第3225回に続いて又しても薄膜太陽電池の話題です。薄膜式の弱点はシリコン結晶式に比べて変換効率が悪いところですが、画期的な技術が開発されたそうです。
EDリサーチ社より 2008年7月17日 産総研、フレキシブルなCIGS太陽電池で変換効率17.7%を達成 独立行政法人産業技術総合研究所太陽光発電研究センター化合物薄膜チームは08年7月16日、帝人の協力を得て、非Si系材料であるCIGS薄膜を用いたフレキシブル太陽電池のエネルギ変換効率を飛躍的に高める技術を開発した、と発表した。この技術によりセラミックス、金属箔、ポリマなどさまざまなフレキシブル基板を用いた高性能な太陽電池の作製に成功した。Cu、In、Ga、Seからなる半導体材料CIGSを用いた太陽電池は光電変換層の厚さを数μmと薄くできる。この利点を生かし、曲面への設置やもち運びが可能な、軽量でフレキシブルな太陽電池への応用が期待されているが、これまでフレキシブルCIGS太陽電池の高性能化は困難であった。今回、新しいアルカリ添加制御技術の開発、およびポリマ基板の新しいハンドリング技術の開発を行い、フレキシブルCIGS太陽電池のエネルギ変換効率を大幅に向上させた。同研究成果は08年7月28~29日に日本科学未来館で開催される「第4回産業技術総合研究所太陽光発電研究センター成果報告会」、および9月1~5日にバレンシア(スペイン)で開催される「第23回欧州太陽光発電国際会議」で発表する。 産総研は図1に示すように裏面電極層を形成する前に、安定なアルカリ化合物であるケイ酸塩ガラス層(ASTL)を基板上に形成し、この層の製膜条件の制御により、裏面電極層を通過してCIGS光吸収層に取り込まれるアルカリ量を制御する技術を開発した。この技術により再現性良く、しかも簡便にアルカリ添加を行うことができ、CIGS太陽電池のエネルギ変換効率の大幅な向上が実現した。表面が平滑なセラミックスを基板として、ASTL法を用いて作製したフレキシブルCIGS太陽電池は小面積セルの真性変換効率として17.7%(図2)を達成した。また表面がやや粗いチタン箔を基板に用いた場合でも17.4%を達成できた。 何だか薄膜式の元気が良いですね。本当に薄膜式の時代がくるのでしょうか。安くて、変換効率も良いとなるとシリコン結晶式が逆転されるのも本当になるかもしれませんね。 早く実現して欲しい! |