「こんにちわッ、テディちゃでス!
かッ、かみなりィ~!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!豪雨も~!)
こんにちは、ネーさです。
久しぶりに雨が降って、気温が見る見る低下……!
そう、これ! これくらいがちょうど良いのよ、とホッとしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 四十九夜のキセキ ――
著者は天野(あまの・しょうこ)さん、
2022年11月に発行されました。
『四十九夜』は『しじゅうくや』とお読みくださいね。
「はじまりィはァ~…」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:ささやかな奇跡から!)
鈴村里帆(すずむら・りほ)さんは、
吉祥寺の駅から程近い
井の頭(いのかしら)図書館で
司書の職に就いています。
今日もお仕事を終えて、
西荻窪の自宅へ帰ろう!としたら。
うわあ、タイヘンです。
轟く雷鳴、降りしきる雨、
どこかで落雷があった影響で、
JR中央線は運転見合わせ中。
「ちゅうおうせんッあるあるゥ~でスよゥ!」
「がるる~」(←訳:だよね~)
駅周辺は大混雑となって、
バスやタクシー乗り場には大行列ができています。
これは仕方ない、
雨宿りするしかないと
里帆さんはお気に入りの小さなブックカフェへ
出向いてみれば……えっ? ここも?
「ひとがァ、いッぱいィ~!」
「ぐるがる!」(←訳:ほぼ満員!)
相席になってしまいますが、
と案内された二人がけのテーブル席には、
先客さんがおりました。
その先客さんが読んでいる本は……あららっ!
「おなじィ?」
「がるるぐる!」(←訳:同じ本だよ!)
見知らぬ先客さんの本と、
里帆さんが自分のバッグから取り出した本は、
まったく同じ書物。
アレグザンダー・ケントさん著
『海の勇士/ボライソー・シリーズ四巻 栄光への航海』。
現在では入手もちょっと困難な、
こんな珍しい本を読んでいるなんて、
なんという偶然!
かくして、初対面のお二人は
本を話題に意気投合いたします。
このまま、友情を深めてゆくのかと
読み手の私たちが期待しそうな雰囲気……
なのですが、実は。
「まさかのォ、てんかいィ??」
「ぐるるるるる~!」(←訳:信じられない~!)
のびやかな《恋》を予感させる物語は、
ああ、予想を裏切る方向へ。
里帆さんが何を知り、何を想うことになるのか、
もっとお喋りしたいところですが、
いえ、もうこれ以上は、ネタバレに直結しちゃうので、
グッと我慢して控えねばなりません。
ふんわりミステリアスなSFや
ファンタジー作品好きな方々におすすめですので、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪