Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング434. 小説:小樽の翆363. 二度婚の勧め 

2021年05月04日 | Sensual novel

 

 ベーヤンのアトリエも、機材や書類が所狭しとおかれて、仕事をしているという感じがいいよね。さて・・・

ベーヤン「二度目の結婚でラブラブなカップルって結構いるんだよ」

「そりゃ当然だよ。だってセックスの出逢いで始まり、つきあっているうちに可愛いなと思う。セックス、恋愛、結婚という順序がただしいもん」

ベーヤン「二度婚の勧めって、あるとおもわないかい?。恋愛、結婚、仮面夫婦という間違った順序を選択したら場合の救済策かな」

「だって仮面夫婦をしていると浮気するじゃん。皮肉にもお妾さんとセックスで相性が良かった。そんなときはさっさと二度婚だよね

ベーヤン「うちも仮面夫婦だから、娘が生まれてからセックスレスだよ。二度婚したろかな」

「つまりベーヤンは和恵さんと暮らしたいというわけだろ。それいいと思うよ。でも奥さんの女としての意地かあるから許さないよな。だから妾でいいんではないかい。日本の首相の吉田茂だって、最後はお妾さんにおくられていったよ。和恵さんなら、そんなこと気にしないと思うよ」

ベーヤン「二度婚ありだよな。若い頃はよくわからなくて回りの言いなりなって結婚したけど、しまった!、順序を間違えと思った時には、家に嫁がしっかり鎮座してるんだよ。あれみると失望だよ」

「人間は初婚で100パーセント失敗するから、二度婚が正解だよ。女ってセックスよりも結婚して家に鎮座したいという願望が強いから、そんな女に恋心はわかないよ」

ベーヤン「じゃ若いときは同棲の勧めだ」

「同棲なら飽きたとき簡単に別れられるから、若いときは同棲で十分でしょう。同棲していて気づくんだよ、映画のような恋愛は、オキシトシンの分泌のなせるわざだと・・・。オキシトシンの分泌は、一発やりたいという欲望だから、それを恋愛と読み替えてもねぇー、まあ無理筋だよね」

ベーヤン「和恵と暮らす家を設けようかなぁー」

「それいいんじゃん。もう子供をつくる義務からは開放されたから、大人の恋愛を楽しむべし、だね。女って子供ができると、子供の世界に入り込んじゃうじゃん。それに子供を中心に家が回るなんて狂っているとしか思えない。それで運良く旦那の元に戻ってきたときには、婆だよ。日本人は少ない子供を異常に溺愛しすぎるんだよ。それは絶対におかしいぜ。少子化が生んだ弊害だろう」

ベーヤン「あるある、子供を溺愛し、教育はとか、うるさくてさ、旦那はほっておかれるというのがが、うちにも・・・」

「子供はほっといても育つ、フランスでは寄宿舎に幼少の時から預けっぱなしだよ。むしろほっといた方が、子供が自分の世界を築く意識が育つよな。いまはなんでも親が与えるから自立心がないよねぇー。それっておかしいよ!」

ベーヤンと二度婚の勧めに話をしていたら、もう古びた仕事場に夕方の陽射しがはいってきた。

さて、昼酒をお開きにして、そろそろ小樽に帰りますか・・・

・・・

冷たい空気のなか、夕方の斜めの光が街を立体的に見せている。

そんな札幌の街を歩きながら、駅をめざした。

コメント
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