◇恋愛適齢期(2003年 アメリカ 128分)
原題/Something's Gotta Give
監督・脚本/ナンシー・マイヤーズ 音楽/ハンス・ジマー
出演/ジャック・ニコルソン ダイアン・キートン キアヌ・リーヴス アマンダ・ピート
◇つまらない男と女にはなりたくない
ときどき、こんなセリフを聞く。
もう、年だから~とか、そろそろ、好い加減にしないとね~とかいった台詞だ。
かといって、
「だったらひっこんでろ、つまんない女だな」
とは、世の中の優しい男たちはいわないけど、心の中では多かれ少なかれ、そう、本能的におもってる。
結局、それって「自分が傷つかないための言い訳」なんだよね。ほんとは、まだまだ恋もしたいし、エッチにも興味があるのに、年を食ってきたっていうことをいいわけにして、ていうか、自分に対してそういいかせて、恋愛の場から身をひかせる。
なんでそんな防衛線を張るのかぼくにはよくわかんないけど、そういうところ、欧米の連中はたいしたもんだ。
「恋に歳は関係ないんだよ」
って、かろやかにいいきってくれる。
けど、だからといって、どんな相手でもいいってわけじゃない。自分にとって魅力的な異性かどうかっていう見極めが大切だ。そんなことを映画にしちゃうのが欧米で、この作品も、人生の寓話が大好きな米国人の考えそうな物語なんだけど、ほんと、うまく作ってる。
キアヌ・リーブスは本気で年上の女性が好きみたいだから、還暦になっても爽やかな魅力をふりまいてるダイアン・キートンなんか、まさに理想の異性像なのかもしれないね。
けど、それよりなにより、ジャック・ニコルソンだ。古希になっても凄腕の女誑しが演じられ、それでいて可愛い男を演じられる役者なんて、なかなかいない。
凄いぞ、ジャック!