今回初めて神戸空港発の飛行機で新千歳へ向かう。
いつも空港の小さな棚からなにがしかの文庫本を選んで、機内で読んでいる。
今回は、福島第1原発(F1と呼ぶ)事故の自治体側から書かれた文庫本(注)を読んでいた。
例えば、役所はどんな場合にも文書が必要だが、そこに悶々表現というのがある。
判断のハッキリしないことや、住民感情をあおりそうなときは、文学的表現を使って行間ににじませると書かれてあった。
そうした経験は私もある。
つまり、結論や伝えるべき事を文学的悶々表現にして行間から推測するんだって。
ええっ、そんな文科系発想で福島の復興を10年も続けてきたんだ。
相手は科学の産物なのだから、理工学的世界なのに。
そういえば、思い出したことがある。
F1のたまる処理水などは元素変換すればよいのに。
だが元素変換の研究を加速させるなどという話は聞いたことがない。
WEBサイトを引くと、こんな論文があった。例えば・・・
特集「原子力高レベル汚染水の処理法におけるイオン交換の役割」竹下 健二、尾形 剛志: 福島原発事故で発生した汚染水処理へのイオン交換技術の適用,竹下 健二,尾形 剛志,東京工業大学原子炉工学研究所 ,Vol.23 No.1 (2012)
WEBだからどこの学会誌なのか不明なのは悲しいのだが、飛行機の中では調べることもできない・・・。
そんな研究を国レベルで加速させてきたとする話は、これまで聞いたことがない。
捨てられない廃棄物だから、元素変換などの変換技術で元素を仕分けるほかないだろうということは容易にわかりそうなものだが・・・。
現実には政府が検討しているのは海洋投棄だって。
薄めれば基準値以下だって。その分母の数値は世界の全海洋の体積で割ったのかい?。
そんな風に、文科系政府のやることに科学的合理性はない。
自然災害といい感染症対策といい、科学を基盤にした話だ。
だから文科系政治家ばかりがいても政策の発想の基本からして疑問を感じる。
既に文科系国家は利権団体であって、起こりうる災害や事故では何の役にも立たない。
ふとテレビのNHKのニュースで「専門家の監修による実効再生算数」、そんなグラフと数値が出ていた。
はて、そんな簡単な事で一々専門家に尋ねるのかい?
前の1週間の感染者数合計値/今週1週間の感染者数合計値×係数・・・中学校レベルの数式で専門家の監修ですか・・・。
係数は、感染状況や都市ごとに設定されているだろうから、そこが不透明だ。
不透明なところを透明にするのが情報開示なのだが、隠したままというのはどんな神経なのだろうか。
そんな幼稚な事例をあげたら、政府の答弁だって専門家が脇について説明している。
今回の感染症データの推移構造は単純である。
増加、減少、相関、逆相関と構造化しやすい。
それだけ今何をすればよいかがわかるし、いつまで続くかを予測するのも簡単だ。
NHKは、その程度のことで一々専門家の監修・で・す・か・・・・。
感染症の一連の報道で、日本という国家全体が幼稚化している事は理解したが・・・。
・・・
そんなことを考えていたらSKYMARKの飛行機は、新千歳に着いた。
さて雪がない。パウダースノウだから海風で吹き飛ばされたか?。
今回は、仕事も抱き合わせだから退屈はしないはずだ。
それに雪がない小樽の街は、こんな風景だったかと少し愕然としたが、それもまた面白そうだ。
石狩湾に鴎の大群がいる、港町の空気だ。
さて文庫本をゴミ箱に捨てて街歩きに出かけよう。
注)今井照/自治総研編:原発事故 自治体からの証言,ちくま新書,2021.
小樽市
NikonDf,Carl Zeiss Macro Planar 100mm/F2.0T*ZF、Carl Zeiss Distagon 25mm/F2.8T*ZF
1)ISO200,露出補正0,f/8,1/320
2)ISO200,露出補正0,f/8,1/800
3)ISO200,露出補正0,f/8,1/125
4)ISO200,露出補正0,f/8,1/125
5)ISO200,露出補正0,f/8,1/500