「こんにちわッ、テディちゃでス!
あはッ! めをォさましたのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!水仙の芽が出たよ~!)
こんにちは、ネーさです。
風はまだ冷たくとも、
春の足音が着実に聞こえてきましたね。
これで花粉さえなかったら……と、
溜め息したりしつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、華麗にして豪快!なこちらの快作を、どうぞ~♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ad/d6c02374b721c43ada09fcedb526d2de.jpg)
―― 化け者心中 ――
著者は蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん、
2020年10月に発行されました。
小説野生時代新人賞を受賞し、
各メディアの書評でも絶賛されている
異色のミステリ作品です。
「むかァ~しィ、むかしィ!」
「ぐるるるる!」(←訳:お江戸の昔!)
それは、芝居か、マジックか。
いえ、マジックという言葉は
文政年間の江戸にはありませんね。
手妻(てづま)、でしょうかしら。
その場に居たのは、
6人の役者さんたち。
次に上演されるお芝居の、
前読みのために集まった彼らを照らす
蝋燭の灯りが、
ふっと揺らいだかと思うと。
ごろり。
6人の中央に、
生首が転がった!
「ひええええェッ!」
「がるる!」(←訳:うわあ!)
次の瞬間、
照明がすべて消え、
あたりは暗闇に。
やがて再び灯りが点いたとき、
室内の者は凍りつきました。
生首が、ない。
生首が転がっていた痕跡はあるのに、
どこにも、首はない。
それなのに、
6人の役者さんは……
1人も欠けず、揃っている。
「ふァ?」
「ぐるぅ?」
生首があって、
つまり誰かが亡くなったのなら、
役者さんは5人に減っている筈だけれど、
なぜ。
なぜ、減っていない?
なぜ、6人のままなのか?
「えッとォ、それはァ~…」
「がるるるるる!」(←訳:有り得ないよ!)
これは鬼のしわざだ、と言うのは、
芝居小屋の座元さんです。
鬼が、役者のひとりを食べたのだ!
そうして、
その役者になりすまし、
今も素知らぬ顔でいる……!
「おにィ??」
「ぐる?」(←訳:鬼が?)
毒には毒を。
闇に満ちた《謎》を解くには、
その身に闇を背負った人間を。
座元さんが呼び寄せたのは、
大阪生まれの元女形、
田村魚之助(たむら・ととのすけ)さん。
当代一の女形と、
大評判をとった人気役者さんでしたが、
3年前、ひいきの客に足を切られ、
舞台に立つことは叶わなくなった魚之助さんなら、
芝居小屋の表も裏も、
役者さんたちの暗い腹の内側も、
よぅく解っておりましょうから。
「……なんだかァ、あやしいィ!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:誰も彼も怪しそう!)
魚之助さんの相棒役を務めまするのは、
心優しい鳥屋(とりや)の
藤九郎(ふじくろう)さん。
ふたりは果たして、
鬼を探し当てることが
出来るのか……?
「むずかしィでス!」
「ぐるるるるるるる!」(←訳:見分けられないよ!)
魚之助さんの上方言葉、
藤九郎さんたちの江戸言葉、
どちらもすばらしくて、
ああ、この物語を講談で、
神田白山さんに演ってほしい!
なんて妄想しちゃったりする謎解き奇譚は、
ミステリ好きさんにも
時代小説好きさんにも
激おすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫
あはッ! めをォさましたのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!水仙の芽が出たよ~!)
こんにちは、ネーさです。
風はまだ冷たくとも、
春の足音が着実に聞こえてきましたね。
これで花粉さえなかったら……と、
溜め息したりしつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、華麗にして豪快!なこちらの快作を、どうぞ~♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/ad/d6c02374b721c43ada09fcedb526d2de.jpg)
―― 化け者心中 ――
著者は蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さん、
2020年10月に発行されました。
小説野生時代新人賞を受賞し、
各メディアの書評でも絶賛されている
異色のミステリ作品です。
「むかァ~しィ、むかしィ!」
「ぐるるるる!」(←訳:お江戸の昔!)
それは、芝居か、マジックか。
いえ、マジックという言葉は
文政年間の江戸にはありませんね。
手妻(てづま)、でしょうかしら。
その場に居たのは、
6人の役者さんたち。
次に上演されるお芝居の、
前読みのために集まった彼らを照らす
蝋燭の灯りが、
ふっと揺らいだかと思うと。
ごろり。
6人の中央に、
生首が転がった!
「ひええええェッ!」
「がるる!」(←訳:うわあ!)
次の瞬間、
照明がすべて消え、
あたりは暗闇に。
やがて再び灯りが点いたとき、
室内の者は凍りつきました。
生首が、ない。
生首が転がっていた痕跡はあるのに、
どこにも、首はない。
それなのに、
6人の役者さんは……
1人も欠けず、揃っている。
「ふァ?」
「ぐるぅ?」
生首があって、
つまり誰かが亡くなったのなら、
役者さんは5人に減っている筈だけれど、
なぜ。
なぜ、減っていない?
なぜ、6人のままなのか?
「えッとォ、それはァ~…」
「がるるるるる!」(←訳:有り得ないよ!)
これは鬼のしわざだ、と言うのは、
芝居小屋の座元さんです。
鬼が、役者のひとりを食べたのだ!
そうして、
その役者になりすまし、
今も素知らぬ顔でいる……!
「おにィ??」
「ぐる?」(←訳:鬼が?)
毒には毒を。
闇に満ちた《謎》を解くには、
その身に闇を背負った人間を。
座元さんが呼び寄せたのは、
大阪生まれの元女形、
田村魚之助(たむら・ととのすけ)さん。
当代一の女形と、
大評判をとった人気役者さんでしたが、
3年前、ひいきの客に足を切られ、
舞台に立つことは叶わなくなった魚之助さんなら、
芝居小屋の表も裏も、
役者さんたちの暗い腹の内側も、
よぅく解っておりましょうから。
「……なんだかァ、あやしいィ!」
「がるぐるがるるる!」(←訳:誰も彼も怪しそう!)
魚之助さんの相棒役を務めまするのは、
心優しい鳥屋(とりや)の
藤九郎(ふじくろう)さん。
ふたりは果たして、
鬼を探し当てることが
出来るのか……?
「むずかしィでス!」
「ぐるるるるるるる!」(←訳:見分けられないよ!)
魚之助さんの上方言葉、
藤九郎さんたちの江戸言葉、
どちらもすばらしくて、
ああ、この物語を講談で、
神田白山さんに演ってほしい!
なんて妄想しちゃったりする謎解き奇譚は、
ミステリ好きさんにも
時代小説好きさんにも
激おすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫