◎カポーティ(2005年 アメリカ 114分)
原題 Capote
staff 原作/ジェラルド・クラーク『Capote』
監督/ベネット・ミラー 脚本/ダン・ファターマン
製作総指揮/ダン・ファターマン、フィリップ・シーモア・ホフマン、
ケリー・ロック、ダニー・ロセット
撮影/アダム・キンメル 美術/ジェス・ゴンコール
衣装/カシア・ワリッカ=メイモン 音楽/マイケル・ダナ
cast フィリップ・シーモア・ホフマン キャサリン・キーナー クリフトン・コリンズ・ジュニア
◎1965年『冷血』発表
都会的な文化人なんだろうけれども、
なんともいけすかない野郎を印象させる見事な演技だ。
とおもってたら、フィリップ・シーモア・ホフマン、製作総指揮も兼ねてるのね。
カポーティが世の中に認められたのは、1959年、
『ティファニーで朝食』を発表したときだった。
で、作家としての地位を固めようと選んだのが、
カンザス州の田舎町で農家の一家4人が惨殺された事件だ。
ザ・ニューヨーカー誌に連載予定で事件の調査に入り、
やがて犯人2人が逮捕され、死刑宣告を受けるんだけど、
この内のペリー・スミス(クリフトン・コリンズJr.)に接触したことが、
カポーティの失敗といえば失敗だったんだろう。
犯人との交流が深くなればなるほど、
事件の全容を白日のもとに晒すことに良心の呵責を感じるようになり、
やがて、それでも連載を進めて書籍にしてしまったことから、
ふたりの友情は粉微塵になる。
こうした過程を丹念に描いているのが、この映画だ。
フィリップ・シーモア・ホフマンは、
そういうカポーティ自身をしっかりと取材し、
まるでカポーティがそこにいるかのように演技してる。
いや、まじ、見事だった。
重苦しい映画ではあったけどね。