「こんにちわッ、テディちゃでス!
たからかなァ~まどべのォうたごえェはァ~♪」
「がるる!ぐーるるるぅ!」(←訳:虎です!ホーホケキョ!)
こんにちは、ネーさです。
五月の朝の始まりは、元気なウグイスくんによる
大音響の『ホーホケキョ』となりました……
やや寝不足気味の頭を抱えながらも、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♫
―― 江戸の女子旅 ――
著者は谷釜尋徳(たにがま・ひろのり)さん、
2023年2月に発行されました。
『旅はみじかし歩けよ乙女』と副題が付されています。
前回記事では瀬戸内を特集した月刊誌『SAVVY 6月号』をご紹介し、
いいなあ、じっくりゆっくり瀬戸内を周遊してみたいなあ、と
旅心を刺激されましたが、
こちらの御本でも、
似たような《旅への憧れ》が発動しちゃってるもようで……?
「いまもォ、むかしィもォ~」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:みんな旅が好き!)
江戸時代。
戦国の世が終わり、国々をつなぐ街道は整備されて、
治安も良くなって……と来れば、
ヒトはひとつところに留まっていられなくなります。
あの山の向こうは、どうなっているんだろう?
何があるんだろう?
好奇心の高まりを覚えたのは、
もちろん男性だけではなく。
「じょせいもォ、おでかけェしまァ~ス!」
「がるぐる!」(←訳:西へ東へ!)
男性のグループ旅行に女性も参加して、
あるいは女性だけのグループ旅行が目指すのは、
多くの場合《○○参り》だと申せましょうか。
お伊勢さん、金毘羅さん、
善光寺さんや、日光山など、
寺社への参詣を目的とする旅は、
江戸中期以降、津々浦々に広まりました。
その旅の様子を、著者・谷釜さんは、
第1章『旅立ちの前に』
第2章『女性たちはどのように歩いたのか』
第3章『女子旅の困難』
第4章『女子旅の家計簿』
第5章『女子旅の楽しみ』
第6章『女性たちの旅グルメ』
と、6つの章に分けて追いかけてゆきます。
「きほんはァ、あるきィ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:ワラジ必携です!)
旅の目的地やルートにもよりますが、
総歩行距離は短いもので300㎞、
長いものだと3000㎞に迫る旅もあり、
一日当たりの歩行距離は10㎞から
猛者級60㎞も、とさまざま。
関所で苦労し、
難所では疲労困憊、
旅費を用意して、
為替による送金も準備したり等、
なかなかハードルが高そうですけれど。
「いちどォ、たびィしたらァ~」
「がるるるるる!」(←訳:やめられない!)
旅の途中、あるいは旅先で女性たちが楽しむのは、
美しい風景や、お買い物、芝居見物、
土地ごとの食事、おみやげ。
華やかなエンターテインメントに
やんやと拍手し、
家族親類知人へのおみやげを買って、
安倍川もちや西瓜、
お茶漬けに舌鼓を打つ。
って、これ、現代の旅そのまま、
ほぼ変わらないじゃありませんか。
「ふふふッ! たびィはァ、いつのォじだいィもォ~」
「ぐるるる!」(←訳:旅なのだ!)
江戸の時代から
日本は観光立国だったのか?
ともかくも、長い道中、どうかご無事で!
《旅》に憧れる江戸の女子たちを
悠然と見守るノンフィクション作品は、
歴史好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
旅のトップシーズンであるGWの只中、
街道をゆく賑やかな一団を思い浮かべながら、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪