太陽光発電と 太陽風呂の一体化による太陽エネルギーの有効利用がなぜ進まないのかとこの部屋でも何度か書いてきました。技術問題 というよりはコストの問題なのでしょうが本当に進まないですね。太陽電池の変換効率が飛躍的に良くなれば問題ないの でしょうが、そちらの方もそう簡単には行かないようです。
今までとちょっと違った両方利用で効率を上げる開発がされているようです。これは面白いかもしれません。
WIRED.jpよ り 2013.5.1 WED
通常の太陽光発電では太陽光のうち最大30%しか利用できないが、IBMは残りの7割の多くを熱として再利用することで、 システム全体の熱損失を入射エネルギーの約20%まで減らせる「HCPVT(High Concentration Photovoltaic Thermal)」を開発した。
チューリッヒにあるIBM 研究所は4月22日(現地時間)、IBM社のスーパーコンピューター技術を応用した冷却システムにより、集光型 太陽光発電(CPV:concentrated photovoltaic)の全体的な効率を劇的に向上させることに成功したと発表した。
同研究所に設置されたシス テムは「HCPVT(High Concentration Photovoltaic Thermal)」と呼ばれ、他のCPVと同じように、入射する太陽光をパラボラ反射鏡で集めて太陽電池に集中させている。反射鏡は追跡システムを使って 太陽の動きを追い、太陽光を2,000倍にして高効率のトリプルジャンクション太陽電池が搭載されたセンサーに 集中させる。
こうしたシステムでは、1 平方センチメートルの太陽電池チップ1枚で日中に平均200~250Wの電力が生成され、これは入射した太陽光 のうち最大30%を利用していることになる。そして残りの70%のエネルギーは通常、熱として失われる。しかし IBM研究所の技術では、水を使ってその熱の多くを再利用することにより、システム全体の熱損失を、入射エネル ギー全体の約20%まで減らせるようになったという。…中略
IBM研究所が開 発したHCPVTシステムでは、Aquasarと同じように直径50~100μmのマイクロチャネルを使って、 水を熱源(Aquasarの場合はCPUだが、このシステムでは太陽電池)のすぐ近くまで運んでいる。そのた め、より大規模な水路を使うほかのシステムと比べて、熱抵抗が1/10まで削減されるという。
IBM研究所で は、副産物としての熱を利用することで、水を浄化したり、吸収式冷凍機(吸収力の高い液体に冷媒を吸収させて発 生する低圧によって、別の位置の冷媒を気化させて低温を得る冷凍機)で建物を冷やしたりできるシステムを検討し ている。
研究チームは今回、4cm 四方の太陽電池チップを搭載し、約1kWを生み出す試作品を作成した。今後は、25cm四方の太陽電池チップを 搭載する100平方メートルのシステム(以下の想像図)を作成したいと考えている。こちらは25kWの電気と 50kWの熱を生み出せる予定だという。
試算によれば、サハラ砂漠 の2%をこのHCPVTシステムで覆い尽くせば、世界の電力需要を満たすことができるという(送電の問題は別の 話だが)。もちろん、このシステムは砂漠に限らず、世界のどの場所でも使える。熱を利用できるため、応用例が広 いという。
このシステムは5年前から 開発が行われているもので、最初はエジプトのナノテク研究センターと共同で研究が行われていた。
こういうのが本物になって欲しいもの です。サハラ砂漠の2%で世界の電力需要が賄えるというのは凄過ぎて実感できませんが、兎に角太陽の光と熱の両 方を活かすことは絶対に人類が目指すべき方向だと思います。
こういう研究に世界が共同で取り組めは、原発問題もなくなるのですが中々そうは上手くいかないようです ね。ここはやはり日本が世界を統一する必要があるのかも。その前に堕落した日本人で日本が無くなる方が速そ うな気がするのが悲しいところです。
いずれにしても、太陽の光と熱の有効利用こそ地球の未来を救うのじゃないでしょうか。何といっても人類 は太陽のお陰で生きているのですから。
やっぱり太陽 だ!