「じどうはんばいきィにィ~?」
「がるぐる??」(←訳:人面大蛇??)
人面の大蛇の、正体は?
いや、そうじゃない、
アイツから無事に逃げる方法はあるのか?
誰か、助けて~!
「ひゃあッ、こッちにィこないでェ~!」
「ぐるるる~!」(←訳:怖過ぎる~!)
1巻以上に、
《怪》なる世界へ踏み込んでゆく甚八さんと、オバケ先生。
特に、巻末近くに収録されている
『まよひが異聞譚』の読後感は格別です。
ホラーコミック好きな方々だけではなく、
SFやミステリ好きな活字マニアさんも、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪