テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

紺碧世界の美。

2009-07-09 22:16:41 | ブックス
「……テディちゃ、これ、なんてよむんだァ?
 ぱすい、かな?」
「わきゃんないよゥ、ユキノジョー。
 ぱすいィでェ、いいんじゃないィ?」

 ……違いますっ、ぱ、じゃありませんっ!!(←怒!)

「あッ、ネーさ! ぱ、じゃないィのォ?」
「ぱ、じゃなきゃ、なんなんだー?」

 は、ですっ!
 さあ、御紹介いたしますから、謹聴なさいね。
 あらためまして、こちらを、どうぞ~!


 
            ―― 川瀬巴水 木版画集 ――



 著者は川瀬巴水(かわせ・はすい)さん、’09年5月に発行されました。
 『Kawase Hasui Woodblock Prints』と
 英題が付されています。
 
 何はともあれ、めでたいわ!
 テディちゃ、ユキノジョー、拍手を!

「はくしゅゥ?
 えェ~とォ、ぱちぱちぱちィ~」
「なんだかわかんないけど、ぱちぱちぱち~」

 実はこの、川瀬さんの画集が発行されたこと、
 しかも《日本語版》!が発行されたということは
 画期的な出来事なんです。

 1883年(明治16年)東京市に生まれた巴水さん、
 大正から昭和にかけて
 《新版画》と呼称される多色刷木版画を制作し、
 日本の美しい風景を画の中に写し取った版画家さんでした。
 近年、急速に再評価が進んでおりますが、
 悲しいことに長い間、
 半ば忘れられたアーティストさんだったのです……

「えェ~? こんなにィ、きれいィなのにィ?」
「だよなっ?」

 川瀬巴水さんの画に賛嘆を惜しまなかったのは、
 日本人ではなく、
 外国のひとびと。
 ですから、
 巴水さんの版画集が欲しい!と思い立っても、
 日本国内で出版された画集は……え? ない?
 たまに開催される展覧会の図録がある、という程度で、
 専門的な、優れた印刷による画集は
 流通していませんでした。

 巴水さんの画集を入手したかったら……洋書屋さんへ!
 アムステルダムで発行されている御本が
 唯一の画集である――そんな状況だったのです。

「ふむふむッ!
 でもォ、ここでやッとォ!」
「にほんごばんが、でたんだな!」

 はい、その通り!
 日本語の作品解説、略年譜、
 作品リスト、巴水さんの随筆も併載された御本が
 完成したんです!
 まことに、めでたい~!

「ぱちぱちぱちィ!」
「よっ! にっぽんいち~っ!」

 川瀬巴水さんの版画の特徴は、
 なんといっても、ブルーの絶妙な美しさ。
 本物の版画にはなかなかお目にかかれませんから、
 この御本でぜひ、巴水さんのブルーに触れてみてください。
 一度見たら、もう絶対に忘れられなくなります!

「ふァいッ! おなまえェもォ、おぼえたでスゥ!」
「ぱ、じゃなくてェ、は!」
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