☆厨房で逢いましょう(2006年 ドイツ、スイス 126分)
原題 Eden
staff 監督・脚本/ミヒャエル・ホーフマン 撮影/ユッタ・ポールマン
美術/イェルク・プリンツ 衣装/キャロル・ルチェッタ
音楽/クルストフ・カイザー、ユリアン・マース
cast シャルロット・ロシュ ヨーゼフ・オステンドルフ デヴィッド・シュトリーゾフ
☆官能料理(エロチック・キュイジーヌ)
どんな料理だ?
ておもったりするよね。
でも、そもそも料理には、いろんな「5」がある。
5味、5感、5色、5法。
5味っていうのは、甘い、鹹い、酸っぱい、苦い、辛いだ。
これは香道でもおんなじなんだけど、それはおいとく。
5感っていうのは、色、音、香、温、味。
5色っていうのは、白、黒、黄、赤、緑。
5法っていうのは、焼く、煮る、揚げる、蒸す、炒める。
日本料理の場合、炒めるのは生で食べることらしいんだけど、
インド料理は5種類の野菜とか5種類のスパイスとか、
ともかく5が大切な数字らしい。
でもまあ、
このあたりはちょっと好い加減で、すべて聞きかじり。
だから、あんまり信用ならないんだけど、
なにがいいたいのかっていうと、
そういう要素をすべて味わいつくせるのが、
人間の官能を刺激する料理ってことらしい。
もっとも官能を刺激するのは、実は衣のあるもので、
いちばんわかりやすいのがとんかつで、
これは官能をいちばん刺激するみたいだ。
で、この作品なんだけど、
人妻に憧れを抱いている一流の腕前を持ったシェフことヨーゼフ・オステンドルフと、
かれの料理がたまらないほど好きになってしまった人妻シャルロット・ロシュの、
簡単にいってしまえば料理が結びつける恋の物語だ。
まあ、恋に落ちない前のふたりに強烈な嫉妬を抱いた旦那の暴力行為が、
料理店を潰してしまうばかりか、自分までも過失致死してしまうという展開で、
破産して投獄されたヨーゼフ・オステンドルフの屋台に、
子供をつれて彷徨っていたシャルロット・ロシュがようやく巡りついたところで、
次なる展開を予感させながら話は終わるんだけど、
途中までの料理がほんとにおいしいのかどうかは画ではよくわからないものの、
シャルロットの狂ったような食べっぷりと通いっぷりから、
ああ、料理ってのは凄いのになるとほんとに官能を刺激するんだな~、
てな気分になるから、たぶん、凄く美味しかったんだろう。
ま、
美味しいものが大好きな僕としては、この映画は好きだ。