テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 白い森と、白い村 ~

2021-02-15 22:37:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 にじィ、みましたでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるるぅ!」(←訳:虎です!キレイでしたぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 雨上がりの夕方、
 空にはキラリンと虹が♪♫
 うんうん、何か良いことありそうじゃない?
 とニンマリしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



    ―― 【新版】 悠久の時を旅する ――



 著者は星野道夫(ほしの・みちお)さん、
 2020年10月に発行されました。
 『The Eternal Journey』と英語題名が付されています。

 それは、1972年のこと。

 一通の手紙が日本で投函され、
 アラスカへ配達されました。

 手紙の書き手は、
 当時二十歳の青年――
 星野道夫さん。

「おてがみィ、とどきましたでス!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:アラスカの村に!)

 きっかけは、
 新聞に掲載されたアラスカの地図でした。

 地図を目にした星野さんは
 アラスカに関する資料を
 神田の古書店街で集め、
 その中に、
 エスキモーの村シシュマレフの
 空撮写真があったのです。

「いかなくちゃッ!」
「がるる!」(←訳:ここへ!)

 思いの丈をこめた星野さんの手紙に、
 1973年4月、
 シシュマレフ村から返信がありました。

  《私たちはあなたを歓迎致します。》

「やッたあッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:行くぞアラスカ!)

 1973年夏、
 エスキモーの大家族の家で
 星野さんは3ヶ月を過ごしました。

 そして大学卒業後、
 気持ちは徐々に固まってゆきます。

 アラスカの自然や、
 そこに生きる人々の暮らしを
 写真を通して
 表現できないだろうか。

 星野さんは撮ります。
 村人たちの表情、
 氷の上に曳き上げられたクジラ、
 ツンドラを歩むカリブーたち、
 サケを獲るグリズリー、
 ホッキョクギツネの子ども、
 営巣するシロフクロウ、
 ブリザードの中のホッキョクグマ……。

「こおりィつくようなァ、くうきィ!」
「がるぐるるがる!」(←訳:森の匂いと湿度!)

 星野さんが撮影した
 自然の、動物たちの、ヒトの、
 狂おしいほどに《物語る》写真を見るうち、
 これは私ネーさのカンチガイかもしれず、
 いえカンチガイではないかも……
 と思うのは。

 現代の高精細なデジタル写真よりも、
 星野さんのフィルム写真の方が
 ずっとずっと美しい。

 立体感というんでしょうか、
 奥行きがあるというか、
 何かが……違う!

「ぐぐッとォ~」
「ぐっるがるるる!」(←訳:迫ってくるんだ!)

 雪解けの川音、
 オーロラの冬、
 空、雲、水辺。
 
 2012年に刊行された『悠久の時を旅する』に、
 星野さんの代表作10点と、
 村田真一さん、松家仁之さん、星野翔馬さんによる
 エッセイ3篇を加えた『【新版】悠久の時を旅する』は、
 写真はもちろん、
 文章の素晴らしさにも
 心打たれる一冊です。

 写真好きな方々も、
 旅好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪



 
コメント
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