テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

うっとり♪な幸福を。

2017-03-21 22:13:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はなよりィ~だんごッ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!ボクも団子で!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京でサクラ開花を観測!のニュースがありましたが、
 さて、活字マニアの皆さまは
 “花派”でしょうか、“ダンゴ派”でしょうか?
 本日の読書タイムは、
 きっとダンゴ派に違いない!と思われる方々の作品を
 ずらり並べたアンソロジーブックを、さあ、実食いたしましょう~♪
 
  



        ―― うっとり、チョコレート ――



 編者は杉田淳子さん、武藤正人さん、2017年1月に発行されました。
 《おいしい文藝》シリーズの一冊であるこの御本のテーマは、
 いうまでもなく――

「ちょッこれェ~とゥ!」
「ぐるるる~!」(←訳:だよねえ~!)

 チョコレート、ショコラ。

 どう読んでも構わないんですけど、
 どうにもこうにも美味しくってたまらないあの食べものを、
 かくも大勢の作家さんが愛しておられるとは、
 同じショコラ好きとして嬉しくなりますね♪

 はい、先ずは『もくじ』を御覧ください。
 著者さんのお名前をちょっとだけ挙げますと、
 村上春樹さん、片岡義男さん、中島らもさん、
 森茉莉さん、江國香織さん、開高健さん、東海林さだおさん……

「あれッ? いがいとォ?」
「がるぐる!」(←訳:男性多し!)

 ええ、そうなのよね。
 甘いモノ苦手なんです、という男性は
 いまや少数派なのかしら?

 作家の浅田次郎さんに至っては、エッセイ作品
 『《義理チョコ》とは何か』の
 第一行目からして、↓こうです!

   バレンタインデーが近付くと、
   私の胸は少年のようにときめく。
   
「とッ、ときめきィ??」
「ぐるっ??」(←訳:なぜっ??)

   むろん、愛の告白を期待しているわけではない。
   チョオレートが大好きなだけである。

「きゃほゥ!わきゃりまスゥ!」
「がるるる~!」(←訳:同好の士~!)

 数行を読んだだけで、
 以前から浅田さんのファンである私ネーさ、
 いっそう大ファンになってしまいましたよ。

 また、開高健さんも
 『美味・珍味・奇味・怪味・媚味・魔味・幻味・幼味・妖味・天味』で
 
   甘いもので特筆大書したいのが、チョコレートだ

 と断言しています。さらに、

   精神の疲労はアルコールを求め、
   肉体の疲労は甘味を求める

 とも。

「うゥむゥ!わきゃるのでス……!」
「ぐるるるがる!」(←訳:異議なしです!)

 バレンタインとホワイトデーの
 甘くて苦い思い出を語る伊集院光さん。
 チョコレートの歴史を語る辻静雄さん。
 楠田枝里子さんはチョコの長所を力説し、
 田沢竜次さんはチョコレートの系譜を綴り、
 西加奈子さんはデートとのエピソードを思い出す。

 そして、
 作家さん・著名人さんたちが
 チョコレートにかける情熱にニヤニヤしながら
 巻末にまで読み進んだ方々は、
 そこで、

「えッ?」
「がるる!」(←訳:これは!)

 と、目を瞠るかもしれません。
 御本のいちばん最後に収められているのは――

 小川未明さん著『狼とチョコレート』。

「わおおゥ!」
「ぐるる!」(←訳:童話だ!)

 『赤い蝋燭と人魚』『月夜と眼鏡』の小川未明さんが
 チョコレートの物語を描くと……?

「こうなりィましたッ!」
「がるる~♪」(←訳:うふふ~♪)

 ショコラ好きな活字マニアさんにとっては
 ただもう幸福な一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひぜひ、探してみてくださいね♪
 
 
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― 森に道を探して ―

2017-03-20 22:00:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅくじつゥ~ぽかぽかッ♪」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!行楽日和でした!)

 こんにちは、ネーさです。
 お出掛けはできませんでしたが、
 ユヴェントスがきっちり勝利を収めてくれたので、
 ぽかぽか、いえ、ホクホク気分で春分の日も読書タイムに勤しみましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



           ―― 狩人の悪夢 ――



 著者は有栖川有栖(ありすがわ・ありす)さん、2017年1月に発行されました。
 『Nightmare of a hunter』と英語題名が付されています。

「あはァ! ありすゥせんせいィ、とうじょうゥでス!」
「ぐるるがるぐるるるる!」(←訳:それにあの探偵さんも!)

 ええ、著者・有栖川さんの代表作といえば、
 英都大学で臨床犯罪学を研究している
 火村英生(ひむら・ひでお)準教授と、
 著者さんと同名の作家・有栖川有栖さんことアリスさんが
 ホームズさんとワトソン博士のように
 コンビを組んで活躍するシリーズですね。

 そして、こちらの『狩人の悪夢』は、
 火村さん&作家アリスさんシリーズの長編最新刊!

「きゅうじつにィ、ぴッたりィのォ~」
「がるるるぐるるる!」(←訳:エンタなミステリ!)

 有栖川さんの作品の特徴は、
 エンタメ度は高く、
 それでいて格調も高い、という点でしょうか。

 今回も、オープニングは荘重かつ暗示的です。

 出版社が企画する対談に出席するため、
 大阪の自宅から
 新幹線に乗って東京へやって来たアリスさん。

 さて、改札口に、と歩き出したところで――

「あれェ? ひむらァせんせいィ??」
「ぐるがるるっ!」(←訳:偶然ですねっ!)

 ちょうど京都に帰ろうとしている火村さんと
 東京駅でたまたま行き逢いました。

   出張か?
   出版社で対談をするんや。
   すまん、急いでるんだ、15時20分の《のぞみ》に乗りたい。
   おっと、それは悪かった。

 そんなやり取りの後、
 手を振って別れてしまった二人でしたが、
 この邂逅は、何かの“予兆”だったのでしょうか……

 数週間後、
 対談をして親しくなった作家さんのお家に招かれたアリスさんは
 事件に遭遇します。

「たッ、たいへんでスゥ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:通報しなきゃ!)

 警察に通報し、
 火村さんへも急を報せるメールを送りながら、
 第一発見者のひとりとなったアリスさんは考えます。

 何があった、ここで?

「いつもとォ、ちがうゥのでスゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:発見者だなんて!)

 いつもなら、
 フィールドワーク中の火村さんに呼び出され、
 アリスさんも捜査オブザーバーとしてに協力する、
 という形なのですが。

 今日に限って、
 捜査陣はもとより、
 火村さんよりも早く
 犯罪現場に行き着いてしまったアリスさん。

 さて、アリスさんの眼に、耳に、脳裏に、
 どのような“絵解き”が視えてくるのか……?

「動機はっ??」
「がるるっ?」(←訳:方法はっ?)

 物語のテーマとなっているのは、
 悪夢。

 また、もうひとつ、影の主役となっているのが
 京都郊外という設定の、森。

 悪夢の樹々が生茂る森を脱け、
 火村さんとアリスさんが看破した
 事件の全容とは――

「ううッ! あくむはァ、いやでスゥ!」
「ぐるがるる!」(←訳:早く解決を!)

 日本の現代ミステリ数ある中で、
 最も文芸作品に近い《火村さん&アリスさん》シリーズの快作は、
 ミステリ好きさんはもちろん、
 ホラー好きさん&ファンタジー好きな活字マニアさんにも、
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読を♪
 

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春の使者とは。

2017-03-19 22:04:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむッ! そろそろォ~…」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!予報発表です!)

 こんにちは、ネーさです、
 サクラの開花予想日が発表されましたね。
 関東では3月末~4月初旬が見頃になるらしいんですけど、
 そこで本日の読書タイムは!
 サクラをテーマにしたこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



       ―― 日本画にみる さくら ――



 監修は島田康寛(しまだ・やすひろ)さん、2014年4月に発行されました。
 『Picture in Japanese style of cherry blossoms』と英語題名が、
 『――横山体験から中島千波まで――』と日本語副題が付されています。

「ふむふむむッ、えがかれたァ~さくらッ♪」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:絵の中でお花見!)

 桜を描く。

 簡単そうにみえて、
 でも実際は、これほど難しいことは滅多にないぞ、と
 困り果ててしまうのが、
 まさにこの、

 《万人から美しいと認識されているもの》

 を描く行為ではないでしょうか。

 桜の他にも、
 例えば……富士山。

 シルエットはシンプルですし、
 白い雪冠を戴いた御姿を描いておけば、
 あ~富士山だよね~と
 観る人は思ってくれる、けれど。

 北斎さんの作品を除けば、
 心から感動させられる富士山の絵って、
 そうそうは無くて。

「ほんもののォほうがァ~」
「がるぐるる!」(←訳:断然すてき!)

 巨匠・大観さんが描いた富士山図も、
 冬の早朝、
 自分自身の眼で仰ぎ見る霊峰の麗しさ、
 有り難さには敵わないわ!

 そして、満開のサクラの花も……。

「むずかしィ~のでス!」
「ぐるるるがるるぅぐる!」(←訳:キレイなだけじゃダメ!)

 ただのピンク色のモヤっとした塊りか。
 それとも、
 塗り重ねた絵の具という以上の何か、
 まことの《花》に成り遂げているか。

「とッぱァしたいィでスよゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:危険水域を!)

 この御本には、
 菱田春草さん、村上華岳さん、上村松園さん、
 川合玉堂さん、鏑木清方さん、伊東深水さん……といった
 近代日本画壇の名だたる大家さんの作品が収録されています。

 のどかなサクラあり、
 賑やかな花見の宴画あり、
 山野に咲く遠景の桜樹あり、と
 画家さんによって百花百様である中に。

 鬼気を宿す描きぶりなのは、
 一に夜桜、二にも夜桜!

「せすじがァ~…!」
「ぐるぐる!」(←訳:ゾクゾク!)

 宵闇の桜と満月。
 いつかどこかで見かけたような、
 しかし唯一無二のサクラを描いているのは
 東山魁夷さん。

 そして、
 どこにも存在しない、
 しかしどこかに在ってほしい闇の夜の桜を
 みごと現出せしめたのは
 加山又造さん。

「ほんものォよりもォ、ほんものッ?」
「がるぐるぐる!」(←訳:再びゾクゾク!)
 
 本物じゃないのだけれど、
 ときに本物を超える《花》を求めて。

 2014年の春、
 美術館『えき』KYOTOと
 水の美術館で開催された
 『日本画にみるさくら展 ――横山大観から中島千波まで――』の
 図録であるこの御本は、
 現在、一般書店さんでは販売されていないようですが
 (ネット書店さんなどでは取り扱われています)、
 所蔵している図書館もありますから、
 皆さま、ぜひ、探してみてくださいね。
 サクラの図版とともに、解説も必読です!


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― 絵筆と笑顔のふたり ――

2017-03-18 21:44:33 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うェるかむゥ~れんきゅうゥ~♪」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!春めく休日!)

 こんにちは、ネーさです。
 はぁ~い、週末です♪連休です♪春です♪
 うららかな気分の本日は、
 さあ、読書をすっぱりサボって、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



         ―― ピカソとシャガール ――



 神奈川県足柄郡箱根町のポーラ美術館にて、
 会期は2017年3月18日~9月24日
 (会期中無休、ただし展示替のため5/12は一部閉室、6/21は企画展示は休室)、
 『PICASSO AND CHAGALL IMAGINARY DIALOGUES』と英語題名が、
 『愛と平和の讃歌』と日本語副題が付されています。

「わほほッ! まえすとろのォ、おふたりィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:笑顔だねえ!)

 ↑チラシ(フライヤー)に掲載されているお写真は、
 1950年代初頭に写真家フィリップ・ハルスマンさんが撮影した
 ピカソさんとシャガールさんです。

  

 20世紀を代表する二人のアーティスト、
 パブロ・ピカソさんと
 マルク・シャガールさん。

 この展覧会では、お二人の絵画作品約80点とともに――

「あれッ?? これはァ!」
「がるるる!?!」(←訳:ゲルニカ!?!)

  

 ええ、あの有名なピカソさんの作品『ゲルニカ』!

 ……ってことは有り得なくて、
 スペインの美術館に所蔵されている真作『ゲルニカ』の、
 ↑こちらは公認摸倣(うつし)作品ともいうべき
 タペストリー作品の『ゲルニカ』(1983年)です。

 制作したのは、ジャクリーヌ・ラ・ボーム=デュルバックさん。

「なるほどォ、たぺすとりィ!」
「ぐーるるがるる!」(←訳:ウールと木綿製!)

 もちろん、ピカソさんの絵画も展示されますよ。
 ポーラ美術館が所蔵する油彩画《海辺の母子像》、
 《裸婦といった作品や――
 
  

 シャガールさんの油彩作品も、どーん!と。

「あはァ、このォあおいィいろッ!」
「がぅるーるるるるぐるー!」(←訳:シャガールさんのブルー!)

 また、学芸員さんによるギャラリートーク、
 開館15周年を記念する講演会(4/29と8/12)、
 作家・原田マハさんによる
 『ゲルニカ80年 スペシャルトーク・イベント』(4/22)なども
 予定されています。

 各イベントの詳細、参加申し込み方法については
 美術館のHPを参照してくださいね。

「れんきゅうゥにィ! はるやすみィにッ!」
「ぐるるがーる!」(←訳:箱根でアート!)

 9月下旬まで、と
 開催期間が長く設定された展覧会です。
 アート好きさんはゴールデンウィークに、
 そして夏休みにも、
 ぜひ、お出掛けを♪

「くろたまごォもォ~♪」
「がるぐる!」(←訳:必食です!)
 
 

 
    では、ここでオマケ画像も、ちょこっとどうぞ!
   
    洋菓子『フーシェ』系列のブランド『マイネローレン』の、
    《ミルフィーユ》!
    「さくさくッ!」
    「ぐるーるがる!」(←訳:クリーム美味!)
    ホワイトデーにいただいたお菓子です。
    パイ菓子好きさんにおすすめですね~♪


    春とはいえど、寒暖差の厳しい時季です。
    皆さま、どうか御自愛しつつ、
    穏やかな休日を。
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5人、それぞれの美!

2017-03-17 22:09:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むむゥ! ばるさァとォ、げきとつゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!相手に不足なし!)

 こんにちは、ネーさです。
 先ほど、チャンピオンズリーグ準々決勝の抽選会が行われました。
 我らがユヴェントスの対戦相手は……バルセロナ!
 くうぅ~、いきなりバルサか、とビビリましたが、
 やるっきゃないわね!
 さっそく超特製の元気玉制作に取り掛かりながら、
 本日の読書タイムは、こちらのアート本を、どうぞ~♪
 
  



   ―― ディズニー ミュージカルアート作品集 1940年代パート1 ――
       THE HIDDEN ART of DISNEY'S MUSICAL YEARS



 著者はディディエ・ゲズさん、原著は2016年に、
 日本語版は2016年11月に発行されています。
 『1940年代に活躍した5人のアーティストの人生と、その素晴らしく作品たち』
 と日本語副題が付されています。

 ちょうど一週間前に御紹介しましたね、
 『ディズニー黄金期の幻のアート作品集』に続く
 《THEY DREW AS THEY PLEASED》シリーズ第二作目(vol.2)
 となるのがこの御本です。

「こんかいィもォ、おもいィでス!」
「ぐるーるがっるる!」(←訳:カラー画ずっしり!)

 『ディズニー黄金期の幻のアート作品集』で
 著者・ゲズさんが“発掘”したのは、
 1930年代にディズニースタジオで活躍した
 美術スタッフさんたちの功績でした。

 30年代といえば、
 まだまだアニメーション映画の評価も定まっていなかった時代ですが、
 この御本で取り上げられるのは、
 1940年代のディズニースタジオで働いていた
 アーティストさんたちです。

「ほんのォすこしィ、なのにィ~?」
「がるるるぐる!」(←訳:ずいぶん違う!)

 そうね、30年代と40年代――

 長い時間の隔たりがあるわけでもないのに、
 そこには大きな差があります。

 手さぐりしながら、
 カラーアニメーションの技術を突き詰めていった30年代と、
 技術が素晴らしいのはもう当たり前、
 それ以上の何か――アニメの芸術性を追求してゆく40年代、
 と対比させればいいのでしょうか。

「だれもォ、みたことのないィせかいィッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:驚異の美を!)

 『ピノキオ』や『白雪姫』を超える超絶アニメーション。

 そんなスゴイもの作れちゃう人がいるの?と
 疑うのは当然ですが、
 当時のハリウッドには政情不安なヨーロッパを逃れ、
 米国に移住してきたアーティストさんが
 少なからず存在していました。

 この御本には、
 ウォルト・スコットさん、
 カイ・ニールセンさん、
 シルヴィア・ホランドさん、
 レッタ・スコットさん、
 デヴィッド・ホールさん、という
 5名のアーティストさんが登場しますけれど。

 ニールセンさんはデンマーク、
 ホランドさんは英国、
 ホールさんは北アイルランドの出身です。

「みなさんッ、こせいィゆたかァでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:画風もそれぞれ!)

 5人のアート性がどのように
 フィルムに、スタジオに作用していったか――

 おそらく、5人のアーティストさんの中で
 最も“有名”なのは
 カイ・ニールセンさんでしょう。

 著名な挿絵画家、舞台美術のデザイナーであったニールセンさんは
 ディズニー作品『ファンタジア』中の『禿山の一夜』の
 制作スタッフに参加します。

 ニールセンさんが描く地獄の魔王像、
 彷徨する魔物たちの恐ろしさ美しさは、
 ホントにもうぅ~!

「すッごいィのでスゥ!」
「ぐるがる~!」(←訳:幽玄華麗~!)

 音楽に乗り、
 40年代の映画館に《美》の花を咲かせたアーティストさんのお仕事を、
 著者・ゲズさんの巧みな解説とともに、
 皆さま、ぜひ、ご覧くださいな。
 
 特に、ニールセンさんのファンの方々には
 激おすすめの一冊です!

「いちどはァ、みてほしいィのでスよゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:見たら惚れるぜ!)

 本屋さんで、図書館で、探してみてくださいね♪
 

 
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いくつもの光景が。

2017-03-16 22:04:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 べすとォえいとォ、そろいィましたッ!」
「がるる!ぐるるるがるーる!」(←訳:虎です!欧州最強8チーム!)

 こんにちは、ネーさです。
 チャンピオンズリーグのベスト8が出揃いました!
 準々決勝の組合せを決める抽選会は明日17日に行われます。
 どこだ?我らがユーヴェと当たるのはどこっ?
 と、ちょっとドキドキの時間を過ごしながら、
 さあ、ここで読書タイムもしっかりと!
 本日は、こちらのミステリ作品を、どうぞ~♪
 
  



            ―― 屋上の名探偵 ――



 著者は市川哲也(いちかわ・てつや)さん、2017年1月に発行されました。
 『ROOFTOP SYMPHONY』と英語題名が付された
 文庫オリジナルのこの作品、
 荒川眞生さんによる表紙画の雰囲気からもお分かりのように、
 舞台は“学校の屋上”ですよ。

「ふァ~? おくじょうゥ?」
「ぐるるがるるる!」(←訳:ドラマみたいだ!)

 現役の学生さんも
 かつて学生であった方々も、
 校舎の屋上には思い出や思い入れがあることでしょう。

 だらら~んと暇ツブシしたり、
 お勉強したり、お昼ごはんを食べたり。

 私ネーさも、ええ、読み進むうちに記憶が鮮明になってきました。
 陽の光で温まったコンクリートの上に座って、
 よく皆でお弁当食べたんだったわ。

「いまはァ、しませんッ!」
「がるぐるるぅる!」(←訳:日に焼けちゃう!)

 そもそも、イマドキの中学校や高校って
 屋上を自由に使えるのかしら?
 生徒は屋上立ち入り禁止!という学校も
 多いのかもしれませんけど――

 ここ、澄雲(すみくも)高校の屋上は、
 幸いなるかな、
 生徒も教師も気ままに出入りできるようです。

「のんびりィ、らんちたァ~むゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:お昼寝も!)

 語り手の“おれ”こと中葉悠介(なかば・ゆうすけ)くんが
 屋上を訪ねたのは、
 お弁当やお昼寝のためではありません。

 名探偵を探しているんです。

「あッ! いたいたァ!」
「がるるぐる?」(←訳:あの人かな?)

 校舎の屋上の、給水タンクの影になっている場所で、
 お弁当をパクついているのが、
 はい、中葉くんのたずね人たる
 蜜柑花子(みかん・はなこ)さんです。

「……みかんッ?」
「……ぐるがる?」(←訳:……花子さん?)

 中葉くんは、情報を得ていたのです。

 転校生の蜜柑花子さん、
 前にいた高校では、
 《名探偵》と綽名されていたのだと。

 実際、その名に恥じず、推理力を何度も発揮したのだと。

「ほええェ? とてもォ、そうはァ~」
「がるるる!」(←訳:見えない!)

 お下げ髪にメガネ、
 目立たぬルックスの蜜柑花子さん、
 確かに、そのぅ、頼りなさそうではありますが、
 或る《謎》をどうしても解決したい中葉くん、
 躊躇することなく頼み込みます。

   犯人捜しを手伝ってくれないか?

「うゥ~んッ? どうしようゥ~?」
「ぐるるるがるるるる~?」(←訳:いきなり言われても~?)

 頼みに頼んで、ようやく蜜柑さんのOKを取り付けた中葉くん。
 蜜柑さんという知恵袋とともに挑むのは、 
 正統派《アリバイくずし》?

「ふむふむゥ! ねらッたァえものはッ!」
「がるるるる!」(←訳:逃がさない!)

 ネタばらしになってしまうので、
 これ以上はお喋りできないんですけど、
 ミステリ作品である以上に、
 《学校生活のあれこれ》を描いた短編集でもあるこの御本、
 屋上でお弁当を食べた経験をお持ちの方々に
 おすすめしたい一冊です。

 屋上階へ通じる階段、
 明ければ空が広がるスチールの(アルミの?)ドア、
 フェンス越しに見下ろせば、
 野球部やサッカー部の部員さんたちが
 グラウンドを走り回っている――

「てにすゥぶいんさんッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:卓球部員さんも!)

 そんな光景をなつかしみつつ、
 ぜひ、一読を♪

 
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~ 赤と黄色の、かぼちゃの夢 ~

2017-03-15 22:00:44 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きゃぽゥ! かちィましたでス!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!8強入りだー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、やりました!
 我らがユヴェントス、チャンピオンズリーグ8強入りです!
 よく守り切ったわ!と選手さんたちを労いながら、
 さあ、週の半ばの本日は、読書をスパっとサボり、
 ↓こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  



           ―― 草間彌生 ――



 東京・六本木の国立新美術館 企画展示室1Eにて、
 会期は2017年2月22日~5月22日(火曜休館、ただし5/2は開館)、
 『YAYOI KUSAMA : My Eternal Soul』と英語題名が、
 『わが永遠の魂』と日本語副題が付されています。

「ふァいッ! テディちゃ、しッてまスゥ!
 すてきなァ、かぼちゃッ!」
「ぐるがる~!」(←訳:水玉南瓜~!)

  

 はい、そうですね。
 《アートの島》として知られる瀬戸内海の直島で、
 いっちばん人気!の呼び声高い撮影スポットは、
 草間彌生さんのかぼちゃのオブジェなのだとか。

「あかいィかぼちゃッ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:黄色いのもあるよ!)

 現在、六本木の国立新美術館でも、
 屋外展示場に巨大かぼちゃを出現させちゃった
 この展覧会は――

  

 前衛芸術家・草間彌生(くさま・やよい)さんの
 初期作品から、
 ニューヨーク時代、
 帰国後の作品、
 特に2009年から草間さんが取り組んでいる
 大型の絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に、
 約130点を展示する特別企画展です。

「しきさいィがァ、ぱちぱちィッ!」
「ぐるるるるぅ!」(←訳:はじけてるぅ!)
  
  

 世界中にコレクターがいるという草間さんの作品、
 オークションで売り立てにかけられれば、
 億!のお値段がつくことも珍しくありません。

 が、手軽に所有できる“草間さんの作品”も、
 ほぉら、ここに♪

「わほッ♪ たくさんッあるゥのでス!」
「がっるぐるるる!」(←訳:グッズ売り場に!)

 以前に草間さんの版画作品を
 伊勢丹新宿店のギャラリーで拝見したとき、
 いろいろなグッズが販売されていて、
 かぼちゃモチーフの可愛いステーショナリーやキーホルダーに
 心ほっこりいたしましたよ。

 今回の展覧会でも、
 草間さんのグッズが多数用意され、
 ここでしか入手できないオリジナル製品もあるそうです。

「きッとォ、かぼちゃッ?」
「ぐるるぅがるる!」(←訳:かぼちゃ以外も!)

 なお、3月28日の休館日には
 子どもたちの“春休みのミュージアム・デビューを応援する”企画
 《キッズ・デー》が開催されます。
 混雑していないミュージアムを
 中学生以下のお子様と保護者の方のみ観覧できるなんて、
 いいなぁ、羨ましいなぁ♪

「しょうさいィはァ~」
「がるるぐるるがるぐるる!」(←訳:美術館HPを参照してね!)

 春休みのアート散歩へ、
 皆さま、ぜひ!
 
 

 
    さて、ここでオマケ画像なんですけど…… 
   
    「わわわッ?これはッ!」
    「ぐぅるるがるー?」(←訳:チョコのタワー?)
   
    昨日のホワイトデー、嬉しいことに
    私ネーさもバレンタインのお返しをいただきました♪
    八王子のパティスリー『ペール・ノエル』さんの
    《チョコ・パフェ》は……
    えーと、どうしましょう、
    どこから食べたらいいのでしょうか……
    「ちょこッ、もりもりィ!」
    「がるぐる!」(←訳:特盛です!)
    開封は、しばらく悩んでから、になりそうです……。
    
    

   
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一冊まるごと、ワンコまみれ♪

2017-03-14 22:07:12 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 とべッ、げんきだまァ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!トリノへ向けて!)
「えいやァ~ッ!」

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、やって来ました、熱く燃ゆるチャンピオンズリーグの闘いの日が。
 我らがユーヴェのホームスタジアムに特製特大の元気玉を送ったら、
 さあ、勝利を祈願しつつの読書タイム、
 本日は、こちらのMOOK本を、どうぞ~♪

  



   ―― BRUTUS 特別編集 《(やっぱり)犬だって。》 ――



 編者はBRUTUS編集部の皆さん、2017年2月に発行されました。
 雑誌BRUTUS2016年3月15日号『犬だって。』に掲載されたものを
 増補改訂したのがこの御本です。

 最近、やたらとニャンコたちが人気で、
 いろんなネコフェアとかイベントとか大賑わいだけど、
 いやいや、犬だって!
 負けてないさ!

 ……というようなニュアンスをこめての
 《犬だって。》でしょうかしら♪

「ひょうしはァ、まるくんッ!」
「ぐるーるがる!」(←訳:スター犬だね!)

 Twitterで、インスタグラムで、
 大々人気のまるくん。
 先輩スター犬のわさおくん。

 だけじゃないわ!
 ほら、テディちゃと虎くんも大好きな、あの御方が!

「あッ! ねこむらァさんッ!」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:しかもワンコと共演!)

 はい、載ってるんですよ、
 ほしよりこさん著『きょうの猫村さん』の番外特別編
 『BRUTUSのバイト犬 犬井けん』が。

 それも、冒頭に1編、
 巻末にもう一編、と大盤振る舞い!
 
「ほほォ~、いぬいィくんッ?」
「ぐるるるるぅ~♪」(←訳:バイト犬かぁ~♪)

 猫村さんと犬井くんの初顔合わせを描いた冒頭の作品で、
 ココロのガードがゆるんだら、
 そこで登場するのが
 まるくん、わさおくん、
 最強コンビネーションの和犬たちの写真がドーン!

「かッ、かおがッ!」
「がるっ!」(←訳:丸いっ!)

 雑誌掲載時には、
 まるくんがわさおくんのお家へ会いに行く、という御話でした。

 今回、このMOOK本版では、
 まるくん、再び“出会いの旅”に出発します。

「うむッ? もくてきちはァ?」
「ぐるがるる?」(←訳:どこですか?)

 2016年秋、フェリーに乗船したまるくんが
 まず到着したのは大分県。
 そして、旅の目的地、熊本・阿蘇で
 まるくんの前に現れたのは……

「おおッ! くまモーンッ!」
「がるるるるる!」(←訳:くまモン君だ!)

 くまモン君と阿蘇の雄大な光景を眺め、
 熊本市内ではファンミーティングも行うまるくん。

 柴犬に代表される日本の犬が世界中で、
 特に欧州では人気が凄いって聞きますけど、
 分かる気がしますね。

 くるんと巻いたシッポ。
 テヘッ♪な感じの微笑み。

「まァるいィ~!」
「ぐるるる!」(←訳:撫でたい!)

 地震によって被災したペットとその飼い主の方々に
 グッズ売り上げの一部を寄付し、
 ペット災害対策のイベントに積極的に参加してきた
 まるくんの、熊本旅行。

 そして日本&世界各地のワンコたちのお写真やニュース、
 いぬねこ写真刀工アプリ『ドコノコ』を立ち上げた
 糸井重里さんと愛犬ブイヨンちゃんのページ、
 名犬たちの略伝など、
 ワンコ大好きな方々は、
 もしもシッポがあったらブンブン振りたくなってしまう
 ワンコまみれのヴィジュアル本、
 活字マニアの皆さまも、
 ぜひ、一読してみてくださいな。

「ねこむらさんッすきなァ~おかたにもッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:おすすめです!)
 
 
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きっかけは《かぶ》?

2017-03-13 22:15:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はるのォ、みなみふらんすゥ!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!激戦のゴール!)

 こんにちは、ネーさです。
 “ツール・ド・フランスの前哨戦”ともいわれる自転車のロードレース
 《パリ~ニース》が開催され、
 コロンビアのエナオ選手(チームスカイ所属)が総合優勝しました。
 初のビッグタイトル獲得おめでとうございます、エナオさん!
 ニース近郊やプロヴァンスの美しい光景にうっとりした後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 大きなかぶ ――



 著者はアントン・チェーホフさん、2017年2月に発行されました。
 『チェーホフ ショートセレクション』と副題が付されたこの御本は、
 《世界ショート セレクション》シリーズの第5作目であり、
 ロシアの作家・戯曲家アントン・パヴロヴィッチ・チェーホフさんの
 短編作編10作品から構成されています。

 ……ていうか、かぶ?

「おおきなァ、かぶゥ??」
「ッるぐるがる?」(←訳:ってあのカブ?)

 そうですね、
 大抵の人は、活字マニアさんもそうでない御方も含めて
 はあ?
 って目を丸くするのじゃないかしら。

 かぶ。
 大きなかぶ。

 それって、むか~し絵本で読んだあの『大きなかぶ』のこと?

 auさんのCMでは、三太郎さんたちが
 うんしょうんしょと踏ん張っていましたよね、
 巨大なカブを地面から引き抜こうとする
 有名なあのお話のことでしょうか?

 あのお話と、文豪チェーホフさんが
 どこでどうやったらつながるんでしょう……?

「たぶんッ、きょうつうゥてんはァ!」
「がるる!」(←訳:ロシア!)

 はい、その通りなんですよ、実は。

 御本巻末の『訳者あとがき』で訳者・小宮山俊平が記しておられますが、
 『大きなかぶ』は、そもそもロシアの昔ばなし、なのだそうです。

「あはァ!ろしあァだからァ~」
「ぐる!」(←訳:かぶ!)

 カブは耐寒性に優れる作物です。
 気温が低くても、土壌の栄養値が豊かではなくても、
 けっこう大きく育ってくれる頼れるヤツ。
 そして、人間のみならず家畜たちにも
 食糧として大好評♪
 ロシア料理のボルシチにも
 赤カブは欠かせません。

 と考えてみると、
 ふむふむ、ロシアの昔ばなしの主役が『大きなかぶ』であることは
 大いに納得できますけれども。

 その『かぶ』噺を、
 チェーホフさんが“チェーホフ風”に料理したら。

「みじかいィ、けどッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:なんともまあ!)

 表題作品『大きなかぶ』は
 本文の7番目に収められています。

 おじいさんとおばあさんが育てる、
 『大きなかぶ』。

 わずか3ページにすっぽり納まってしまう短編作品に
 私ネーさが連想したのは……
 『竹取物語』!

「かぶがッ??」
「ぐるる!」(←訳:かぶが!)

 チェーホフさんの中で昔話がどう変換を遂げたのか、
 戯曲好きな御方もロシア文学好きな御方も、
 御自身の眼で確認してくださいね♪

 もちろん、ともに収録されているチェーホフさんの傑作
 『犬を連れた奥さん』
 『ワーニカ』
 『かわいいひと』といった作品も、
 そしてヨシタケ シンスケさんによる表紙画&各話の扉画も
 必読必見の面白さ!

「むずかしそうゥだけどッ?」
「がるるるぐるるがるるぐる?」(←訳:ホントは楽しいロシア文学?)

 先ずはチェーホフさん版『大きなかぶ』をとっかかりに、
 皆さま、ぜひ、一読を!
 

 
 
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バランス、取れてます?

2017-03-12 22:12:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うぐいすゥ~どこでスかッ?」
「がるる!ぐるるるがるぅ!」(←訳:虎です!行方不明だよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 3月も半ばになれば、梅にウグイス……のはずなんですけれど、
 今年はホケキョ♪の声が聞こえてきません。
 どこにいるんだウグイスく~ん!
 早く来ておくれウグイスく~ん!
 春の便りを待ちながらの本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
 
  



        ―― 文庫解説ワンダーランド ――



 著者は斎藤美奈子(さいとう・みなこ)さん、2017年1月に発行されました。
 ええ、新書です。
 外観は、堅苦しそうな新書です。
 しかし、騙されてはなりませんよ。
 この御本は、思いっ切り愉快な“文芸評論”系ノンフィクション!

「ぶんこのォ、かいせつゥ!」
「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:読書家さんにはお馴染み!)

 純文学でも小説でもノンフィクションでも、
 文庫化される作品、
 息長く版を重ねて刊行され続ける作品といえば、
 まず《名作》であることは間違いありません。
 たとえば、

  シェイクスピアさんの『ハムレット』。

  小林秀雄さんの『モォツァルト・無常という事』。

  松本清張さんの『点と線』『ゼロの焦点』。

「ふァいッ! めいさくゥでス!」
「がるぐーる!」(←訳:異議なーし!)

 《名作》たる文庫本に、
 大概の場合くっついているのが、
 《解説》という文章です。

 物語の背景、執筆当時の著者さんの境遇や状況など、
 詳しく記された文章は、
 より深く作品を理解したい読み手にとっては
 とてもありがたいものなのですが。

 ときには、
 トンデモない《解説》や、
 まったく的ハズレな《解説》もある?!?

「そッ、そんなッ??」
「ぐるるぅ?」(←訳:本当にぃ?)

 著者・斎藤さんがまず最初に血祭りに上げるのは、
 いえ、冷静沈着に一刀両断するのは、

 夏目漱石さん著『坊ちゃん』。

「ひょえええッ!」
「がるるぅ!」(←訳:大物だぁ!)

 言っておきますと、
 『坊ちゃん』そのものを貶しているのじゃないのよ。
 斎藤さんが指摘しているのは、

 文庫版『坊ちゃん』の《解説》、これでいいの?
 主人公・坊ちゃんとはこういう人物なのだと、
 解説者さんは決めつけてるんじゃなぁい?

 しかも、解説者さんによって言ってることが
 てんでバラバラって?

「なッ、なるほどォ~?」
「ぐるがるるる!」(←訳:混乱してきた!)

 太宰治さんの“超”《名作》、
 『走れメロス』の解説も、充分にヘンテコじゃない?

 『メロス』は友情と正義の物語……ですって?
 いやいやいや、
 メロスくんってすっごく性格に難アリな人物でしょ?
 メロスくんを“裁く”王様っていうのも
 圧制者さんな訳よね?
 そこらへん、完全にスルーしちゃう《解説》って、
 いいのかしらねえ?

「うむむゥ! ふくらむゥ~ぎもんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:つのる疑惑!)

 バーネットさん著『小公女』では。

 壺井栄さん著『二十四の瞳』では。

 高村光太郎さん著『智恵子抄』では。

 作品と《解説》は、はたして
 バランスが取れているのか?
 どこか、傾いちゃっていないか?

「ゆゥ~らッ、ゆゥ~らッ?」
「ぐるるるがるっ?」(←訳:揺れてるかもっ?)

 矛盾や破綻、
 ズレや亀裂をスパリずばりと追及しながらも
 ユーモアも忘れない著者・斎藤さんの分析には、
 活字マニアさんなら、
 アハハと笑ったり、
 そうだよね~と頷いてしまう箇所も多数、かもしれません。

「いろいろォ、かんがえさせられるゥ!」
「がるっるーるぐる!」(←訳:トリッキーな御本!)

 フィクション好きさんにも
 ノンフィクション派さんにもおすすめの鮮烈新書、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 
 
 
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