テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 水彩の、うるわしきみどり ―

2015-03-21 21:31:26 | ミュゼ
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 すみれがァ~さいたどォ~♪」
「がるる!ぐるるるがっるる!」(←訳:虎です!サクラもふっくら!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日のウグイスくんに続き、今日はスミレの花がポン!
 近所の早咲き品種のサクラも一分咲きに!
 春って忙しいのね~と感心しちゃう本日は、
 読書をおサボリして激おすすめの展覧会情報ですよ~♪

  



           ―― 御所の花 安野光雅 展 ――



 神奈川県横浜市の そごう美術館にて、
 会期は2015年3月28日~4月19日(会期中は無休)、
 『両陛下のお庭を彩る四季の草花を描く』と
 副題が付されています。

「わほゥ♪ おはなァでスねッ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:原画だぁ!)

  

 以前に御紹介いたしました安野さんの画集『御所の花』(2013年7月刊)――
 御本に掲載された草花の画の原画が
 このたび、展覧会で公開されることになりました♪

 ↑上の画像は……

「はすのォおはなッ!」
「がるるぅるぐる!」(←訳:サンシュユです!)

 ↓そして、下の画像は……

  

「やまぼうしィ!」
「ぐるぅる!」(←訳:キキョウ!)

 ちなみに、チラシ(フライヤー)表面のお花は、
 イチリンソウを描いたものですよ。

 2011年1月から翌年4月にかけて
 一般には非公開の御所のお庭を写生した安野さん。

 この展覧会では、
 御所に咲く四季おりおりの草花を題材とした
 130点の水彩画が展示されます。

  

「まえすとろォ、あんのさんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:水彩の魔術師!)

 そごう美術館は、横浜駅東口の、そごう横浜店6階にあります。
 会期はちょうど春休みに重なっていますね。
 社会人さんも学生さんもチビっ子ちゃんたちも
 貴重な安野さんの原画を観賞する機会ですから、ぜひ~!





   さて、サクラにも水彩の花にもワクワク♪な週末のオマケ画像は。
   
   『日本橋菓房』さんの
   《ポンジュースもち》!
   「わほゥ! これはァ~…!」
   「ぐるる!」(←訳:極美味!)
   やわらかなおモチの中には
   マシュマロの層と
   ポンジュースのゼリーが♪
   オレンジジュースが苦手な私ネーさも思わず
   おいし~い!と叫びました。
   ぷにぷに食感が好きな御方は必食です!

   では、季節の変わり目に風邪など引かぬよう努めつつ、
   皆さま、穏やかな休日を♪




   
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ただよう《キモチ》、お預かりします。

2015-03-20 21:45:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでースゥ!
 おおおォ~♪ ついにィ♪♪」
「がるる!ぐるるるるっ!」(←訳:虎です!聴きましたっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ようやく!今日20日の朝、拝聴いたしましたよ、
 2015年初のウグイスくんのお声を!
 春ね~♪春なんだわ~♪♪と実感しながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  



              ―― 漂流郵便局 ――



 著者は久保田沙耶(くぼた・さや)さん、2015年2月に発行されました。
 『届け先のわからない手紙、預かります』と日本語副題が、
 『MISSING POST OFFICE』と英語題名が付されています。

「ゆうびんきょくがァ、ひょうりゅうゥ~???」
「ぐるるぅるがるるぅ?」(←訳:迷子ちゃんですかぁ?)

 小説などのフィクション作品ではなく、
 一般的なノンフィクションともちょっと違っているこの御本を、
 ええと、どう御紹介すべきでしょうか。

 強いて言うなら……
 ドキュメンタリー系アート本?

「ふァ? ゆうびんあーとォ???」
「がるがるぐるるるる!」(←訳:ますます分からない!)

 瀬戸内海に浮かぶ幾つかの島々が
 アートによる地域振興を行っていることは、
 関西圏のみならず、日本全国、
 最近では海外にも知られていますね。

 粟島(あわしま)も、
 そのような島のひとつです。

 2013年に開催された瀬戸内国際芸術祭に参加すべく、
 著者の久保田さんは
 香川県三豊(みとよ)市の粟島を作品のリサーチのために訪れ、
 出会ってしまったのです。

 波打ち際に打ち寄せられた、
 たくさんの漂流物、
 そして、

 旧粟島郵便局と。

「かいがらにィ、ぺッとぼとるゥ!」
「ぐるるがーるるぐるる!」(←訳:ゴルフボールに硝子玉!)

 物も、人も――久保田さん御自身も
 流れ着いてしまったかのような、
 海と島の一隅。

 『漂流郵便局』という言葉を思い浮かべた久保田さんの手によって、
 さまざまな漂流物と、
 役目を終えて眠りについていた郵便局の建物が結びついたのは
 ごく自然なことだったのかもしれません。

「ふしぎなァ、ゆうびんきょくのォ~!」
「がるぐる!」(←訳:誕生だよ!)

 芸術祭で発表された『漂流郵便局』は
 “期間限定の作品”にはなりませんでした。

 いったい何がきっかけだったのか……
 多くのハガキが届くようになったのです。

「だれからァ?」
「ぐるる?」(←訳:どこへ?)

 誰かにこの想いを聞いてもらいたい、
 秘めたこころの内をいま明かしたい、と
 ペンを握った人が大勢いたのです。

 返事はなくてもいい、
 それでもいいから、ただ書きたい、
 手紙を書きたい――

 そうして、
 『漂流郵便局』内の《漂流私書箱》には
 宛先不明な、
 けれど決して廃棄されることのないたくさんの手紙が
 現在もなお、届けられ続けているといいます。

「あてさきふめいィのォ、てがみィ……」
「がっるぐるるがるぐるる!」(←訳:きっと大事な手紙なんだ!)

 この御本には、
 『漂流郵便局』に配達されたハガキの一部、
 『漂流郵便局』局員さんのお仕事、
 展示されている漂流物などが紹介されています。

 詩歌のような、
 溜め息のような、
 見果てぬ約束のような、ハガキの言葉たち。
 そして、海が送ってよこしたシグナルたち。

「がらすのォかけらがァ、きれいィでス!」
「ぐるるがるがる!」(←訳:小石や貝殻もね!)

 TVでも取り上げられたことがある『漂流郵便局』を
 もうよく知ってるわ!という方々も、
 あらためて、
 その成り立ちを読んでみてくださいね。
 特に、アート好きさんにおすすめです~♪




 
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観るひと、ここにあり。

2015-03-19 21:40:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ざんねんだけどォ、おめでとうゥ~なのでス!」
「がるる!ぐるるるるがるるるる!」(←訳:虎です!残念なのはドルトムント!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! おめでとうなのはユヴェントス!
 祝!CL8強&準々決勝進出!
 おかげで今日は一日気分よく過ごせましたわ♪
 さあ、その勢いに便乗して、
 本日も読書タイムを、どうぞ~!

  



           ―― 志賀直哉、映画に行く ――



 著者は貴田庄(きだ・しょう)さん、2015年2月に発行されました。
 『エジソンから小津安二郎まで見た男』と副題が付されています。

「えいがァまにあァ、ここにィありッ!」
「ぐるがるぐるるるる!」(←訳:文豪さんなんだけど!)

 志賀直哉さん(1883~1971)さんは、
 『暗夜行路』『城の崎にて』
 『小僧の神様』などを代表作とする小説家さんです。
 明治から昭和にかけて活躍し、
 当時の日本文壇に大きな影響を与えた作家さんでなのですが、
 あまり知られていないことに……

 志賀さん、
 ちょっとした映画マニアさんだったのでした。

「えいがかんにィ、かよいィましたッ!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:試写会にも行きます!)

 映画、といっても
 現代のそれと同一に考えるのは早計でしょうか。

 明治の時代、
 それは活動写真と呼ばれていました。

 白黒の粗い映像に、
 弁士さんがセリフをあて、
 音楽ももちろん楽団がライブ演奏――が、普通だったのです。

 そうして後代、
 “トーキー”の時代へ。

「えいぞうがァ、しゃべるゥ!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:音が出るぅ!)

 歴史の大転換点を、
 映画を愛する文豪さんはどう感じたのか。
 いえ、その前に、
 映画というものの何が、
 志賀さんを惹きつけたのか。

 著者・貴田さんは
 志賀さんの映画愛に
 《観客の映画史》を読み取ります。
 映画をこよなく愛した、
 ひとりの観者の素顔……。

「すきなァ、えいがすたーはァ~…」
「がぅーるるっるぐる?」(←訳:ディートリッヒさん?)

 マルレーネ・ディートリッヒさんが、
 ダニエル・ダリューさんが、
 志賀さんの御贔屓(ごひいき)。
 日本人では、高峰秀子さんが好き?

 好き、ということでは、
 志賀さんの興味は多方面にわたりました。
 洋画、お芝居、バレエ、
 ヴァイオリン、オペラ……

 フリッツ・クライスラーさんのヴァイオリン演奏を、
 オペラ歌手フェオドール・シャリアピンの公演へも
 志賀さんは足を運びます。
 それも、何度も!

「げいじゅつゥまにあッ?」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:エンタメマニアだ!)

 かくも“創作”への造詣深かった志賀さんですが、
 う~ん、どうしましょう……
 『暗夜行路』の映画化が決定しました。

「ひゃわッ! えいがかァ?」
「がるるぐるるがるる?」(←訳:自分の作品が映画に?)

 魂をこめて書き上げた小説が
 映像になる――映画になる。

 完成した映画を観て、
 志賀さんは何を思ったのか。

「ひとりのォ、えいがまにあァとしてェ~…」
「ぐるる~…」(←訳:心境は~…)

 創作者、
 観客、
 原作者。
 その非情にして切ないトライアングル。

 志賀さんの日記と、
 明治~昭和にかけての
 膨大な資料を読み解いたこの御本は、ええ、もう、
 今年度のノンフィクションベストに推したい力作です!
 映画好きさんも文学好きさんも
 ぜひ一読を~♪


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博物館でサクラめぐり♪

2015-03-18 21:38:05 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さくらもちィ♪」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!花見団子!)

 こんにちは、ネーさです。
 サクラの開花予想が報道され始めましたね~♪
 ならば!読書をサボッての本日の展覧会情報も、
 サクラの名所をば目指しましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 博物館でお花見を ――



 東京・上野の東京国立博物館にて、
 会期は2015年3月17日~4月12日(月曜休館、ただし3/23と3/30は特別開館)、
 『Cherry Blossom Viewing at the Tokyo National Museum』と
 英語題名が付されています。

「さくらだァ~♪♪」
「ぐるるる~♪」(←訳:お花見だ~♪)

  

 東京国立博物館・春の恒例企画は、
 サクラの大特集!

 本館展示室には絵画・工芸など名品の桜、
 博物館の庭園には10種類以上のサクラが咲きに咲きますよ♪♪

  

「おッ? これはァ?」
「がるるる??」(←訳:スタンプ??)

 『博物館でお花見を』期間中、
 博物館本館展示室の5つのポイントで
 スタンプを押せば……

 はい!《さくらスタンプラリー》ミッション完了!
 スタンプ5つが揃ったら、
 オリジナル缶バッジが貰えちゃうのです。

「おとなもォ、こどももォ~」
「ぐぅるるるがるる!」(←訳:チャレンジすべし!) 

  

 庭園のどのあたりに
 どんな種類のサクラがあるのかは、
 チラシ(フライヤー)の裏面に掲載されています。

 シダレザクラ(エドヒガン)、
 ヤエベニヒガン、
 オオシマザクラ、ロトウザクラ、
 ヤマザクラ、キクモモ、
 ミカドヨシノ、ケンロクエンキクザクラ、
 ヨシノザクラ、ギョイコウザクラ……

「ふわわァ、いッぱいィ~さきまスねッ!」
「がるぐる!」(←訳:豪華競演!)

 音楽会、句会、
 ボランティアさんによるガイドツアーも
 催行されるそうです。
 詳細は博物館HPで!

 なお、『博物館でお花見を』企画の対象エリアは、
 博物館の本館と庭園です。
 平成館など、特別企画展への入館は別料金になりますので、
 御注意ください。

「てんきのォ、よいィひにィ~♪」
「ぐるるるがるる!」(←訳:お出掛けしてね!)





   ではここで、ホワイトデーの収穫御紹介オマケ画像第2弾!
   
   八王子のパティスリー『ペールノエル』さんでは
   こ~んな楽しいショコラ菓子を作っておられます。
   
   《めで鯛》!!
   
   「くひゃひゃッ♪」
   「がるるっ♪」
   鯛の型のモナカに
   ライスパフ入りのチョコレートは
   招福全開のビジュアルで、おすすめです!




   
  
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高く、高く、見仰ぐほどに。

2015-03-17 21:33:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きぶんはァ、あいすくりーむゥ!」
「がるる!ぐるるるーる!」(←訳:虎です!フラペチーノ!)

 こんにちは、ネーさです。
 春?春よね?春だわ!って浮かれてしまう陽気の今日は、
 読書タイムも上へ上へと登ってゆく御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  



            ―― 高層建築物の世界史 ――



 著者は大澤昭彦(おおさわ・あきひこ)さん、2015年2月に発行されました。
 前回記事で御紹介しましたのは、
 幽霊が出る/出そうな物件集?でしたが、
 今回は、高層物件案内集です!

「こうそうびるゥ~でスかッ??」
「ぐるがるるぅる?」(←訳:高層マンション?)

 高層建築、という言葉からは、
 NYやシカゴの摩天楼、
 ドバイや上海の超高層タワーマンションなどを
 連想してしまいます。

 けれど、この御本の目次を目にした時点で、
 そんなカンチガイは霧消しますよ。

 第一章で取り上げられているのは、
 古代メソポタミアのジッグラト、
 古代エジプトのピラミッドやオベリスク、
 ローマやアレクサンドリアの高層建築――

「あはァ! そうかァ!」
「がるるっるる!」(←訳:ピラミッドも!)
「こうそうゥけんちくゥ!」

 紀元前5000年頃、
 メソポタミアで始まった“定住”と、
 それに伴う“都市文明”の発展が
 高層建築物を生み出しました。

 エジプト観光のハイライトである、
 クフ王のピラミッドは、
 底辺230メートル、
 高さは146.6メートル!
 (現在の高さは138.75メートル)

 軽く百m超となれば、もう立派な超々高層物件でしょう♪

「ふァ~、たかいィ~…!」
「ぐるるるぅる!」(←訳:見上げちゃう!)

 見仰げば、首が悲鳴をあげそうな高層建築。

 紀元前の昔から、なんでまた、
 人間は高層建築を造ってきたのでしょう?

 流行も発想も
 実際に建ててしまう熱意も、
 ずっとずっと続いています。

「ちゅうせいィもォ、きんだいィもォ~」
「がるる!」(←訳:現代も!)

 日本だって例外じゃありません。
 出雲大社は、かつて、
 十六丈(約48.5メートル)高の威容を誇りました。
 奈良の大官大寺には九重塔がありました
 (高さ約91メートル!と推定されています)。

 洋の東西、今昔を問わず、
 なぜ、高層建築(タワー)なのか。
 なぜ、人間はひたすらに高い場所を目指すのか……?

「ほんのうゥ、かなァ?」
「ぐるがる?」(←訳:煩悩かな?)

 ヒトの想像力は
 さまざまな《不思議》を実現させます。

 幽霊が忍び歩く、石の館。
 あるいは、
 ガラスと鋼鉄の、バベルの塔。

 どちらも、ヒトの手になる建築物。
 今後、何百年経とうと、
 なくなりそうもないもの。

「このよにィ、にんげんがァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:生きてる限り!)

 非常に真面目な学術的な御本と
 幽霊屋敷の御本を同列に論じるなんてあんまりだ!と、
 お叱りを受けるかもしれません。
 けれど、対比すれば、
 より深く考えさせられます。

    ひとは、何をつくってきたのか――

 活字マニアの皆さま、
 二作品併せて、ぜひ一読を!



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“怖い!”が、いっぱい?

2015-03-16 21:44:22 | ブックス
「こッ、ここんにちわッ、テディちゃでス!
 ひょうしがァ、もうゥ、こわいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるるるー!」(←訳:虎です!ホンモノだー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ……貴方は“見た”ことがありますか?
 “聴いた”は、ありますか?
 本日の読書タイムは、そう訊ねたくなっちゃうノンフィクション本を、
 さあ、どうぞ~♪

  



              ―― 英国の幽霊伝説 ――



 著者はシャーン・エヴァンズさん、原著は2006年に、
 画像の日本語版は2015年1月に発行されました。
 英語原題は『GHOSTS : Mesterious Tales from the National Trust』、
 『ナショナル・トラストの建物と怪奇現象』と日本語副題が付されています。

「……あうううゥ~、みるからにィ~…」
「ぐるがる!」(←訳:危険です!)

 英国ナショナルトラストの活動は、
 活字マニアの皆さまも御存知ですよね。

 歴史的建築物の保護を目的にして設立された
 ボランティア団体――
 正式な名称は
 『歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト』。

 初期のボランティア活動家のメンバーには、
 あのビアトリクス・ポターさんがいたことも知られています。

「ふァ、ふァいィ~…」
「がるるぅ~…」(←訳:ですねぇ~…)

 現在、ナショナルトラスト運動は
 日本を含む英国以外の国にも広まっていますが、
 やはり、最も活動が盛況、というか、
 地に根ざしているのはイングランドでしょうか。

 二万を超える歴史的建造物、
 1120㎞に及ぶ海岸線、
 25万ヘクタール近くの田園、森林、浜辺、山々、原野などを
 ナショナルトラストが管理していて、
 となると、当然そこにはひとつふたつ、
 いえ、みっつよっつどころか、
 何十何百もの物件に……

「でッ、でででッ」
「ぐるるるー!」(←訳:出るんだー!)

 出ます。

 或いは、出る!と信じられています。

 この御本で紹介されているのは、
 聞きとり調査をした数百人の証言をもとに、
 著者エヴァンズさんが精選したイングランド、ウェールズ、北アイルランドの
 《妖しい》物件72ヶ所。

「なッ、ななじゅゥにッ!」
「がるるるぐるるる?」(←訳:そんなにたくさん?)

 ええ、そんなに沢山の場所で、出るんです。
 世界的に有名な場所も、ありますよ。

 ウィンストン・チャーチルさんの住居であった
 チャートウェル。

 シェイクスピアさんがその中庭で演劇を上演したという
 古いパブ、ジョージ・イン。

 大観光地にもなっている、
 巨石群、ストーンヘンジ。

 園芸家さんに愛される名庭園、
 ストウ・ランドスケープ・ガーデンズ。

 観光旅行の定番コースに入っているお城、
 映画やドラマの撮影によく使われている豪邸で、
 訪問者をおののかせる不思議な泣き声、
 夜中の足音、
 壁を通り抜ける灰色の影、
 窓に映る昔の衣装の女性……。

「あわわわわわゥ~!」
「ぐるるがる~!」(←訳:リアル過ぎ~!)

 文章に添えられたモノトーンの写真が、
 いえ、モノトーン加工されたお写真が
 (おそらく元の写真は殆どがカラーなのでしょうけど)、
 “出る”雰囲気をいっそう高めます。

 それとも、雰囲気だけではないのでしょうか?
 ここには、写真に写らない何かがいる……?

「…………」(←気絶)
「…………」(←気絶)

 ここ日本にいても、
 ミシミシと廊下の床板や壁の羽目板が
 奇怪な物音を立てるのが聞こえてきそうな、
 本場?英国の、
 当たり前のように語られる幽霊伝説の数々。

 怖いモノ見たさで、皆さま、ぜひトライを!




 
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書類の山に……ヒントあり?

2015-03-15 21:31:26 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なんとなくゥ~しんきんかんッ?」
「がるる!ぐるるるるるる!」(←訳:虎です!見過ごせないね!)

 こんにちは、ネーさです。
 さあ、本日の読書タイムには
 私たち活字マニアが親近感を覚えてしまうような
 変種?キャラさんが登場するミステリ作品を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~♪

  



             ―― 警視庁文書捜査官 ――



 著者は麻見和史(あさみ・かずし)さん、2015年1月に発行されました。
 ええもう、聴き慣れない言葉にワクワクしますね。
 《文書捜査》ですって?

「なにィでスかァ、それはァ??」
「ぐるるるるがる?」(←訳:書類整理屋さん?)

 同僚さんたちも、そう思っているらしいですよ。
 
 警視庁本部庁舎六階にある、
 捜査第一課科学捜査係文書解読班の執務室は、
 資料保管庫、とか呼ばれていて、
 文書解読班所属の刑事さんは、
 倉庫番、と
 ありがたくない仇名を付けられてしまう始末。

 ですが、
 文書解読班には、ちゃあんとした任務があるのです。

「ぶんしょとォ、にんむッ?」
「がるぐるっ??」(←訳:はてさてっ??)

 凶悪事件の時効廃止にともない、
 過去の未解決事件について
 継続捜査を進める体制を整えている捜査一課。

 その一環として
 文書解読班というセクションを設け、
 過去の捜査資料を整理、分類することになったのです。

「ふむゥ、それはァ、だいじなァ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:お仕事ですね!)

 ええ、書類を扱うのは重要な仕事……と
 アタマでは理解している、んですが。

 文書解読班の一員、
 矢代朋彦(やしろ・ともひこ)さんは
 嬉しくありません。

    現場に出たーい!!

 憧れの捜査一課でばりばり働くぞ!と
 勢い込んでいた矢代さんにとって、
 書類の山と戦うのは
 あまりにも予定外な事態だったのでした。

「なるほどォ~…」
「がるるる~…」(←訳:可哀想に~…)

 矢代さんの上司、
 鳴海理沙(なるみ・りさ)警部補は、しかし、
 ち~っともヘコんでいません。

 書類の山、大歓迎~♪
 分類して、インデックスをつけて、
 箱に詰め直して、
 といった作業が苦にならないタイプなのです。

 つまり、文書マニア?

「このよにはァ~いろいろなァ~」
「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:マニアさんがいるんだ!)

 そんな或る日。

 落ち込む矢代さんの願いを
 いずこかの神仏が小耳に挟んでくださったのでしょうか。

 文書解読班に出動命令が!

「じけんッでスかッ!」
「がるるぐる!」(←訳:現場に急行!)

 御本の冒頭を読んだ限りでは、
 これはユーモアミステリかしらん?と
 迷ってしまうのですが、
 頁が進むにつれ、
 ユーモアを失わぬまま、
 シリアスな要素も加わってきます。

 そして、《文書解読》の名に恥じない、
 頭脳的な“謎解き”シーン、
 警察小説的な展開もプラス!

「みすてりッぽくゥ、なッてきたでス!」
「ぐるーるるがっる!」(←訳:スピードもアップ!)

 ネタをバラしちゃいたくないので、
 これ以上詳しいストーリーは記せません……が、
 エンタ度の高いフィクションとして
 ミステリ好きさんにおすすめです。
 
 文書マニアって何なのっ?と
 脳内の《?》マークを消せない活字マニアさんも
 手に取ってみてくださいね♪

「しょるいのォやまからァ~」
「がるるぐるる!」(←訳:探そうヒント!)




 
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2015、ミュゼの《華》!

2015-03-14 21:39:14 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げいじゅつのォ~はるッ!」
「がるる!ぐーるるがるる!」(←訳:虎です!アートの春です!)

 こんにちは、ネーさです。
 そろそろダウンジャケットを脱ぎ捨て、
 心も足取りもかろやかにアート散歩♪の季節がやってきそうですね。
 読書をサボっての本日の展覧会情報は、
 2015年のビッグイベントといえそうな、こちらを、どうぞ~!

  



            ―― ルーヴル美術館 展 ――



 東京・港区六本木の国立新美術館企画展示室1Eにて、
 会期は2015年2月21日~6月1日(火曜休館、ただし5/5、5/26は開館)、
 『Musee du Louvre.Peinture de genre.Scenes de la vie quotidienne』と仏語題名が、
 『日常を描く――風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄』
 と日本語副題が付されています。

  

「めいさくゥだァ~!」
「ぐるる~!」(←訳:巨匠だ~!)

 いちばん上の画像にはフェルメールさんの『天文学者』、
 その次が、
 ティツィアーノさんの『鏡の前の女』。
 この2作品だけで、もう溜め息しちゃいますが、

  
 
 ↑ムリーリョさんに、

  

 ↑レンブラントさんに、

  

 ↑ジャン=バティスト・グルーズさん!

 グルーズさんの名と作品は、
 《シャーロック・ホームズ》シリーズのファンの皆さまには
 よく知られていますよね♪

「かわいィ~!」
「がるぐる!」(←訳:別嬪さん!)

 この展覧会では、16世紀の初頭から
 19世紀半ばまでのヨーロッパ風俗画の展開を
 ルーヴル美術館所蔵の
 約80点の名画で紹介してゆきます。

 3月20日には
 山田五郎さん&平野綾さんのアートトーク
 (整理券は当日10:00から開場10分前まで
  1F中央インフォメーションにて配布)、
 4月18日には
 鏡リュウジさん&渡部潤一さん(自然科学研究機構国立天文台副台長)の対談
 (事前申し込み制)なども予定されていますよ。
 美術館HPで詳細を確認してから、
 さあ、お出掛けしましょう~♪♪

「もよりィえきィはァ~」
「ぐるるるがるるるぐるるるっ!」(←訳:メトロの千代田線乃木坂駅っ!)

 六本木近辺には
 サクラの名所がありますので、
 桜見物もお忘れなく。





   で、ホワイトデーの今日のオマケ画像は……
   
   私ネーさがいただいた、
   八王子の人気パティスリー『ペール・ノエル』さんの
   《くマカロン》!
   「こッこここッこれはッ……!」
   「がるるぅ~!」(←訳:クマだぁ~!)
   そうね、くま型マカロンの《くマカロン》、
   えーとぉ、どの部分からガブリと――
   
   「たたたッたべちゃだめェーッ!!!」

   皆さま、穏やかな週末を。
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― 背景が《美》を生かす ―

2015-03-13 21:41:49 | ブックス
 こんにちは、ネーさですっ!
 さあ、美男美女好きな皆さま、読書タイムですよ~♪♪

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ネーさッ、はりきッてまスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるるる!」(←訳:虎です!メンクイだもんね!)

 ではメンクイ王決定戦、じゃなくて、
 美女大博覧会の始まり始まり~♪

  



            ―― 昭和が恋した女優たち ――



 画像の別冊太陽(第226号)は、2015年2月に発行されました。
 『生誕100年 写真家・早田雄二の世界』と副題が付されています。
 アート好きな活字マニアさんならばよく御存知の、
 《別冊太陽》シリーズ――
 この第226号で特集されているのは、
 写真家の早田雄二(はやた・ゆうじ)さん(1937~1995)。

「むむッ! みたことォありまスゥ、このおしゃしんッ!」
「ぐるるがるるー!」(←訳:原節子さんだー!)

 御本表紙の眩しい笑顔は、
 20世紀の日本映画を代表する大女優・原節子さんですね。

 カメラマンである早田さんは、
 このような女優さんのポートレート写真の名手として
 つとに知られていました。

 映画雑誌の表紙のような、
 スタジオでしっかり撮影する写真。
 女優さんのお家へ出向いて撮影する、
 オフショット的な作品。

「みなさんッ、えにィなッてるゥでス!」
「がるるぐる!」(←訳:美女は無敵!)

 男性の《映画スタア》さんたちも、
 もちろん早田さんは撮影しておられますが、
 この御本は(ほぼ)女優さん一色。

 田中絹代さんから、
 原節子さん、
 高嶺秀子さん……《銀幕の大スタア》さんたちの、
 おきれいなこと♪♪

「テディちゃ、おうぎちかげさんにィ、うッとりィ~!」
「ぐるるがるるるぐるるがぅる!」(←訳:ボクは小山明子さんのファン!)

 御本の前半はモノクロ写真が、
 後半になりますとカラー写真が主流となります。
 モノクロでもカラーでも、
 ときに、キリリ。
 ときに、妖艶に。
 
 時代を象徴する美女さんたちを撮影する際、
 早田さんが何を重視したかというと、

   《ライティングを生かすかどうか、
    ひいては写真が生きるか死ぬかは、
    実にバックの使い方如何によるといっても過言ではない》

「それはァ、ええとォ~…」
「がるるぐるるがるる?」(←訳:背景が美貌を活かす?)

 早田さんのこの言葉を前提に
 あちらからこちらへ
 ページを行き来してみれば、
 ちょっとだけ、見えてくるような気もしますね。

 人物、背景、照明、
 多くの要素が収斂して、
 《スタアの肖像》が完成してゆく様子が。

「もッとォ、みてみたいィでス!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:美男美女さんを!)

 この御本には
 映画関連のコラム、
 早田さんのエッセイ、
 秋山正太郎さんとの対談、
 司葉子さんへのインタビューなども
 収録されています。

 そのあたりは、
 映画マニアさんが食いつきそうなページ、でしょうか。

「よんでもォ、ながめてもォ」
「がるるぐる!」(←訳:楽しい一冊!)

 フィルムの中で永遠に生きる116の《顔》。
 週末の読書タイムに、ぜひ♪
 



 
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選ぶなら、『潮騒理髪店』!

2015-03-12 21:44:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううゥ~んッ、おかしィッ!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!ヘンだねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 おかしいんですよねえ、
 いつもの年ならとうに聴こえているはずのウグイスくんの美声が
 今年はまだ影も形もないなんて。
 ウグイスくん行方不明のミステリを解くべく、
 本日は読書タイムもミステリ作品を、さあ、どうぞ~♪

  



              ―― 怪しい店 ――



 著者は有栖川有栖(ありすがわ・ありす)さん、2014年10月に発行されました。
 『HIDEO HIMURA & ALICE ARISUGAWA』と英語シリーズ名が付されたこの御本は、
 もちろん、
 推理作家・有栖川有栖さん&犯罪学者・火村英生さんのおふたりが
 探偵……いえ、主役!

「きょうじゅゥせんせいィ、せんりょうゥやくしゃッ!」
「ぐるるがるるぐるるるる!」(←訳:アリスさんも演技力発揮!)

 密室やアリバイ崩し、動機、手法……
 犯罪に絡んだ様々な謎に
 大学では准教授として
 犯罪学を学生さんたちに教えている火村さんと、
 推理小説家の有栖川さんのコンビが挑む人気のシリーズ、
 この御本では何がテーマかというと、

「おみせッ、でしょうッ!」
「がるる~るる!」(←訳:あやし~い店!)

 著者・有栖川さんは『あとがき』で、

    本書は、《店》を題材にしたミステリでまとめた。

 と記しておられます。
 収録されている作品は、

 『古物の魔』
 『燈火堂の奇禍』
 『ショーウィンドウを砕く』
 『潮騒理髪店』
 『怪しい店』

 の全5編ですが、
 さて、こりゃ何のお店だろう?と、
 看板だけでは判断しにくいお店ってヤツが
 この世にはあるもので――

「ふァいッ! いぎィありィ、でス!」
「ぐるるるるがるるぅ!」(←訳:分かるのもあるよぅ!)

 えーと、そうねー、
 この御本でも、一編だけ、
 すっぱり分かっちゃうお店があるわね~…。

 『潮騒理髪店』って。

 この題名で中身が理髪店のお話じゃなかったら、
 怒られそうですけど。

 ええ、ここは看板に偽りなし、
 正真正銘の理髪店さんです。
 それも、本物の潮騒付きの。

「しおさいィつきィ?」
「がるぐる?」(←訳:海の近く?)

 火村さんがフィールドワークの途中で
 偶然に見つけたのは、
 とある田舎町の、
 とある岬で営業中の理髪店――
 『潮騒(しおさい)理髪店』。

 電車の待ち時間を潰そうと
 お店に入って散髪を頼んだ名探偵さんは、
 後日、そこでの出来事を
 有栖川さんに教えます。

 コーヒーを飲みながらの、
 男ふたりの長電話は……

 これが、実に美しい!

「ふァ?? うつくしィ??」
「ぐるる?」(←訳:長話が?)

 ええ、美しいんです!
 有栖川さんのミステリ作品を今まで読んできて、
 ああ、美しい物語だなぁ、と思ったのは、
 初めてのことでしたので私ネーさ自身もびっくり!

 本文中で、
 さりげなく語られる火村さんのものの見方――哲学。
 登場人物たち、
 理髪店内の小物の描写、
 謎が謎でなくなる瞬間の
 爽快感と余韻。

 ミステリの名作といわれる
 H・ケメルマンさん著『九マイルは遠すぎる』を
 彷彿とさせる“美品”でしょう、これは!

「そうぞうりょくがァ~」
「がっるる!」(←訳:突っ走る!)

 他の《お店》4軒には、
 ゾッとしたり、怖くなったりするかもしれませんが、
 『潮騒理髪店』なら、
 お客として訪ねても大丈夫だと保証できます。

 ミステリ好きで、
 明日あたり髪をカットしようかと考えている活字マニアさんは、
 ぜひ、『潮騒理髪店』さんへ♪

「でかけてみるのもォ~」
「ぐるがる!」(←訳:アリです!)



  
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