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宇宙大戦争

2014年07月26日 21時28分28秒 | 邦画1951~1960年

 ◇宇宙大戦争(1959年 日本 93分)

 英題 Battle in Outer Space

 staff 監督/本多猪四郎 特技監督/円谷英二 原作/丘美丈二郎

    脚本/関沢新一 撮影/小泉一 美術/安倍輝明

    コンセプトデザイン/小松崎茂 音楽/伊福部昭

 cast 池部良 安西郷子 千田是也 土屋嘉男 伊藤久哉 沢村いき雄 桐野洋雄 高田稔

 

 ◇特撮とボク、その7

 劇中の設定は1965年となってる。

 てことは撮影時のたった6年後で、

 いくらなんでも国際宇宙ステーションはできてないだろうって、

 誰もおもわなかったんだろうか?

 あるいは、それほどこの時代の経済成長は高度だったんだろうか?

 ただ、たしかに1965年、日本人は未来と宇宙を夢見てた。

 ごま粒のようながきんちょだったぼくも、多少ながらそんな夢を見てた。

 絵を描けばかならずロケットは登場してたし、たいがい小松崎茂の絵がお手本だった。

 宇宙人が地球に大襲来してきて、これを迎撃するっていう物語の定番は、

 いったいいつからできていたんだろう。

 やっぱり『火星人襲来』とかからだろうか?

 ただ、ナタール星人っていう名称がなんかしっくりこない。

 いったい、かれらは地球を征服してどうしたかったんだろう。

 なんで、大襲来をしてこなくちゃいけなかったんだろう。

 そのあたりの深みがないのはまあ当時らしくていいんだけど、

 ま、そんなことはさておき、

 演技陣がいい。

 千田是也のきわめて自然な演技はたいしたもので、

 大仰な芝居の多いこの時代に、よくもまあこんなに素朴な喋りができたもんだ。

 土屋嘉男はちからいっぱいの芝居だけど、でも、月面の歩き方が実にいい。

 三宅島の溶岩地帯で撮影したらしいんだけど、いや~リアルだ。

 たったひとりだけ、月の重力を表現できてる。

 とはいえ、月面探検車に全員で戻るときには、みんな、土屋歩きになってるけどね。

 でも、なんといってもいいのが、安西郷子だ。

 演技というんじゃなくて、そのエキゾチックな存在感だ。

 もともと日本人ばなれした顔立ちながら、この時期はきわだって美しい。

 こういうインターナショナルな作品にはよくはまるよね。

 でも、なにより凄いな~とおもったのは、伊福部昭だ。

 ラスト20分の戦闘場面は、もはや特撮の当時の限界をおぎなって余りある。

 いやもうブラスの連中の息が続かなくなっても、

「かきならせ!」

 とばかりに延々吹奏されつづけるんだから、凄まじい。

 実際、胸を躍らせないわけにはいかない。

 いや~堪能したわ。

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