テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 黄金の智慧 ―

2015-10-11 21:43:26 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 それでもォめざせェ~、とらいッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!サクラ咲け!)

 こんにちは、ネーさです。
 《最強の敗者》たちに、
 今回も観客を総立ちにさせちゃえ!
 とエールを送りながら、
 さあ、本日は休日の読書タイムに相応しい
 楽し~い御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 中野のお父さん ――



 著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、2015年9月に発行されました。
 おお~♪
 表紙の益田ミリさんの装画からして
 楽しい予感をグングン高めてくれてますね。

「くんかッ、くんくんッ!
 うむゥ!これはァ、よいィおはなしでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:匂いで分かるよ!)

 題名の中野(なかの)とは、
 東京にお住まいではない方々も御存知のことでしょう、
 JRの中野駅、メトロの中野駅もありますね、
 有名なコンサートホールや、
 マニアなコレクターさんが集まるお店が多い、
 あの中野を指しています。

 主人公の田川美希(たがわ・みき)さんは、
 東京の出版社に勤務する編集者さん。

 そして、美希さんの御両親の、
 お家は中野に在るのです。

「かえりたいィときはァ~」
「がるぐるるるるがる!」(←訳:すぐ帰れるのが便利!)

 美希さん、けっこう頻繁に
 実家へ顔を出しています。

 お母さんのお料理が恋しくて?
 たまには少女時代を過ごした自分の部屋ででぐっすり眠りたくて?

 それもあるんですけど、
 いちばんの理由は……

 お父さんの知恵を借りたくて。

「ふァいッ! おとうさんはァ~…」
「ぐるがるるる!」(←訳:歩く百科事典!)

 高校教師をしているお父さんは、美希さんいわく

  ――どうしてそんなこと、知ってるの?

 と言いたくなっちゃうほどの物識り人間さんです。
 しかも、編集者である美希さんの、
 これどういうことかしら?な疑問に、
 シャキン!と
 打てば響くように答えてくださる奇特な知恵者でもあります。

「やりまスねッ、おとうさんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:探偵みたいだ!)

 探偵みたいはお父さんが的中させるのは、
 編集者・美希さんならではの疑問。

 専門の古書店主さんも首を傾げる、
 文豪の手紙の謎は――

 或る有名な俳句の解釈法の謎は――

 マラソン完走後の、数字の謎は――

「ちいさいけれどォ~…とけないィままだとォ~…」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:スッキリしない謎!)

 解けないままだと、ああ、気に懸かってしょうがない。
 でも、スカっと解ければ。

「うきゃッ♪ きぶんそうかいィ!」
「がるがる~!」(←訳:晴れ晴れ~!)

 爽快感とユーモアと優しさが
 綿密に織り込まれたお父さんの答案。

 高校教師のお父さん像には、
 著者・北村さんの経験が投影されているのでしょうか。
 収録されている短編8作品、
 どれも《読む喜び》を味わえる最高の逸品です♪

 私ネーさのおすすめは『闇の吉原』という作品ですが、
 さて、皆さまのお気に入りは?
 
「ぜひぜひィ~」
「ぐるる!!」(←訳:一読を!!)
 
 
 
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1960・欧州の旅へ。

2015-10-10 21:39:03 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いちまるゥいちまるゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!今日は10並び!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日10月10日は、1と0で二進法の日?かと思ったら、
 《缶詰の日》なのだそうです。
 1877年、北海道石狩町(現石狩市)で日本最初の缶詰が製造されました。
 
「かんづめのォ、なかみはァ?」
「ぐぅるがるる!」(←訳:シャケでした!)

 お魚、コーヒー、フルーツ、乾パン……身の回りの缶詰たちに感謝しつつ、
 本日は読書をサボって展覧会情報を、どうぞ~♪

  



             ―― パリの四ヶ月 ――



 東京都中央区日本橋のミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションにて、
 会期は前期が2015年10月10日~11月29日、
 後期が12月1日~2016年1月24日
 (年末年始と月曜休館、月曜が祝日の場合は開館し翌日休館、10/17は12時閉館)、
 『銅版画家・浜口陽三と写真家・秋山庄太郎』と副題が付されています。

「わほほォ♪これはァ~」
「がるる!」(←訳:秋だね!)

  

「♪るるゥ~♪かれはァよォ~♪」
「ぐる!がるるぐる!」(←訳:うん!そんな感じ!)

 1960年2月からの四ヶ月間、
 写真家の秋山庄太郎さんはヨーロッパ外遊の旅に出ました。

 秋山さんはパリに着いた翌々日に
 銅版画家・浜口さんを訪ね、
 浜口さんのパリのアトリエや、
 ちょうどヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表作家に
 浜口さんが選出されたこともあり、
 ビエンナーレ期間中のヴェネツィアの様子を撮影しています。

 なので、上の画像の、秋っぽく見える風景は、
 実は冬の終わり頃、なのでしょうね。

「♪もうすぐゥ~♪はるゥ~♪」
「がるぐるるがるるるるぐる!」(←訳:どの季節も絵になるねパリ!)

  

 この展覧会では、秋山庄太郎写真芸術館の所蔵品から、
 パリやヴェネツィアの写真、資料など
 多くが初公開となる約50点の作品が展示されます。

 また、秋山さん所蔵の浜口さんの作品から
 特にお気に入りだったという
 『4つのさくらんぼ』を含む3作品、
 ビエンナーレに浜口さんが出品した作品30点も展示されるんですよ。

「♪るるゥ~♪ぱりのォそらのしたァ~♪」
「ぐーるるがるる~♪」(←訳:アートは華やぐ~♪)

 10月17日には講演会『秋山庄太郎の欧州旅行』(入館料+¥300)、
 11月15日と16日には銅版が・モノクロームメゾチント体験教室
 (入館料+¥1.800、材料費込)も予定されています。
 お申込みは電話にて受付中とのことですので、
 希望の御方は急いでくださいね!

 なお、美術館の最寄り駅はメトロの半蔵門線・水天宮駅、
 3番出口からすぐ!となります。

「しゃしんだいすきなァおかたはァ~」
「がるぐるるるる!」(←訳:ぜひお出掛けを!)
 
 


    さて、ここで今回のオマケ画像も、はいっ!
   
    『ONE PIECE』の新刊が出ましたよ~♪
    79巻目ですわよ~♪
   「けッちゃくゥ、しまスかッ?」
   「ぐるるがーるる!」(←訳:ドレスローザ戦!)
    ルフィくんの激闘の結果は……
    連休の読書タイムに確認いたしましょう♪

    では皆さま、穏やかな休日を。



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15人の、最後の扉。

2015-10-09 21:45:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッスゥ!
 うえるかむゥ~れんきゅうゥッ!」
「がるる!ぐるるる~♪」(←訳:虎です!お休みだ~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 サッカーW杯予選でグループ首位に立った日本代表に
 ホッとしてたら、あら、連休ですね♪
 楽しい休日は、体育の秋に走るのか、
 はたまた食欲の秋を選ぶのか。
 ワタシはアートの秋を選ぶわ!という方々は、
 はい、こちらの御本を、どうぞ~!

  



          ―― 《絶筆》で人間を読む ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、2015年9月に発行されました。
 『画家は最後に何を描いたか』と副題が付されています。

 《怖い絵》シリーズで美術評論界のトップランナーとなった
 著者・中野さんの最新刊は……

 題名が、まさに内容そのもの、ですね。
 画家さんの、最後の作品――《絶筆》作品を追いかけます。

「さいしょではなくゥ、さいごッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:到達点だね!)

 それは確かに到達点であった、
 と言い切れる画家さんもいれば、
 行き止まりの袋小路だった、とも見える画家さんもいます。

 第1部『画家と神 宗教・神話を描く』、
 その筆頭に登場するボッティチェリさんは、
 アート好きさんならばよく御存知でしょう、
 あの神々しくも輝かしい『ヴィーナスの誕生』『春』を描いた頃と
 晩年の作品とでは、まるで……

「べつじんッ、みたいィでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:違いがありすぎ!)

 一方で、イマ風にいうなら
 “ブレなかった”御方もいます。

 第2部『画家と王 宮廷を描く』で
 先ず取り上げられているのは、
 ベラスケスさん。
 宮廷官吏の激務をこなしながらの制作にも
 手を抜くことを知らぬベラスケスさんの、誠実さ。

 そして第3部『画家と民』では
 ブリューゲルさん、フェルメールさん、ホガースさん、
 ミレーさん、ゴッホさん、と
 王侯よりも市井の人々に寄り添って生きた画家さんの
 《絶筆》作品が論じられます。

「どれもォ、ゆうめいィなァ、さくひんッ!」
「ぐるるがるるぐるるる……」(←訳:どれもどこか不安そう……)

 これが絶筆だよ、と説明されて、
 読み手の私たちは先入観を抱いてしまうのでしょうか。
 どうしても考えざるを得ませんね。

 画家さんは、知っていたのだろうか?
 これが自分の最後の作品になることを?
 知っていて、こう描いた?
 知っていて、この主題に決めた?

 そこに、どんな想いが籠められていたのか……。

「ちょッとォ、しんみりィ……」
「がっるるぐるるる……」(←訳:けっこうじんわり……)

 15人の画家さんの中で、
 ゴッホさんだけがやや異彩を放っています。

 ラファエロさん、ティツィアーノさん、ルーベンスさんたちと違い、
 彼だけは、生前、
 世間から高い評価を受けることなど全く無く、
 暗黒に吸い込まれるようにして
 この世から消えてゆく。

 そして現在、ゴッホさんの作品は
 世界中の美術館でどんな扱いをされているか――

「これもォ、かなしいィ!」
「ぐるるるぅ!」(←訳:悔しいよぅ!)

 画家さんと、画家さんを取り囲む世相をも炙り出す、
 評論であり、
 評伝集でもある充実の一冊、
 全活字マニアさんにおすすめです。
 美術館巡りのお供にも、ぜひ♪
 

  
 
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世に数多の不思議あり?

2015-10-08 21:42:23 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふがふがッむずむずゥ!」
「がるる!ぐるがるる…!」(←訳:虎です!この感覚は…!)

 こんにちは、ネーさです。
 クシャミが止まらないのは、秋の花粉のせいでしょうか。
 本日の読書タイムは、
 花粉症の特効薬を、
 このセンセイが創ってくれないものかと期待させられる
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪ 

  



           ―― 化学探偵Mr.キュリー 3 ――



 著者は喜多喜久(きた・よしひさ)さん、2015年6月に発行されました。
 『Chemistry detective Mr.Curie』と英語題名が付されています。
 
「まッてましたでスゥ、せんせいィ~!」
「ぐぅるーがる!」(←訳:キュリー先生!)

 四宮(しのみや)大学、先進化学研究室で教鞭をとる
 Mr.キュリーこと沖野春彦(おきの・はるひこ)先生と、
 四宮大学庶務課の七瀬舞衣(ななせ・まい)さん。

 ふたりが活躍するケミカルな探偵物語も
 第三作目となりました。

「たよれるゥ、たんていィせんせいィ!」
「がるるぐるるぅるる!」(←訳:何でも訊いちゃおう!)

 いえ、そのぅ、化学分野の疑問ならともかく、
 沖野さんにも苦手なことがあるようです。

 第一話『化学探偵と呪いの藁人形』で、
 意外な運動神経の良さを見せてくれるのは、
 物語でワトソンさん的な役どころを務める、
 七瀬さん!

「おおォ! ぴッちゃーさんでスかッ!」
「ぐるるがーるる!」(←訳:ソフトボールの!)

 本家のワトソン博士は
 大学時代ラグビー選手として鳴らしたそうですが、
 七瀬さんが得意とするのは
 ソフトボール。

 毎年、大学内で開催される《球王杯》――
 理系の全研究室が参加する大規模なソフトボール大会の、
 生体情報科学研究室の助っ人ピッチャーとして
 大活躍してます♪

「じょうずゥ、でス!」
「がるっ!」(←訳:速いっ!)

 順調にトーナメントを勝ち進む七瀬さんのチーム。

 しかし、沖野先生の研究室チームの試合では……

「あれれェ? くもゆきがァ~…」
「ぐるる!」(←訳:怪しい!)

 あわやランニングホームラン!という
 強打を放ったひとりの学生さんが、
 三塁を回った後、転倒。

 え? 転倒……じゃない?
 学生さん、起き上がりませんよ?

「どッどうしたのでスかッ??」
「がっるるるっ?」(←訳:なっ何ごとっ?)

 学生さんの身に、いったい何が起こったのか。

 もちろん、その謎を解くのはMr.キュリーでしょう。

「せんせいィ、がんばッてェ~!」
「ぐるるぅがるるるる!」(←訳:知力じゃ負けないぞ!)

 四つの連作短編が収録されている中で、
 私ネーさがおすすめしたいのは
 第二話『化学探偵と真夜中の住人』。

 学究の徒であること、
 研究者であることの側面を描き、
 また“物語のその後”を考えさせられる作品でした。
 登場人物さんたちは、
 どのような未来を辿るのか……と。

「はッぴーにィ、なれますようにィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:彼らに幸あれ!)

 ミステリ好きさん、
 そして理系の学生さんも、
 秋の夜長に、ぜひ、一読を♪

   
 
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― 今昔の極楽美 ―

2015-10-07 21:47:47 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうのォ、てーまはァ~…」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!芸術なのです!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 海外サッカーのお休み期間にあたる今週は、
 ユヴェントスの勝敗に一喜一憂することもなく、
 リラックスして《芸術の秋》に浸れますよ。
 さあ、本日は、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



          ―― 杉本博司 今昔三部作 ――



 千葉県千葉市の千葉市美術館にて、
 会期は2015年10月28日~12月23日(11/2と12/7は休館)、
 『Hiroshi Sugimoto: Past and Present in Three Parts』と
 英語題名が付されています。

「うわォ? ものくろぉォ、せかいィ!」
「ぐるるがるる?」(←訳:お写真ですね?)

  

 美術家・杉本博司(すぎもと・ひろし)さん――

 前々回記事では、本阿弥光悦さんについてお喋りいたしましたが、
 杉本さんもまた、“光悦さん”的な御方です。

 尾形光琳さんよりもっと高く評価されるべき、
 もっともっと世に知られて然るべき人物。

 同じように、杉本さんは
 もっと現代日本で広く知られてしかるべき美術家さんなのです!

「もしかするとォ、にほんよりもォ~…」
「がるるぐる?」(←訳:海外で有名?)

 ええ、そうなんです。
 杉本さんの代表作――
 《劇場》シリーズ、《ジオラマ》シリーズ、《海景色》シリーズは、
 世界中のアート好きな方々にとって神話のような作品です。

  

 千葉市美術館開館20周年記念となるこの展覧会では、
 杉本さんの3つの写真シリースを
 16点の大判プリントで展示します。
 《劇場》シリーズの『テアトロ・デイ・ロッツィ、シエナ』(2014)は
 日本初公開となる同シリーズ最新作ですよ!

 そして、『今昔三部作』とともに開催されるのが――

  



      ―― 杉本博司 趣味と芸術――味占郷 ――



 こちらでは、現代美術の枠を超えて活動する杉本さんの
 《道楽》をテーマとしています。
 
 また、
 10月31日には杉本さんを講師に迎えての講演会、
 11月7日には杉本さんと千宗屋さんの対談が予定されています。
 両企画とも事前申し込みが必要ですので、
 杉本さんのファンの皆さま、
 手続きは早めに!
 (千葉市美術館HPから、もしくは往復ハガキでの申し込みを!)

 映画『SUGIMOTO』上映会、
 ワークショップ、ギャラリートークなどの詳細も
 HPを参照くださいね~♪

「すぎもとさんのォ、うみィ、みたいィですよゥ~!」
「ぐるるがるるぐるがるる!」(←訳:ボクは劇場の写真見たい!)

 どこでもドア(千葉市美術館に直通)が欲しくなる秋です。
 ぜひ、お出掛けを♪




    では、いつものノリでオマケ画像も。
   
    「あはァ♪はッぴきィはろうィんッ!」
    「がる!」(←訳:出た!)
   
    『チロルチョコ』さんの
    《スイートハロウィン》。
    暗闇でカップが光る、ですって?
    ウソかホントか、これから確かめてみま……
    「ひょええッ!」
    「ぐるるぅ!」
    あ、ホントみたいです。



    
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愉しい奇々怪々!

2015-10-06 21:44:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 らッしゅゥ!らッしゅゥ!」
「がるる!ぐるがっるぅ!」(←訳:虎です!受賞ラッシュ!)

 こんにちは、ネーさです。
 連日のノーベル章受賞ニュースにびっくりですね。
 各国の受賞者さん&日本人の受賞者さんもおめでとうございます!
 
「ぱちぱちぱちィ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:大拍手ぅ!)

 特大の拍手を贈りながら、
 さあ、本日の読書タイムでは、ギョッ!としていただきましょう。
 こちらを、どうぞ~♪♪

  



            ―― 街角の書店 ――



 著者は収録順に(せーのっ!)、ジョン・アンソニー・ウエストさん、
 イーヴリン・ウォーさん、シャーリィ・ジャクスンさん、ジャック・ヴァンスさん、
 ハーヴィー・ジェイコブスさん、ミルドレッド・クリンガーマンさん、
 ロナルド・ダンカンさん、ケイト・ウィルヘルムさん、カート・クラークさん、
 テリー・カーさん、チャド・オリバーサン、フレドリック・ブラウンさん、
 ジョン・スタインベックさん、ロジャー・ゼラズニイさん、
 フリッツ・ライバーさん、ハリー・ハリスンさん、
 ブリット・シュヴァイツァーさん、ネルスン・ボンドさん(ふーっ長かった!)、
 編者は中村融(なかむら・とおる)さん、2015年5月に発行されました。
 『18の奇妙な物語』と副題が、
 『THE BOOKSHOP AND OTHER STORIES』と英語題名が付されています。

「つまりィ、このォごほんはァ~」
「がるるるるーぐるる!」(←訳:アンソロジーですね!)

 編者・中村さんは、
 アンソロジー好きが高じてアンソロジーを編むようになった、と
 『編者あとがき』で述べているほどの強者アンソロジストさんです。
 そんな中村さんいわく――

 アンソロジーで大事なのは、作品の並べ方だ!

「えッ? そうなのでスかッ??」
「ぐーるるぅがるる?」(←訳:テーマじゃないの?)

 このアンソロジー本を編む前に、
 中村さんは考えました。

 ジョン・アンソニー・ウエストさん著『肥満翼賛クラブ』、
 シャーリィ・ジャクスンさん著『お告げ』、
 ネルスン・ボンドさん著『街角の書店』。

 以前、雑誌に訳載されたきりの上記3作品を、
 どうにか世に出したい。

 そのために、アンソロジーを編もう!
 テーマは《奇妙な味》ということにして!

「そこからァ、でスかァ?」
「がるぐるるがる!」(←訳:でも何だか愉快!)

 アンソロジー好きな活字マニアさんは
 ニヤリ!とするに違いない動機から産声をあげた“秘蔵っ子”は、
 なるほど、埋もれたままにしておけない快作です。

 とりわけ、表題作である
 『街角の書店』は、
 宝石のようなキラめき!

「みじかいィけれどォ~…」
「ぐるるがる!」(←訳:見事の一言!)

 もうひとつ、強力におすすめしたいのが、
 ジョン・スタインベックさん著
 『M街7番地の出来事』。

 『怒りの葡萄』『エデンの東』他の名作で知られる
 アメリカ文学の巨匠さんが……
 ノーベル文学賞(←!)を受賞した作家さんが……
 こういう作品も書いていたとは!

「びッくりィでスゥ!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:嬉しい驚きだよ!)

 何がどう奇妙なのか。

 その点を説明しちゃうと作品の魅力が半減いたします。
 読んでみて初めて分かる、
 ゾワゾワッとするような、
 ふわっとめまいがするような、この感覚。
 
 活字マニアの皆さま、ぜひ、御自身で体験を♪
 
 
 
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千年にひとり!

2015-10-05 21:48:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ~、きおんもォ、ひくくてェ~」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!秋だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋のロードレースとして自転車競技愛好家に知られる
 《イル・ロンバルディア2015》を制覇したのは
 開催国イタリアのヴィンチェンツォ・ニーバリさん!
 そして!ユヴェントスもボローニャに勝ちました~♪♪
 さあ、読書タイムでも爽快な秋を満喫いたしましょう!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



          ―― もっと知りたい本阿弥光悦 ――



 著者は玉蟲敏子(たまむし・さとこ)さん、内田篤呉(うちだ・とくご)さん、
 赤沼多佳(あかぬま・たか)さん、2015年9月に発行されました。
 『生涯と作品』と副題が付されています、が……

 本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)さん、
 って……たぶん、おそらく、
 めちゃくちゃ有名ではない、のでしょうねえ。

「びみょうゥ~なァ、ところォでスゥ!」
「ぐるがるる~…」(←訳:有名なのは~…)

 ええ、尾形光琳(おがた・こうりん)さんの名の方が、
 光悦さんより有名であるのはほぼ確実でしょうか。

 しかし、日本美術の流れの中で、
 どちらがより重要であるかといえば、
 答えは明白です。

 光悦さん、
 そして光悦さんの盟友・俵屋宗達(たわらや・そうたつ)さん。

 このふたりが現代に通じる《日本の美》を完成させた、
 と言えましょう。

「いだいなるゥあーてィすとッ、でス!」
「がるるるぐる!」(←訳:マルチな天才!)

 1558年(永禄元年)に生まれ、
 1637年(寛永14年)に没した光悦さんは
 足利・織田・豊臣・徳川と
 覇権が移り変わる真っ只中に生きた御方でした。

 また、光悦さんは
 戦国の時代に相応しい“生業”を背負っていました。

 家業は、刀剣の鑑定。

 刀を研いで(形や刃を整える)、拭って(ぴかぴかに輝かせる)、
 目利きする(作者や制作年代を鑑定する)のが、
 本阿弥家の本業なのです。

「でもォ、はみだしちゃッたッ!」
「ぐるるる!」(←訳:他分野へ!)

 時代が、家業にだけ専念することを許さなかったのでしょうか。

 光悦さんは、貴族や大名たちとの交わりに中で
 書、絵画、作陶をも手掛けることになります。

「それはァ~まるでェ~」
「がるるるるるぐるる!」(←訳:レオナルドのように!)

 レオナルド・ダ・ヴィンチのように、
 軽々とジャンルを超越する才人・光悦さん。

 この御本では、
 特に宗達さんと組んで制作した和歌巻についての解説と
 図版資料が素晴らしくてウットリさせられます。

 古典であり、斬新!
 典雅でありつつ、前衛!

「かッこいいィでスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:モダンだ!)

 光琳・乾山の尾形兄弟が束になっても敵わない、
 日本美術の巨人・光悦さん。

 この秋は、
 光悦さん関連の展覧会が予定されていることもあり、
 書店さんには
 光悦さんを特集した雑誌、
 専門書籍なども並びそうです。
 
「わだいにィ、なりまスねッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:人気が出るかも!)

 アート好きな御方に、
 《もっと知りたい》シリーズのこの御本、おすすめです。
 ぜひ、一読を~♪
 
 
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異国における“最大の冒険”?

2015-10-04 21:57:59 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 おめでたくッてェ、ねぶそくゥでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!時差のせい!)

 こんにちは、ネーさです。
 ラグビーW杯日本戦に夢中でちょいっと寝不足気味の今日は、
 伊コモ湖近くで《落ち葉のクラシック》と呼ばれるロードレースの大会が、
 ブンデスではバイエルン対ドルト戦が、
 リーガではレアル対アトレティコのダービーがあり、
 そしてユヴェントスもホームでボローニャと闘います!
 明日もたぶん寝不足になる……のにもメゲず、
 さあ、本日も読書タイムですよ~♪

  



        ―― フランス人ママ記者、東京で子育てする ――



 著者は西村・プペ・カリンさん、2015年8月に発行されました。
 『L'education d'un enfant a Tokyo,par une maman journaliste francaise』と
 仏語題名が付されています。

「ぼんじゅーるゥ、まだむゥ!」
「ぐるがぅーる!」(←訳:ボンジュール!)

 はい、著者・カリンさんはフランス生まれのジャーナリストさんです。
 AFP通信記者さんであるカリンさんは日本文化にとても詳しく、
 『LES JAPONAIS日本人』(2008年刊)、
 『Histoire du Manga日本漫画の歴史』(2010年刊)等で
 本国フランスでは有名な御方なのです。

 そのカリンさんが、
 日本人男性と恋に落ち、
 結婚して、赤ちゃんが出来て……

「わほッ! それもォまたァめでたいィ!」
「がるぐる!」(←訳:でも大変!)

 そうよね、
 ただでさえ母国と異国の狭間で、
 どうしたらいいの?
 と思うことも多いでしょうに、
 赤ちゃんまで来てしまうとは、
 なかなかにテンヤワンヤな状態です。

 まず第一に、
 フランス、日本、どちらの国で出産しよう?

「えェ~とォ、ふらんすはァ、せんしんこくゥでスからァ~…」
「ぐるるるる?」(←訳:フランスで?)

 カリンさんによれば、
 フランスは、出産費用がかからない国、でもあるんですって。

 検診や検査の費用の殆どを
 国が負担してくれる。
 だから、フトコロが痛まないことを重要視するなら、
 断然フランス!
 のはず、なんですが。

 カリンさんが選んだのは、
 日本で赤ちゃんを産むこと、でした。

「それはァ、またッ??」
「がる~?」(←訳:なぜ~?)

 なぜ日本で?

 その理由を、カリンさんは本文でつぶさに語ります。

 日本とフランスにおける女性の就労事情、
 妊娠と産休への理解度、
 育児に関する見解の違い、
 そもそもの
 “メンタリティー(考え方)”全般の違い。

 けれど、そんな数多の違いを、
 カリンさんはポジティブに捉えます。

 長所も短所も、柔軟な思考で乗り越えよう。

「あたまをォ、やわらかくゥ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:ココロも柔らかに!)

 著者・カリンさんの夫君は、
 漫画家・じゃんぽ~る西さん。

 西さんという最良のパートナーを得ての、
 カリンさんの出産&育児記録は、
 きっと大勢の方々(国籍性別問わず!)の参考になるでしょう。
 いやぁ異国で結婚とか出産とかの予定もないしぃ、という御方も、
 こんなに楽しい?ノンフィクションを放っておく手はありません!
 ぜひ、一読を~♪

「じゃんぽ~るさんのォ、いらすとにもォ~」
「がるぐるる!」(←訳:注目してね!)

 
 
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アジアを、ぐる~り♪

2015-10-03 21:48:54 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もふふゥ!ネーさがァ、おこッてまスゥ!」
「がるる!ぐるぐるがる!」(←訳:虎です!プンプンです!)

 こんにちは、ネーさです。
 なぜっ?FIFA《バロンドール》候補に
 我らが守護神ジジ・ブッフォンさんが入っていないのは何故なの?
 どうにも納得できない週末は、
 平静を取り戻すためにも
 展覧会情報を、どうぞ~!

  



            ―― 博物館でアジアの旅 ――



 東京・上野の東京国立博物館にて、
 会期は2015年9月29火~10月12日(月曜休館、ただし10/12は開館して翌日休館)、
 『総合文化展 発見!つながるアジア―文化交流の視点で愉しむ東洋館』と
 副題が付されています。

「おォ~♪ あじあッ♪」
「ぐるるるっる!」(←訳:エキゾチック!)

  

 東京国立博物館の、
 主に東洋館を中心会場とするこの展覧会では、
 シルクロードのはてから渡来した彫像、絵画、
 金銅印、古裂帖(こぎれちょう)や――

  

 螺鈿細工、影絵芝居人形、細密画など、
 多様を極めるアジアの美術品が展示されます。

「あれもォこれもォ~」
「がるがるぐるぅるる!」(←訳:どんどん見ちゃおう!)

 細密画、いいわねえ~♪
 私ネーさ、大好きなんですミニアチュール!
 インドネシアの影絵芝居のお人形もいいなあ♪♪

「あッちにもォこッちにもォ~」
「ぐるがるるる!」(←訳:重要文化財!)

 ええ、国立博物館ですから、
 展示品には重要文化財が少なくありません。
 特に、
 東洋館5室の特集『東洋の白磁―白を求め、白を生かす』
 東洋館8室の特集『中国書画精華―日本における需要と発展―』は、
 茶道道具好きな御方は必見!でしょう。

「めいひんッ、いッぱいィ!」
「がるっるぅるる!」(←訳:見入っちゃうね!)

 期間中はガイドツアーや演奏会も開催されます。
 博物館HPでイベントカレンダーを確認の上、
 お出掛けしてくださいね~♪♪

 (なお、東京国立博物館の表慶館で開催中の
  『アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝』展は
  別途観賞券が必要となりますので御注意を。)
 




    さて、今回のオマケ画像は10月につきものの……
   
    「わわッ?」
    「ぐるるがるっ?」(←訳:なんか来たっ?)
   
    「とりッくゥ、おァ、とりーつゥ??」
    「っるぐるる!」(←訳:ってことは!)
   
    「みゃッほゥ~♪」
   
    「がるる~♪」
   
    「ころころろッ♪」
   
    「ぐるるぅがる!」(←訳:かぼちゃ大王!)
    はい!
    こちらは『ミスド』さんの新作、
    《ポン・デ・シュードーナツ》
    《ポン・デ・パンプキン》
    《ミスドジャックランタン パンプキンイエロー》ですよ♪
    秋色の美味しいドーナツ片手に、
    皆さま、穏やかな休日を。




    
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こころは今も?

2015-10-02 21:50:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ちかごろォ、よやくもォ、むずかしィのでスゥ!」
「がるる!ぐっるるーるるがるるる!」(←訳:虎です!トップシーズンですから!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋の旅行シーズンが始まった10月、
 雑誌の特集によく見られる地名といえば、一にも二にも
 国内外の観光客さんに大人気の
 “京都”。
 本日の読書タイムも、
 京都に縁あるこちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 京都寺町三条のホームズ ――



 著者は望月麻衣(もちづき・まい)さん、2015年4月に発行されました。
 はい、前回記事で御紹介した歴史ノンフィクション作品から、
 今回はぐるるんっと方向転換、
 ライトノベル系のミステリ、
 いえ、青春物語の登場です。

「みすてりィじゃなくてェ~?」
「ぐるがるぐる?」(←訳:青春スポコン?)

 えーと、熱血スポーツは出てこないんですけれど、
 ほら、ちょっと見てくださいな。

 京都寺町三条の、小さな骨董品店さん。
 その入り口近くで困った顔をしている
 女子高校生さんがいますでしょ?

「ふァいィ、いまスでスねッ!」
「がるぐるるる?」(←訳:やや挙動不審?)

 物語の語り手である彼女は、 
 真城葵(ましろ・あおい)さん。

 葵さん、
 ひやかし気分で骨董品店の内部を窺っているのとは
 どこか違う様子ですが……?

「ううむゥ! しんけんでスゥ!」
「ぐるがるるるるるる?」(←訳:思い詰めてるような?)

 高校生の女の子が、
 シブ~い骨董品店を覗く動機は。

 お金のため。

「むぎゅぎゅうゥ!」
「がっるるる?」(←訳:そっちなの?)

 もちろん、ワケあってのことで
 葵さんはお金を必要としているんです。

 京都に引っ越してきて間もない彼女ですが、
 半年前まで住んでいた埼玉県に戻りたい。
 戻るには、旅費が――新幹線のチケット代が要る。
 軽く2万円を超えるチケット代金を
 早急に捻出するには……

 家から持ち出してきた古物を
 骨董品店に売ってしまえば……

「えええェッ? それはァ~…!」
「ぐるるるるっ!」(←訳:止めとこうっ!)

 止めましょう、それは。

 そう諭したのは、
 骨董品店『蔵』のカウンターにいた
 家頭清貴(やがしら・きよたか)くんでした。

 なんと、大学生ほどの年頃の彼は、
 葵さんが何も話さぬうちに
 すべての事情を察していたのです。

「おおォッ! それはァ、まるでッ♪」
「がるる?」(←訳:名探偵?)

 葵さんの、いかにも“乙女”で“女子”な理由とは。

 ホームズさんこと清貴くんが示唆する解決策とは。

 諸々を考え合わせると、
 やはりミステリより青春物語と呼びたくもあり、
 ちょっとイケズ風な清貴ホームズくんと
 名探偵に振り回される葵ワトソンさんによる
 京都ガイドでもありますので、
 京都マニアには楽しく読めること請け合いです♪

「もうすぐゥ、でスねッ!」
「古ぐるるがる!」(←訳:都の錦秋!)

 現役高校生、
 そして、
 こころは今も高校生の皆さま、ぜひ!
 
 
 

 
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