第3786回で取り上げたオバマ大統領の「反ウォール街」姿勢が世界の賛同を集めているようです。
【ダボス(スイス東部)=是枝智】世界の政財界のトップが集まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、オバマ米大統領が打ち出した大幅な金融規制強化案について、各国政府や金融当局者から支持する声が相次いでいる。
新たな規制で収益低下が見込まれる金融機関の首脳は反発しているものの、国際的な規制強化につながる可能性が出てきた。
サルコジ仏大統領は27日夜の演説で「銀行の役割は投機ではない。オバマ大統領が『銀行に投機や投機的なファンドへの資金供給をやめさせる』と言ったのは正しい」と明言。世界的な金融危機の一因となった銀行の暴走を「金融資本主義の失敗」と切り捨てると、会場を埋めた聴衆から大きな拍手がわき起こった。
ダボス入りした欧州中央銀行のトリシェ総裁は米紙インタビューに「米国案は経済に資金が回るように銀行に求めている我々の立場と同じ方向にある」と語った。メルケル独首相は国会で「金融機関の巨大化を防ぐルール作りが必要だ」と述べ、事業規模を制限する米提案を支持する声が欧州で広がってきた。
中国の李克強副首相も28日のダボスでの演説で「国際的な金融規制の強化が必要だ」と強調した。
一方、銀行トップらは「世界貿易や経済に深刻な影響を及ぼす」(英銀バークレイズ)と新たな規制強化に神経をとがらせている。欧州を中心に「米国案支持」の動きが広がれば、日本を含めて世界的な金融規制の議論に影響を与える可能性があるだけに今後、米国が示す規制案の具体的な内容に注目が集まっている。(2010年1月30日)
面白くなってきそうです。もし世界の首脳たちが本気で金融規制に取り組み、マネーゲームをなくすることに成功すれば政治も経済も今よりずっとやり易くなるのじゃないでしょうか。
為替の変動で利益が一瞬にして吹っ飛んでしまうような状況では会社の経営など成り立つ訳はありません。
金融機関の度が外れた報酬や破綻すれば国のお金をつぎ込んで救済するなどというどう考えても理屈に合わないことが行われているようでは誰が真剣に努力をしようとする気になるでしょうか。
やっと、世界の指導者たちがこんなおかしなことを野放しにしてはいけないと、規制に乗り出そうとする気になったとすれば大歓迎です。しかし、どこまで本気で取り組むかまだまだ信用できません。
しかし、できるだけ早くこの問題に取り組まない限り世界の努力は無駄に終わることになるでしょう。少しは希望の持てる方向に進みそうなのかもしれません。
これは見ものです!