テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《音》を信じる ~ 

2015-10-01 21:52:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥッ! ひとあんしんッ、なのでスゥ!」
「がるる!ぐるがっるぅっる♪」(←訳:虎です!また勝っちゃった♪)

 こんにちは、ネーさです。
 CL対セビージャ戦でユヴェントスは快勝いたしました♪
 とーってもココロ穏やかに過ごせた本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  



         ―― 戦火のマエストロ 近衛秀麿 ――



 著者は菅野冬樹(すがの・ふゆき)さん、2015年8月に発行されました。
 2015年8月8日にNHKで放送された
 『戦火のマエストロ・近衛秀麿~ユダヤ人の命を救った音楽家~』、
 その番組企画者の一人・菅野冬樹さんによるノンフィクション作品です。

「まえすとろゥ??」
「ぐるる?」(←訳:戦火の?)

 1941年のこと。

 作曲家シベリウスさんは
 自宅でラジオから流れる音楽に耳を傾けていました。
 ヘルシンキ交響楽団が演奏する曲目は、
 シベリウスさんが作曲した交響曲第二番。

 曲の或る箇所で、シベリウスさんはハッとします。

 作曲時に、楽団と楽器の都合から二管編成で作った曲が
 ここでは管楽器を倍に増やした四管編成に変えられている……!

「わッ、どうしようゥ!」
「がるるる?」(←訳:怒られる?)

 いいえ、シベリウスさんは
 勝手に変えたことを怒りはしませんでした。

 この曲は本来、四管編成で作曲&演奏したかった――

 それを見抜いて新編成を施した指揮者の炯眼に
 シベリウスさんは感激し、
 放送ののち、指揮者を自宅へ招いて、
 御礼にと葉巻をプレゼントしたのです。

 シベリウスさんを感激させた指揮者の名は、
 近衛秀麿(このえ・ひでまろ)さん。

「にほんじんッ、でスかッ!」
「ぐるるるるがるる?」(←訳:その時代の欧州に?)

 上記のエピソードだけでも、
 近衛秀麿さんの力量は明らかですが、
 ベルリン・フィルを初めて指揮した日本人であった、
 という事実を知れば、
 超一流の音楽家であったと確信できます。

 そしてまた、
 秀麿さんはただの日本人ではありませんでした。

 兄は、近衛文麿公爵。

「それはァ、もしかしてッ?」
「がるるる?」(←訳:摂関家の?)

 欧州ではプリンスとも称された秀麿さん。
 卓越した音楽家であり、
 ドイツやベルギー、フランス、ロシア、ポーランドでの名演に
 称賛を寄せられていた指揮者である彼は、
 もうひとつの顔を持っていました。

 “親独派”のレッテルの下に隠した、
 ユダヤ人救済活動――

「まえすとろはァ~…」
「ぐるがるる!」(←訳:秘密活動家!)

 一見、荒唐無稽で映画のような、
 しかし調べれば調べるほど信憑性が増してゆく
 歴史に埋もれた《事件》を
 著者・菅野さんは掘り起こします。
 
 ひとりの音楽家の、足跡。
 厳しい時代にも環境にも
 曲げることななかった信念。

 NHKの番組を見逃してしまった方々は、
 この御本を手に取ってみてくださいね。

「せひィ!のォ~」
「がるるるぐる!」(←訳:おすすめです!)
 
 
 
 
 
 
コメント
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