▽多桑 父さん(1994年 台湾 144分)
原題/A Borrowed Life 多桑
監督・脚本/呉念眞(ウー・ニェンチェン)音楽/江孝文(ジャン・シャオウェン) 林慧玲(リン・ホェイリン)
出演/蔡振南、蔡秋鳳、鍾侑宏、程奎中、傳窩
▽1991年1月12日、皇居
日本贔屓という設定がなければ、あまりに辛すぎる内容。
よくもこれだけ物悲しく居たたまれない映画を作ったもんだと、感心はするんだけど、ちょっとね。
いや、もちろん、現実を見据えた映画もあっていい。
あっていいんだけど、日本の統治時代によほど好い日本人と知り合えたのか、ともかく、日本が好きで好きで仕方がなく、日本に憧れて、いつかかならず富士山と皇居にいきたいと願いつつも、まあいろいろと運も悪かったのか、炭坑の閉山とともに生活も苦しくなり、麻雀賭博に明け暮れ、ようやく炭坑の責任者になったときには、胸を患ってて、結局、日本へ行くっていう夢を果たせないまま死んじゃうっていう、ただひたすら、饐えた現実だけが淡々と語られる。
不幸だと思ってる人にはあまりにも居たたまれない。
で、ちょっと勧められないかもしれないね。