テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 光を刻め ~

2021-02-18 23:38:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、うすいィ~なのでスゥ!」
「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!雪よバイバイ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日2月18日は《雨水(うすい)》、
 ウグイスくんたちの鳴き声も
 聴こえてこようかという節気、ですね。
 桃の花がパフっとほころびるのを待ちつつ、
 さあ、読書タイムも春っぽく!
 ↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 東京藝大 仏さま研究室 ――



 著者は樹原アンミツさん、
 2020年10月に発行されました。
 『東京藝大』という題名に
 二宮敦人さん著の『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』
 を連想する方々もおられるかもしれませんが……

「こちらはァ、ふぃくしょんッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:小説なんです!)

 物語の舞台となっているのは、
 藝大――
 ただし。

 藝大は藝大でも、
 東京藝術大学大学院美術研究科の
 文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室、
 という、
 長~い名称を持つ研究室です。

 略称は《保存彫刻》、
 通称は《仏さま研究室》。

「なむゥ~」
「がるぐる~」(←訳:南無南無~)

 えへん、
 《仏さま研究室》で行われているのは、
 読経ではなく、
 文化財保存学の一環として
 彫刻の保存修復を研究する、こと。

 修復技術者になりたい!
 と願う学生さんにとって、
 仏像修理が学べる
 国内唯一の大学組織
 《仏さま研究室》は、
 ”憧れの地”であり、
 ”夢の空間”……だと思ったら?

「あくせんッくとうゥ!」
「ぐーるるがる!」(←訳:ハードル高し!)

 藝大はやっぱり藝大、
 なんでしょうか。

 修士生は2年に進むと、
 修了制作に臨まねばなりません。

  《仏像を一体、摸刻せよ》

 っていうこの課題が、
 簡単どころか、
 もう至難の極みで。

「くじけそうゥ!」
「がるるぅる~!」(←訳:泣いちゃう~!)

 『あたし』こと川名まひる さんは、
 すっかり頭を抱えてしまっています。

 ほんの一年、
 仏像について学んだだけで、
 国宝級の仏像を作れ、ですって?

 難し過ぎる~!

「だよねェ~」
「ぐるる~」(←訳:ですね~)

 第1章『三月 まひるは仏を探す』では
 まひるさん。

 第2章『五月、シゲ、木に煩悶する』では
 波多野繁さん。
 
 第3章『九月 アイリと不動明王』では
 弓削愛凛さん。

 第四章『十二月 ソウスケなんとか決断する』では
 斎藤壮介さん。

 と、各章ごとに語り手を替えながら、
 綴られてゆく
 《仏さま研究室》の青春と情熱と未来。

 アート好きな方々はもとより、
 仏像好きな方々にも
 激おすすめの快作を、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
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~ まっすぐ、見据えれば ~

2021-02-17 23:45:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐわわッ! きたかぜェ~ッ!」
「がるる!ぐる~る!」(←訳:虎です!冷た~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 そろそろ春本番……のはずが、
 明日は今季最強レベルの寒波が来るですって?
 急いでマフラーと貼るカイロを用意しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― ブロークン・ブリテンに聞け ――



 著者はブレイディみかこさん、
 2020年10月に発行されました。
 『――Listen to Broken Britain』と
 英語題名が付されています。

 前回記事で御紹介しました
 恩田陸さん著『日曜日は青い蜥蜴』に続いての
 エッセイ作品の登場となりますが、
 同じエッセイでも
 ブレイディみかこさんのこの作品は、
 時事エッセイ集、
 あるいは……”国情”エッセイと
 呼ぶべきでしょうか。

「いんぐらんどもォ、たいへんッなのでスゥ!」
「ぐるるるっるがるるる!」(←訳:ブレグジットだもんね!)

 この御本に収録されているのは、
 文芸誌『群像』に
 2018年から2020年にかけて
 連載していたエッセイ32編です。

 2018年から2020年……
 ええ、ネットやTV、新聞の
 国際ニュースの欄に
 幾度となく取り上げられていましたよね。

 UK、EUから離脱!

 そもそもの
 離脱の是非を問う投票時や、
 その後の政権内部のドタバタ、
 英国議会のゴタつき、と
 落ち着かない情勢のまま、
 コロナウィルスが大流行し、
 現在もロックダウンは継続。

 けれど、みかこさん御自身は、
 非常に落ち着いた、
 ”流されない”目線で
 周囲の転変を眺めます。

「れいせいィにィ!」
「がるるるるる!」(←訳:浮足立たずに!)

 2018年は……
 3月、ホーキング博士没。
 5月、ヘンリー王子とメーガン・マークルさん挙式。
 EU離脱に関連する問題や不安は
 増してゆく一方。

 2019年……
 英国の首相になったボリス・ジョンソンさんが、
 なにかヘン?
 髪型もヘンだけれど、
 行動も?

 2020年……
 日本と同じ現象が?
 まさか、コロナパニックで
 トイレットペーパーの買いだめが
 英国でも起きるなんて!
 そして、ロックダウン。

 社会を支えるために
 ロックダウン中も働いているのは
 低賃金労働者ばかり?

「むむうゥ~んッ!」
「ぐるるぅ!」

 世界にはびこる
 言葉にしがたい違和感を、
 確固とした言葉で言い表しているのが
 本文154ページの
 『後戻りができないほどの後退』。

 絶望的に拡大してゆく格差、
 極貧生活の暗黒、
 常設化するフードバンクへの疑問。
 ここから脱け出すには、
 人びとの尊厳と生活を取り戻すためには、
 どうすればいいのか。

「どこかにィ、あればァいいのにィ!」
「がるるぐる!」(←訳:明るい光が!)

 あとになって読み返せば、
 いかにも古びて感じられる
 時事問題ネタ。

 それも承知の上で、
 《現在》を真っ直ぐ見据える一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♫
 
  
 
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~ 《地図》のことば ~

2021-02-16 23:32:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐッ、ぐるぢィ~~ッ!」
「がるる!ぐる~がる~…!」(←訳:虎です!眼が~喉が~…!)

 こんにちは、ネーさです。
 悲しいことに、
 本格的な花粉シーズンが来てしまいました。
 外出時には、皆さま、
 マスクや眼鏡や目薬で完全防備してくださいね。
 では、花粉症に効くという
 ヨーグルトをパクリっと頂きながら、
 本日の読書タイムは、
 こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 日曜日は青い蜥蜴 ――



 著者は恩田陸(おんだ・りく)さん、
 2020年11月に発行されました。

 著者・恩田さん10年ぶりの新刊エッセイ集で
 語られているのは、
 少女時代のエピソードや、
 本のこと、
 舞台のこと、
 映画のこと……などなど。

「さすがはァ、さッかさんッ!」
「ぐるるがるる~!」(←訳:物凄い読書量~!)

 Ⅰ『人がすすめない読書案内』
 Ⅱ『読書日記』
 Ⅲ『ブラッドベリは死なない』
 Ⅳ『ひとの原稿は早い……はずだった』
 
 と、本文は大きく4つのパートに
 分けられていて、
 その殆どが読書にまつわるもの、
 と申せましょうか。

 中でも、
 本文151ページの
 レイ・ブラッドベリさん著『ブラッドベリ、自作を語る』
 についての書評である
 『ブラッドベリは《死なない》』は、
 最高のブラッドベリ論!

 ほんの数ページの文章であるのに、
 ブラッドベリさんの信念、心情、
 創作の原点までもが
 くっきり見えてくるような一編です。

「それからァ、こッちもォ!」
「ぐるるがる!」(←訳:鮮やかです!)

 本文220ページに収録されている
 『地図を作る』は、
 上橋菜穂子さん著『精霊の守り人』の
 文庫版解説です。

 これもまた、
 頁数は7ページ弱と
 決して長くはない作品なのですが、
 鋭く、厳しく、
 なおかつ柔らかな視点から
 異世界ファンタジーの本質を
 見極めてゆきます。

「うむむむゥ、なァるほどッ!」
「がっるる~!」(←訳:スッキリ~!)

 長年の疑問を
 見事にすっぱり一刀両断してくれた!
 と言いたくなる『地図を作る』、
 この御本のいちばんの読みどころ、
 かも知れません。

 ファンタジー作品への観方・読み方さえも
 変えてしまう一編は
 活字マニアさん必読の文学論ですよ。

「めいさくゥ、なのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:泣けてくるんだ!)
 
 そして、もう一編、
 おすすめしたいのは。
 
 本文27ページの
 『誰もが《ここに居ていい》と思える国こそ』。

 震災、オリンピック、
 大規模な開発……
 私たちが対面している諸々の問題に
 恩田さんが抱く想いとは?

 本好きな方々の琴線に
 熱く訴えかける
 《語り》の花束、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 
 
 
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~ 白い森と、白い村 ~

2021-02-15 22:37:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 にじィ、みましたでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるぅ!」(←訳:虎です!キレイでしたぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 雨上がりの夕方、
 空にはキラリンと虹が♪♫
 うんうん、何か良いことありそうじゃない?
 とニンマリしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



    ―― 【新版】 悠久の時を旅する ――



 著者は星野道夫(ほしの・みちお)さん、
 2020年10月に発行されました。
 『The Eternal Journey』と英語題名が付されています。

 それは、1972年のこと。

 一通の手紙が日本で投函され、
 アラスカへ配達されました。

 手紙の書き手は、
 当時二十歳の青年――
 星野道夫さん。

「おてがみィ、とどきましたでス!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:アラスカの村に!)

 きっかけは、
 新聞に掲載されたアラスカの地図でした。

 地図を目にした星野さんは
 アラスカに関する資料を
 神田の古書店街で集め、
 その中に、
 エスキモーの村シシュマレフの
 空撮写真があったのです。

「いかなくちゃッ!」
「がるる!」(←訳:ここへ!)

 思いの丈をこめた星野さんの手紙に、
 1973年4月、
 シシュマレフ村から返信がありました。

  《私たちはあなたを歓迎致します。》

「やッたあッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:行くぞアラスカ!)

 1973年夏、
 エスキモーの大家族の家で
 星野さんは3ヶ月を過ごしました。

 そして大学卒業後、
 気持ちは徐々に固まってゆきます。

 アラスカの自然や、
 そこに生きる人々の暮らしを
 写真を通して
 表現できないだろうか。

 星野さんは撮ります。
 村人たちの表情、
 氷の上に曳き上げられたクジラ、
 ツンドラを歩むカリブーたち、
 サケを獲るグリズリー、
 ホッキョクギツネの子ども、
 営巣するシロフクロウ、
 ブリザードの中のホッキョクグマ……。

「こおりィつくようなァ、くうきィ!」
「がるぐるるがる!」(←訳:森の匂いと湿度!)

 星野さんが撮影した
 自然の、動物たちの、ヒトの、
 狂おしいほどに《物語る》写真を見るうち、
 これは私ネーさのカンチガイかもしれず、
 いえカンチガイではないかも……
 と思うのは。

 現代の高精細なデジタル写真よりも、
 星野さんのフィルム写真の方が
 ずっとずっと美しい。

 立体感というんでしょうか、
 奥行きがあるというか、
 何かが……違う!

「ぐぐッとォ~」
「ぐっるがるるる!」(←訳:迫ってくるんだ!)

 雪解けの川音、
 オーロラの冬、
 空、雲、水辺。
 
 2012年に刊行された『悠久の時を旅する』に、
 星野さんの代表作10点と、
 村田真一さん、松家仁之さん、星野翔馬さんによる
 エッセイ3篇を加えた『【新版】悠久の時を旅する』は、
 写真はもちろん、
 文章の素晴らしさにも
 心打たれる一冊です。

 写真好きな方々も、
 旅好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪



 
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~ 胸に灯るは、椿の花 ~

2021-02-14 23:37:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あううゥ! こわかッたでスゥ!」
「がるる!ぐるっる~!」(←訳:虎です!長かった~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2月13日夜の地震は強い揺れが長くて、
 恐怖に膝がガクガクしてしまいました……
 これ以上の災害が起きぬよう、
 被害が無いようにと祈りながら、
 さあ、気持ちを切り替えて読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 乙女椿と横濱オペラ ――


 
 著者は水守糸子(みずもり・いとこ)さん、
 2020年11月に発行されました。
 丹地陽子さんによる表紙イラストの、
 愛らしいイラストからお分かりでしょうか、
 物語の舞台は――

「めいじィ~なのでス!」
「ぐるがる~!」(←訳:文明開化~!)

 新大河ドラマ『青天を衝け』は
 幕末~明治の日本を描く作品ですが、
 こちらの『乙女椿と横濱オペラ』は、
 明治時代の横浜、いえ、
 横濱を舞台とする小説です。

 明治45年。
 維新の動乱や
 日清日露の戦争も過ぎ、
 世情はひとまず落ち着きをみせていて、
 という頃。

 横濱の、或る女学校では
 不思議な噂が囁かれておりました。

 ……古椿が、化ける……

「ひいいいいィ~ッ!」
「がるる~!」(←訳:やめて~!)

 街角には瓦斯(ガス)灯が点り、
 鉄道の路線が東西南北へ延び、
 レンガで造られたビルも
 珍しくなくなってゆく――
 そんな時代にあっても、
 奇妙な話、怖い話は、
 すたれないようですね。

 女学校に通う茶木紅(ちゃのき・べに)さんも、
 化け椿の噂に
 ついつい耳を傾けてしまいます。

「きかないィほうゥがァ~いいィのでスゥ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:眠れなくなるよ!)

 いえね、実は、
 そこには充分な理由が
 ありまして。

 ひと月前のこと、
 紅さんの許嫁(いいなずけ)さんが、
 ふつりと姿を消したのは……

   化け椿の祟りではないか?

 なんて聞かされちゃったら、
 じっとしていられませんよねぇ。

「たたりィ??」
「がるる??」(←訳:ふつり??)

 椿の精に、さらわれたのか。
 それとも、
 神隠しか。

 許嫁の誠一郎(せいいちろう)さんの身を案じ、
 紅さん、ひそかに
 捜索に乗り出すんですけれども。

「あッ、あのうゥ!」
「ぐるるぅがるぐる!」(←訳:一人じゃダメだよ!)

 ええ、紅さんには
 助っ人さんがいます。

 紅さんのお父さんが所有する長屋の、
 一間を借りている
 時川草介(ときかわ・そうすけ)さん。

 売れない画家さんである
 草介さんを巻き込んで、
 紅さんが向かった先は……?

「おややッ? ここはァ~…」
「がる?」(←訳:東京?)
「ここにィ、こたえェがッ??」

 表題作『乙女椿と横濱オペラ』、
 『リボンの花幽霊』、
 『狗神の恋』
 と、連作3編が収録されている
 書き下ろし作品のそこここに
 立ち現れるのは
 椿の花言葉――

 《You are a flame in my heart.》
 (貴方はわたしの胸で輝く炎)

 紅さんの眼に映る
 椿の花のような物語を、
 皆さまも、ぜひ♪
 

 
 
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~ 際立つ!はずむ!デザインの世界へ ~

2021-02-13 22:28:19 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さらばッ、きりんさんッ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!ようこそ青空~!)

 こんにちは、ネーさです。
 『麒麟がくる』最終回の再放送も終わり、
 明日からは『青天を衝け』が始まりますね。
 コロナ禍の中、
 撮影に挑む演者さん&スタッフさんたちに
 声援を送りながら、
 さあ、本日は読書……をサボって、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 佐藤可士和 展 ――



 東京・六本木の国立新美術館 企画展示室1E にて、
 会期は2021年2月3日~5月10日
 (毎週火曜日休館、ただし2/23と5/4は開館し、2/24は休館)、
 『KASHIWA SATO』と英語題名が付されています。

「あッ! これェ~!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:見たことあるよ!)

  

 クリエイティブディレクター佐藤可士和さんの
 お仕事といえば、
 はい、↑こちら!

 『ユニクロ』さんのロゴ、
 展覧会会場である『国立新美術館』さん、
 『楽天』さん、
 『日清』さん……
 あら、『セブンプレミアム』さんや
 『くら寿司』さんも、
 佐藤さんの作品なんですね。

「めだちィまス!」
「がるぐる!」(←訳:一目瞭然!)
 
  

 佐藤さんは、
 トータルプロデュースもお手の物!

 『日清食品関西工場』(2019年)は、
 あの人気ロングセラー製品のデザインが
 そこかしこに見られます。

「びょういんもォ!」
「ぐるるる!」(←訳:幼稚園も!)
「おみせもォ、でざいんッしちゃいまスゥ!」

  

 この展覧会では、
 約30年にわたる
 佐藤さんの活動の全貌が
 紹介されています。

 なお、館内の混雑緩和のため、
 チケットは事前予約制(日時指定券)
 となっていますのでご注意くださいね。

 行ってみたい!行きたい!けど
 東京は遠いわ~…という御方は、
 国立新美術館のHPを
 覗いてみてくださいな。
 グッズの画像を眺めるだけでも
 楽しくなってきちゃいますよ~♪♫
 
 

 
 
    では、ここでおやつなオマケ画像も!
   
    『ミスタードーナツ』さんと
    『ピエール・マルコリーニ』さんがコラボした
    《ピエール マルコリーニ コレクション》の
    『フォンダンショコラドーナツ キャラメル』と
    『デニッシュショコラ ヘーゼルナッツ』、
    ええ、これがですね……
    「もうゥ、ほんとォにィ~…」
    「がるるる~!!」(←訳:美味しい~!!)
    ショコラの香りに包まれて、
    どうか皆さま、穏やかな休日を♪



    


  
 
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~ 氷原に刻む名 ~

2021-02-12 23:48:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪はるさきィこべにィ~♪」
「がるう!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!紅梅も咲いたよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 先日のロウバイ(蝋梅)に続き、
 今日発見したのは、紅梅の花!
 春の気配にほんわかしながら、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♫

  


 
    ―― その犬の名を誰も知らない ――



 著者は嘉悦 洋(かえつ・ひろし)さん、
 監修は北村泰一(きたむら・たいいち)さん、
 2020年2月に発行されました。
 
「むむッ? わんこッ?」
「ぐるっ?がる?」(←訳:うむっ?氷原?)

 御本の表紙になっているのは、
 氷原に佇む犬たちの写真……
 写真の右端に
 ソリが写っている点から、
 このワンコたちの役目が分かります。

 犬橇(いぬぞり)を曳くための、
 訓練されたワンコたち。

 では背景の氷原は、
 アラスカでしょうか、
 北極圏でしょうか、
 それとも……南極?

「じゃあッ、もしかしてッ?」
「がるぐるるるるるがる!」(←訳:このワンコたちの中に!)

 1959年、
 或るニュースが世界を駆け巡りました。

 南極に、
 置き去りにされたカラフト犬が
 生きていた!

「たろッじろッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:感動の再会!)

 人々の感動を読んだ《タロとジロの物語》は
 映画にもなりました。
 
 けれど、映画は、あくまで映画。
 脚色された”作品”です。

 ……本当は、どうだったのだろう?
 極寒の地で、何が起こったのだろう?

「ううむゥ! なぞォ、なのでス!」
「がるるぐるるるるるる!」(←訳:目撃者いないんだもん!)

 当時、
 新聞社の編集局で働いていた著者・嘉悦さんも、
 真実の追求!というより、
 単純な好奇心から
 取材を始めたのでした。

 監修者の北村泰一さんは、
 オーロラ研究を専門としつつも、
 第一次南極越冬隊で
 犬係を務めた御方です。

 北村さんにインタビューしたら、
 タロジロとの再会エピソードなど
 面白い話が聞けるだろう、と
 考えての取材活動だったのに……?

「いきなりィ~!」
「ぐるがる!」(←訳:衝撃発言!)

 タロジロの写真に見入りつつ、
 北村さんは言うのです。

   《もう一頭、
    生きていたんです》

 昭和基地で生きていた犬は
 タロとジロだけではなかった――
 もう一頭、
 カラフト犬が生き延びていた、と。

「むむむむゥ~んッ!」
「がるぐるっる!!!」(←訳:もう一頭って!!!)

 南極での出来事を
 嘉悦さんに問われ、
 北村さんは回想します。

 南極観測事業の始まり、
 カラフト犬たちとの対面、
 赤道を越える長い船旅と、
 天空に波うつオーロラ……。

「いぬぞりィ、じゅんびィかんりょうゥ!」
「ぐるる~!」(←訳:走るぞ~!)

 やがて、不意の別れが。

 そもそも、
 犬たちを置き去りにするなど
 まったく予定にはなく、
 北村さんも予想していませんでした。

 不幸なアクシデントの原因は、
 昭和基地放棄の命令が出されたこと。

 越冬観測計画は中止されてしまい、
 第一次隊から第二次隊への
 引き継ぎが出来なかったのです。

「しらなかッたでス!」
「がるぐっるるる……」(←訳:色々あったんだ……)

 そうして、
 1年後にタロジロと再会した北村さんでしたが、
 犬たちが生き延びた背景に何があったのか、
 嘉悦さんとの共同調査で
 ようやく知るに到りました。

 もう一頭、の存在。

 その犬の名前を。

「どきどきッ!」
「ぐるるる!」(←訳:ぞくぞく!)

 嘉悦さんと北村さんが、
 ひとつひとつ、
 丹念に事実を炙り出してゆく過程は、
 本当に手に汗させられます。

 ワンコ好きさん、
 近代史好きな活字マニアさんも、
 どうかぜひ、一読してみてくださいね♪
 

 
 
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~ 挿絵で愉しむ《西遊記》 ~

2021-02-11 23:35:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわふゥ! これはァ、みすまッちィ??」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!挑戦だねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 《ドラえもん》が《グッチ》とコラボ……!
 と聞いてビックリ、
 でもコラボ商品の画像を目にしてみれば、
 予想外な可愛らしさ♪
 問題はお値段よね~と苦笑しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

 


 
     ―― 西遊記 (新装版)――



 原作は呉承恩(ご・しょうおん)さん、
 文章は小沢章友(おざわ・あきとも)さん、
 絵は山田章博(やまだ・あきひろ)さん、
 2013年3月に発行されました。
 
「さいゆうきィ~!」
「ぐるるがるる!」(←訳:悟空の大冒険!)

 活字マニアの皆さまは、
 ご記憶でしょうか。

 2019年秋、
 ラグビーワールドカップに
 日本中が沸いている頃、
 小野不由美さん著《十二国記》の最新刊が刊行!
 台風襲来にもめげず、
 発売を待ちわびていた大勢の方々が
 書店さんに足を運んだことを。

「ずゥ~ッとォ、まッてたんだもんッ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ワクワクしながら!)

 そして、
 活字マニア諸氏を魅了する
 《十二国記》の醍醐味のひとつが、
 物語を彩る挿絵の数々、ですね。

 シリーズ全作品の装画&挿画を担当している
 山田章博さんのファンタジックな絵画は、
 『《十二国記》画集』で見ることが
 出来ますけれども……。

「そろそろォ、しんさくゥ!」
「ぐるるがるぐるる?」(←訳:次巻はまだですか?)

 《十二国記》の新作を読みたい!
 でも、まだ先のことなのかしら……と、
 しょんぼりしている方々に
 おすすめしたいのが、
 こちらの青い鳥文庫版『西遊記』です。

 表紙と
 本文内の挿絵はすべて、
 山田章博さんによるもの!ですよ。

「やまださんのォ、そんごくうゥ!」
「がるぐるぅ!」(←訳:最高ですぅ!)

 小説や映画、アニメ、マンガなどなど、
 多くの画家さんによって描かれてきた『西遊記』。

 山田さんが描く悟空くんは……
 超絶の身体能力&運動神経!

「すばやいィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:なんたる跳躍力!)

 この御本では、
 前半部分の殆どを
 “悟空が三蔵法師に出会うまで“
 に費やしています。

 独り花果山で生まれ、
 何者の助けも得られぬまま成長し、
 猿たちの王となり、
 仙人になろうと
 修行の旅に出る小さなおサルさんの半生は、
 なぜでしょうか、
 三蔵法師さまのお供となった後半の
 冒険に次ぐ冒険のシーンよりも、
 はるかに印象深い……。

「こどくなァたたかいィ、でス!」
「がるるぐるる!」(←訳:天をも畏れぬ!)

 山田さんの挿絵目当てに
 手に取ったはずが、
 読み始めてみれば、
 うふふ、
 小沢章友さんが綴る文章にもう夢中です。

 金角と銀角兄弟、
 牛魔王と鉄扇公主、
 『西遊記』のスター妖怪さんたちも
 大暴れしてくれますよ。

「ぶんしょうもォ、さしえもォ!」
「ぐる!」(←訳:迫力!)

 山田さんの挿絵を愛する方々、
 名作の魔力にどっぷりハマってみたい方々は
 一読してみてくださいね♪

 なお、山田章博さんは
 講談社青い鳥文庫の《三国志》シリーズでも
 イラストを担当しています。
 そちらも、ぜひ。
 
 

 
 
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~ 夢の飛行士 ~

2021-02-10 23:36:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 さみしィ~のでスゥ!」
「がるる!ぐるるるがるぐる!」(←訳:虎です!大好きなそのお声!)

 こんにちは、ネーさです。
 俳優・声優の森山修一郎さんの訃報を耳にし、
 私ネーさ、本棚を大捜索いたしました。
 森山さんといえば……森山さんといえば……
 あ! あった、ありましたよ!
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



 ―― 飛行艇時代 ポルコ・ロッソ『紅の豚』原作 ――



 著者は宮崎駿(みやざき・はやお)さん、
 1992年7月に発行されました。
 ↑画像の『飛行艇時代』は旧版のもので、
 現在は異なる装丁の新版が刊行されています。

「ぽるこォ~!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:森山さんの当たり役!)

 当たり役、というよりも、
 森山さん以外には考えられない、
 と申し上げるべきでしょうか。

 映画『紅の豚』の原作となったのは、
 雑誌『モデルグラフィックス』1990年3月~5月号に連載された
 宮崎さんのマンガ作品
 『飛行艇時代』――

 連載3回分を合計しても、
 わずか15ページの
 短編作品なのですけれども、
 内容は濃密!
 
 ストーリーの骨格は、
 映画化されたものとほぼ同じですし、
 台詞もそのまま、
 飛行艇を製作するピッコロ社も、
 フィオちゃんも、
 既に原作中で大きな存在感を放っています。

「うみィがァ、きれいィでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:海水の透明感!)

 空を描かせたら
 宮崎さんの右に出る者なし!
 そして、
 水や光線や稜線や雲……

 宮崎さんのアニメーション映画を知ってはいても、
 カラー彩色されたマンガ作品は
 見たことがない、という御方も
 多いかもしれません。
 
 この『飛行艇時代』と
 『宮崎駿の雑想ノート』で、
 宮崎さんの水彩画の素晴らしさを、
 ぜひ、実感してみてくださいね。

 

 
  では、ここでオマケ画像もちょこっと!

  ↓こちらは、帯が付いた状態で撮影したものですが……
  
  

  あららららっ? 
  表紙を捲れば、
  ページの間に挟まっていた↓これは、
  映画『紅の豚』公開当時のチラシ?

「わァほほゥ!」
「ぐっるる~!」(←訳:びっくり~!)

  

  私ネーさ自身もビックリですわよ。
  あ、↓こちらがチラシの裏面なんですけど……

  

 さらに!
 ↓宮崎さんへのインタビュー記事の切り抜き!まで
 一緒に挟まっていました。
 我ながらどんだけファンなんだ……。

「ぷひひッ!」
「がるるっ!」

  

 アドリア海を飛ぶ豚さん、
 貴方はいつだって私たちの夢の飛行士さんです。



  
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~ 窓が、扉が、夢を招く ~

2021-02-09 23:23:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、わんだふるゥ!」
「がるる!ぐぅーるがるる!」(←訳:虎です!シュールでした!)

 こんにちは、ネーさです。
 楽しくって大笑いしてしまう
 『PUI PUI モルカー』!
 ふぅ~…今日もカオスだったけど、
 来週もスゴイことに……?
 パニックの予感におののきつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 夢のホテルのつくりかた ――



 著者は稲葉なおと さん、2020年12月に発行されました。
 名建築として知られる
 38のホテルたちの物語が収録されています。

「おしゃしんッ、きれいィ~なのでス!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:絵になるぅ!)

 はい、そうですね、
 “絵になる“――
 それは、世界に通用する一流ホテルとしての
 条件のひとつ、と申せましょうが、
 美しい、だけでは足りません。

 美しいホテルの出発点は、
 事業者(オーナー)さんの情熱から。

 いえいえ、それでも
 まだ足りません。

 建築家さんが提出したプランを
 実現させる施工者さんがいて、
 内装を整え、
 什器をあつらえ、
 メンテナンスやサービスのスタッフさんが揃って、
 そうしてお客さんが訪れて、
 ようやく、ホテルは誕生する――

「どらまァちッくゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:ドラマそのもの!)

 軽井沢の鹿鳴館、と呼ばれるのは、
 三笠ホテル。

 関東大震災の後、
 街の復興を目指して企画された
 横浜のホテル・ニューグランド。

 大倉財閥創始者・大倉喜八郎さんの長男、
 大倉喜七郎さんをオーナーとする
 伊豆の川奈ホテル。

 ヨーロッパの山荘を想わせる
 雲仙ホテル。

 ウィリアム・メレル・ヴォーリズさん設計による
 佐藤新興生活館(現・山の上ホテル)。

「はわわァ~♪ どれもォ、おしゃれッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:比類なき貫禄!)

 建物が完成するまで数年、
 ホテルとして稼働し、
 軌道に乗るまでにも数年。

 けれど、その先にも、
 数多の苦難が。

 ホテルを維持し、
 次代へつなげてゆくことの、
 なんという難しさ。

 稲葉さんは
 巻末の
 《『夢のホテル』は、今》で、
 令和の時代を迎えた名ホテルたちの
 現在を見つめます。

 持ち主が替わり、
 名称も変わったホテル。
 ホテルとしての使命を終え、
 公共の建物となったもの。
 まだまだ現役!のホテル……。

「がんばッてェ!」
「がるるるるるる!」(←訳:生き延びるんだ!)

 コロナ禍の中、
 つらい思いをしているホテルたちに、
 ホテルで働く方々に、
 エールを送りたくなる一冊です。

 建築好きな活字マニアさん、
 写真好きな方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。

 
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