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☆=☆☆☆☆☆
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◇=☆☆☆
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▽=☆

ヴィレッジ

2007年03月25日 12時49分51秒 | 洋画2004年

 ◇ヴィレッジ(2004年 アメリカ 108分)

 原題/The Village

 監督・脚本/M・ナイト・シャマラン 音楽/ジェームズ・ニュートン・ハワード

 出演/ブライス・ダラス・ハワード ウィリアム・ハート シガニー・ウィーヴァー

 

 ◇人間牧場

 なぜか、とっても期待してた。

 ナイト・シャマランの世界は常に箱庭が意識されてる。登場人物たちの置かれている世界と外界とは完全に区別され、それがどんでん返しの形をとって示されることで、ある種のカタストロフを迎えるわけだけど、今回の話くらいは「1897年という設定のまま終わってほしかったな~」っておもうんだよね。

 まあ、納得できたからいいんだけど、でも、この作品は大作だし、衣装デザインをはじめ村そのものを作り上げた部分が評価できるだけに、最後まで19世紀の雰囲気をおしとおしてほしかったわ。

 そうでないと、実をいうと、いろんなところで破綻が生じる。

 いったい、国立公園の中に村を作るということが許されるのかとか、村人のどういう人間だけが事実を知る権利を与えられるのかとか、この共同体は国が作っているのだとしたら募集はあるのかとか、村が19世紀の村でないという現実をなにも知らない村人たちは知る日が来るのかとか、人権とか自由とかそういう最低限度の保障はありえるのかとか、外界と接触しないでいられることは不可能なのではないかとか、自分たちが外界に出なくても国立公園に立ち寄る外部の人間はいるだろうしそういう外界からの侵入に関しては武器を手に闘うのかとか。

 いあまあ、ほんと、挙げればきりがなくなる。

 だから、シャラマンには悪いんだけど、今回ばかりは、箱庭主義を棄てて、純粋な「ヴィレッジ」を作ってほしかった。

 全体的な雰囲気がとても好かった分、そう感じるわ。

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