◇電送人間(1960年 日本 85分)
英題 The Secret of The Telegian
staff 監督/福田純 特技監督/円谷英二 脚本/関沢新一
撮影/山田一夫 美術/浜上兵衛 音楽/池野成
cast 鶴田浩二 白川由美 土屋嘉男 平田昭彦 田島義文 天本英世 松村達雄 児玉清
◇特撮とボク、その8
アトムの物質電送機の巻みたいだけど、
内容はかなり過激だ。
というより、凄い世界だ。
死体に認識章、軍用行李2号、銃剣殺人、
軍国キャバレー大本営、金粉ショウ、超ミニの水兵ガール、兵隊の呼込み、
酒の名は焼夷弾にミサイル、トランジスタに代わる絶対4度のクライオトロン…、
凄すぎだろ!
それにしても、クライオトロンってのをよくおもいついたもんだよね。
設定として、来るべき時代にトランジスタに取って代わる真空管の一種ってところが、
なんとも高度成長期らしくていいんだけど、
絶対温度四二度という低温を保たねばならないなんていう弱点をつけてるところがニクイ。
この当時、戦争中にとんでもない発明がなされてたっていう物語はたくさんあって、
まあそれほど、戦時中の軍隊の研究所は秘密のベールに包まれてたってことなんだろう。
陸軍はどんな戦術を考えてたのかな?
ニューヨークやワシントンに一個旅団くらいをいっぺんに電送しようとかしてたのかな?
そしたら、えらいことになっただろうな~。
でもさ、物質電送機ってのは、そもそも誰が考えたんだろね。
円谷英二はテレビを見てて、走査線の横縞模様に着目したって話だけど、
やっぱ、この映画が手塚治虫にも影響を与えたんだろうか?
ちなみに、これ、福田純の第2作目らしいんだけど、
もともと本多猪四郎が監督するはずが『宇宙大戦争』の撮影と重なったもんだから、
急遽、登板ってことになったらしい。
でも監督してよかったんじゃないだろか。
だって映画における代表作なんじゃないかって気がするんだけどな~。